第5章「見え隠れする本質」
「駄目かな・・・?」
トワは、俺の顔色を伺いながらも聞いてきた。全く、この調子では、
駄目だと言ったところで聞かなさそうだけどな。
俺は苦笑いしながら、トワに答えた。
「今は、駄目だな。トワは、はっきり言うが、まだまだ未熟だ。」
「うっ・・・そうだよね・・・」
「でも、これから次第だ。トワはその分、まだまだ成長も出来る。
トワが一人前になれたと思った時は、トワの好きにすればいい。
俺は、トワの意思を尊重するよ。その時になったらな。」
「十二・・・有難う・・・私、頑張る!」
トワは俺がやったメモをキュッと握りしめて、俺を見た。
その目には決意の光が宿っていた。これなら、トワもトワで、
いい方向に成長出来そうな気がする。
やっぱり、俺の眷属だからなのか?俺が成長しようとする気持ちが、
トワにも伝わりやすいのだろうか?
俺は、はっきりとは言えないが、そんな気持ちになった。
お互いに悪い事ではないから、今は深く考えなくてもいいか。
「じゃ・・・邪魔しちゃってごめんね!」
「ん?いや、気にするな。トワは俺にとって家族なんだから。」
「うん・・・わかった。」
トワは最後に俺の言葉に顔を赤くして、出て行った。
家族か・・・自分で言ってしまったけど、ちょっと改めて言うと、
恥ずかしくなるな、これは・・・
俺は、トワが去った後も、これからの事を考える。
「8冊目の眷属が全部いなくなったとすれば、次に2の奴が、
俺達に送り込んでくるのは、15冊目と16冊目だろうな。
いや、その両者のまた眷属を使ってくる可能性もあるか・・・
はぁ・・・向こうも、仲間が増えると、しんどいな。
それにしたって、どうして、あんな奴の仲間になりたがる奴がいるのか、俺にはさっぱりだ。
そんなに2の奴に従いたい理由でもあるのか?」
俺は考えても答えが出ないとわかっていながらも、考えてしまう。
2冊目につくことで得られる何かが分かれば、相手の戦力を、
減らすことも出来るかもしれない。
どうせ、うまいこと言って、仲間にしているに違いない。
どっかのゲームではないが、世界の半分をくれてやるみたいな?
「馬鹿馬鹿しいな。あの2が、どんな魅力的な提案をしたとこで、守るわけないのに。
何で、他の奴はそれがわからないんだ?」
俺は2の奴に少しイライラしながらも、色々な事を考えているうちに、
しまいには寝てしまっていた。
深い暗闇に身体がどんどん沈んでいく感覚にとらわれる。
そして、俺は過去の3冊目の家にいる自分になっていた。
ある程度、成長し、3冊目の家で育った本達が、そろそろ各自、
巣立つと言った時期になってる頃だった。
俺の姿は今よりも若干若いが、それでも大きくは変わっていない。
36冊目は、子供の頃は、中性的な姿だったが、この頃には、
女の姿になっていた。
36冊目は、やっと女の本として生きると決めたばかりだった。
「12ちゃんと世界を旅するなら、男でもいいかとも思ったんだけどね。
でも、考えたら、男女の方がいざって時にいいかな?って思って。
男だけしか無理な場所もあれば、女だけしか駄目な場所もあるでしょ?
それに、人目を忍ぶにも、男女の方が何かと都合がいいと思うんだけど・・・どうかな?」
36冊目は、少し恥ずかしそうにして俺に言ってきた。
俺も、少し恥ずかしさはあったが、36冊目の考えには同意した。
次の日には、長年の約束をしていた、一緒に世界を旅する日の出発日であるはずだった。
あんな悲劇さえ、起きなければ・・・
トワは、俺の顔色を伺いながらも聞いてきた。全く、この調子では、
駄目だと言ったところで聞かなさそうだけどな。
俺は苦笑いしながら、トワに答えた。
「今は、駄目だな。トワは、はっきり言うが、まだまだ未熟だ。」
「うっ・・・そうだよね・・・」
「でも、これから次第だ。トワはその分、まだまだ成長も出来る。
トワが一人前になれたと思った時は、トワの好きにすればいい。
俺は、トワの意思を尊重するよ。その時になったらな。」
「十二・・・有難う・・・私、頑張る!」
トワは俺がやったメモをキュッと握りしめて、俺を見た。
その目には決意の光が宿っていた。これなら、トワもトワで、
いい方向に成長出来そうな気がする。
やっぱり、俺の眷属だからなのか?俺が成長しようとする気持ちが、
トワにも伝わりやすいのだろうか?
俺は、はっきりとは言えないが、そんな気持ちになった。
お互いに悪い事ではないから、今は深く考えなくてもいいか。
「じゃ・・・邪魔しちゃってごめんね!」
「ん?いや、気にするな。トワは俺にとって家族なんだから。」
「うん・・・わかった。」
トワは最後に俺の言葉に顔を赤くして、出て行った。
家族か・・・自分で言ってしまったけど、ちょっと改めて言うと、
恥ずかしくなるな、これは・・・
俺は、トワが去った後も、これからの事を考える。
「8冊目の眷属が全部いなくなったとすれば、次に2の奴が、
俺達に送り込んでくるのは、15冊目と16冊目だろうな。
いや、その両者のまた眷属を使ってくる可能性もあるか・・・
はぁ・・・向こうも、仲間が増えると、しんどいな。
それにしたって、どうして、あんな奴の仲間になりたがる奴がいるのか、俺にはさっぱりだ。
そんなに2の奴に従いたい理由でもあるのか?」
俺は考えても答えが出ないとわかっていながらも、考えてしまう。
2冊目につくことで得られる何かが分かれば、相手の戦力を、
減らすことも出来るかもしれない。
どうせ、うまいこと言って、仲間にしているに違いない。
どっかのゲームではないが、世界の半分をくれてやるみたいな?
「馬鹿馬鹿しいな。あの2が、どんな魅力的な提案をしたとこで、守るわけないのに。
何で、他の奴はそれがわからないんだ?」
俺は2の奴に少しイライラしながらも、色々な事を考えているうちに、
しまいには寝てしまっていた。
深い暗闇に身体がどんどん沈んでいく感覚にとらわれる。
そして、俺は過去の3冊目の家にいる自分になっていた。
ある程度、成長し、3冊目の家で育った本達が、そろそろ各自、
巣立つと言った時期になってる頃だった。
俺の姿は今よりも若干若いが、それでも大きくは変わっていない。
36冊目は、子供の頃は、中性的な姿だったが、この頃には、
女の姿になっていた。
36冊目は、やっと女の本として生きると決めたばかりだった。
「12ちゃんと世界を旅するなら、男でもいいかとも思ったんだけどね。
でも、考えたら、男女の方がいざって時にいいかな?って思って。
男だけしか無理な場所もあれば、女だけしか駄目な場所もあるでしょ?
それに、人目を忍ぶにも、男女の方が何かと都合がいいと思うんだけど・・・どうかな?」
36冊目は、少し恥ずかしそうにして俺に言ってきた。
俺も、少し恥ずかしさはあったが、36冊目の考えには同意した。
次の日には、長年の約束をしていた、一緒に世界を旅する日の出発日であるはずだった。
あんな悲劇さえ、起きなければ・・・