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第5章「見え隠れする本質」

俺は、ニヤリとした顔をして、18を見た。そして、首を動かして、19と20を見る。

「あそこにいるのが、お前のお仲間だよな?」

俺が楽しそうに、18に19と20の事を言うと、18は、
さっきまでの楽しそうな顔から、一転し、血の気の引いた顔で俺を見ている。

「そうだとしたら、何なんだよ?ええ?」
「決まってんだろ?やられたら、やり返す。俺の大事なものを
奪ったんだ。しかも、この俺からだぞ?
怖いもの知らずだよなぁ・・・お前。初版本世代を知らないとは言え、
この俺に喧嘩を売った事を後悔しな?」

俺はそう言うと、またあの早いスピードで、19と20の側に行き、
2冊が抵抗する間もなく、18が36冊目にしたように、
本喰人の核である、本を身体から抜き取り出していた。

「う・・・うそだろ・・・」
「そんな・・・これがあの12冊目?!」

19と20は、短くそれだけ言うと、地面に倒れ込んだ。
完全に絶命したと、俺はわかる。生暖かい本の感触に、
わけもわからずに懐かしさを覚え、俺は微笑んでいた。

「情けねぇな・・・今時の本喰人は、こんなあっさり殺れるのかよ?
これじゃ、2の奴も寂しがってるだろ?骨のある本がいないってな。」
「な、何の話をしてるんだ?!!お前は??!!」

18の奴は、俺の言動に激しく動揺にし、確実に怖がっている。
俺は、ますますそれが面白くなり、ある事を思いつく。

「なぁ?さっきした共喰いはどうだった?美味しそうに食べてたよな?
お前のあの笑顔はまじで最高だったぜ?敵ながらにな。
だからよぉ、今度は自分のお仲間も共喰いして、見せてくれよ?
きっと、こいつらも美味しいと思うぞ?な?」
「ば、馬鹿か!!俺様がそんな事!出来るわけないだろう!!」

俺の言葉に、18は恐怖しながらも、怒り出す。
何を言ってんだ?さっきは36冊目を美味しそうに食べておいて、
19と20は喰べれないとか、そんな馬鹿な話があるものか。
俺は、18の言葉を聞き、笑顔が一瞬で消えた。

「は?てめぇ、さっきは、楽しそうに共喰い出来てただろうが?
それが、お仲間になったら出来ないとか、ふざけてんのか?
てめぇ、俺が用意した新鮮な本が喰えないとか、なめてんのか?
ええ?!!!」

俺は、蹴りで18を張り倒し、倒れ込んだ、18に馬乗りになり、
さっきのお返しとばかりに、両手で交互に何度も何度も18の顔や身体殴った。
俺は自分で自分が怖くなるほどの狂気ぶりだったが、
大人しくなった18に、再び笑顔になった。

「聞き分けのないこと言うから、ついキレちゃっただろうが・・・
ほら?今のお前なら、回復兼ねて、本が欲しいだろ?
優しいお前の為に、更に優しい俺が、食事用意してやったんだから、喰べろ。な?」

俺は、有無も言わさずに18の口に、一気に19と20の本を、突っ込んだ。
もちろん、一気に食べれるわけがない。18は、拒否もあったのもあり、
吐き出し、苦しそうに噎せ返る。その顔は完全に恐怖に染まり、
18は子供の様に泣き出していた。
俺は冷酷な笑顔で、更に18の口にお仲間の本を運んだ。
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