第5章「見え隠れする本質」
「いい加減にしなさいよ!18冊目!いつも、12ちゃんに嫌がらせして!
同じ本喰人として、恥ずかしくないの!」
36冊目は大声で、18の奴に罵声を浴びせる。
俺が駄目だ!やめろ!と言う前に、36冊目は、19と20の奴らに
頬と腹を殴られて、無理に黙らされた。
あいつら!2冊同時に、か弱い36冊目に何てことを!
俺は、もう我慢できずに、36冊目を助けようと動こうとした時に、
18に腕を掴まれた。
「おいおい?お前は俺様とお話中だろうが?どこに行こうとしてんだ?あ?」
「何がお話だ。俺は、お前なんかと話すことなんて何もない!
さっさと36冊目を解放しろ!!!」
「だーかーらーよ!!!解放するには、何か見返り寄越せって、
言ってんだろうがよ!!!」
18の奴はいきなり俺を蹴り飛ばし、俺を待ち合わせしていた、
木に向かって蹴りつけた。
俺は一瞬の事で上手く受け身が取れずに、木に身体を打ち付け、
逃げ出す機会を逃してしまった。
しかし、18の奴の攻撃は収まるどころか、過激になる一方で、
今まで以上に激しいものになる。
俺は、何とか耐えて、いつもの様に、18が気が済むのを待ったのだが、
それがくる気配がなかった。
「おらよ!どうしたんだよ!何か言えよ!!見返りはないのか?」
俺は身体を出来る限りに庇うが、血反吐を吐き、呼吸も荒くなる。
18は、そんなにも俺が憎いのか?このまま、殺したいほどに。
俺の意識は、だんだんと薄れ掛かっていた・・・
「やめて!!!12が死んじゃう!!それ以上は!!!やめてあげて!!!」
36冊目の悲痛な叫びで、俺は、一瞬、意識を取り戻した。
36冊目は、19と20の奴を、なんとか振り解いて、18の奴の所に駆け寄っていた。
「お?なんだ?下巻の36ちゃんよ?12を助けたいのか?」
「これ以上は、いくら何でもやりすぎよ!18冊目、本当にやめて!12が死んじゃう!」
「なら、12を助けてやる代わりに、お前が何か俺様に見返りを
寄越すか?それでも俺様はいいぞ?俺様は優しいからな?」
「見返りって・・・何が欲しいの?」
36冊目は顔を青ざめながらも、18の奴に懇願している。
くそ・・・駄目だ・・・36冊目・・・そんな奴と話なんかしたら。
俺は遠のきそうになる意識を何とか保って、36冊目と18を見た。
「そうだなぁ・・・12の奴の命を救うんだから、同じ命で支払って貰おうか?どうだ?」
「私の命・・・それで、12にこれ以上、酷い事はしないって、
本当に約束してくれる?」
「ああ、してやるぜ。俺様は、そうしたところは律儀なんだ。
いい本だろう?」
「・・・・・」
36冊目は、18を睨んだ後で、俺の方に顔を向ける。
「12ちゃん・・・一緒には旅に行けなくなっちゃったみたい。
ごめんね・・・でも、私・・・後悔はしてないよ。
だって、大事な12ちゃんを救えるなら。」
「だ・・め・・・だ・・・36・・・」
俺は、必死に36冊目と18の交渉を止めようとした。
だが、ズタボロになった俺に出来ることは、惨めに、泣きながら、
36冊目に届かない言葉を言うだけ。
俺は、痛みに抗い、36冊目を救おうと手を伸ばした瞬間だった。
同じ本喰人として、恥ずかしくないの!」
36冊目は大声で、18の奴に罵声を浴びせる。
俺が駄目だ!やめろ!と言う前に、36冊目は、19と20の奴らに
頬と腹を殴られて、無理に黙らされた。
あいつら!2冊同時に、か弱い36冊目に何てことを!
俺は、もう我慢できずに、36冊目を助けようと動こうとした時に、
18に腕を掴まれた。
「おいおい?お前は俺様とお話中だろうが?どこに行こうとしてんだ?あ?」
「何がお話だ。俺は、お前なんかと話すことなんて何もない!
さっさと36冊目を解放しろ!!!」
「だーかーらーよ!!!解放するには、何か見返り寄越せって、
言ってんだろうがよ!!!」
18の奴はいきなり俺を蹴り飛ばし、俺を待ち合わせしていた、
木に向かって蹴りつけた。
俺は一瞬の事で上手く受け身が取れずに、木に身体を打ち付け、
逃げ出す機会を逃してしまった。
しかし、18の奴の攻撃は収まるどころか、過激になる一方で、
今まで以上に激しいものになる。
俺は、何とか耐えて、いつもの様に、18が気が済むのを待ったのだが、
それがくる気配がなかった。
「おらよ!どうしたんだよ!何か言えよ!!見返りはないのか?」
俺は身体を出来る限りに庇うが、血反吐を吐き、呼吸も荒くなる。
18は、そんなにも俺が憎いのか?このまま、殺したいほどに。
俺の意識は、だんだんと薄れ掛かっていた・・・
「やめて!!!12が死んじゃう!!それ以上は!!!やめてあげて!!!」
36冊目の悲痛な叫びで、俺は、一瞬、意識を取り戻した。
36冊目は、19と20の奴を、なんとか振り解いて、18の奴の所に駆け寄っていた。
「お?なんだ?下巻の36ちゃんよ?12を助けたいのか?」
「これ以上は、いくら何でもやりすぎよ!18冊目、本当にやめて!12が死んじゃう!」
「なら、12を助けてやる代わりに、お前が何か俺様に見返りを
寄越すか?それでも俺様はいいぞ?俺様は優しいからな?」
「見返りって・・・何が欲しいの?」
36冊目は顔を青ざめながらも、18の奴に懇願している。
くそ・・・駄目だ・・・36冊目・・・そんな奴と話なんかしたら。
俺は遠のきそうになる意識を何とか保って、36冊目と18を見た。
「そうだなぁ・・・12の奴の命を救うんだから、同じ命で支払って貰おうか?どうだ?」
「私の命・・・それで、12にこれ以上、酷い事はしないって、
本当に約束してくれる?」
「ああ、してやるぜ。俺様は、そうしたところは律儀なんだ。
いい本だろう?」
「・・・・・」
36冊目は、18を睨んだ後で、俺の方に顔を向ける。
「12ちゃん・・・一緒には旅に行けなくなっちゃったみたい。
ごめんね・・・でも、私・・・後悔はしてないよ。
だって、大事な12ちゃんを救えるなら。」
「だ・・め・・・だ・・・36・・・」
俺は、必死に36冊目と18の交渉を止めようとした。
だが、ズタボロになった俺に出来ることは、惨めに、泣きながら、
36冊目に届かない言葉を言うだけ。
俺は、痛みに抗い、36冊目を救おうと手を伸ばした瞬間だった。