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第5章「見え隠れする本質」

夢の中で、俺は次の日を迎えていた。俺は凄くワクワクした気持ちで、
36冊目が約束の場所に来るのを待っていた。
この頃は、薄っすらとした記憶しかないが、ギリシャのどっかの田舎の村で、俺達は育った。
のどかで穏やかな場所だったと俺は曖昧ではあるが覚えている。
俺は、その田舎の村から、少し離れた、少し丘にある木のとこで、
1冊で、36冊目を待っていたのだが、最悪な事に18に見つかってしまった。

「おやおや?もしかして、12ちゃんは、愛しの36ちゃんをお待ちかな?がはははは!」
「う、うるさい!お前には関係ないだろ!18!」
「関係ないねぇ・・・つれないこと言うなよ。36ちゃんと旅に出るんだろ?
俺様も一緒に行ってやろうか?」
「はぁ?馬鹿じゃないのか?誰か、お前なんかと、好んで行くんだよ?
気でも狂ったのか?」

俺は、心底うんざりしながらも、最後の最後まで、俺に絡んでくる
18冊目に嫌悪を隠し切れなかった。
俺は、36冊目と一緒に旅に行けるのも嬉しかったが、
この18の馬鹿とも、ようやく離れられることも嬉しかったのだ。
気付けば、俺に絡んできて、嫌がらせをする18には、本当に嫌な思い出しかない。

「へぇーいいのかよ?俺様にそんな口のきき方をして?」
「いいに決まってるだろ。もう、お前とは関係のない暮らしを
これからはするんだからな。お互いに清々するだろうが。」
「それはそうだな。でもよ、俺様がそれで、はい良かった!と
終わらせると思うか?」
「何が言いたいんだ?」
「こういうことだよ!」

18の奴はそう言うと、いつもつるんでいる、19と20を呼び寄せた。
19と20の奴らは事もあろうか、俺の大事な親友の36冊目を、
力づくで連れて来ていた。

「な?!36冊目に何をする気だ!!!」

俺は、18の奴の行動に、すぐに怒った。いつもは、俺を殴ったり、蹴ったりして、
ある程度すれば、満足するはずなのに、今日に限って、
36冊目に手を出そうと言うのか。
俺は、どんどん怒りの感情が増し、俺はいざと言う時の為に身構えた。
俺は、どうなってもいい。俺の所為で36冊目に被害さえいかなければ。

「痛い!離しなさいよ!19冊目!20冊目!!」

36冊目も右腕を19冊目に左腕を20冊目に、無理矢理に掴まれて、大分怒っていた。
そりゃ、怒るに決まってる。せっかく、これから俺達は、
世界を巡る旅をするところだと言うのに。

「がははは。いい気味だな。36冊の奴はあんな感じだぞ?
これで、お前は、一緒に旅にでも行けるのかよ?え?12ちゃんよ?」

18の奴は、俺を小馬鹿にして、優越感に浸っている。
こんな馬鹿らしいことに俺も付き合う気は、更々ない。

「いい加減にしろよ!18!お前、こんなことして、何が面白いんだ?
36冊目には、お前は恨みはないだろう?さっさと解放しろ!」
「ほう?じゃあ、解放したら、何か見返りでもくれるのか?あん?」
「はぁ?見返りだ?」

俺は、18を思い切り睨み、気持ち悪さが、一気に込み上げてきた。
何が見返りだ。ふざけるのも大概にしろ。
俺は、どうにか、36冊目を連れて、こいつらから逃れる術を必死に考えていた。
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