第5章「見え隠れする本質」
俺達は眷属の話も大体済んで、トワも満足したようなので、話し合いを終わりにした。
師匠は、今日は修行は休みにすると言ってくれたので、各自、好きに過ごすことにした。
ただ、俺と二四、ゴートンは、今修行の為に断食中なのもあり、
外出する気などにはなれなかった。
外出したら、つい食事をしてしまいそうになってしまう。
俺は、自分が意外にも食欲が抑えられないのにショックを受けた。
3日くらいで、これでは、次の目標にしている7日間の断食が不安になる。
流石に仲間を喰べたいとまでは、思わないと思うが、でも、あの師匠の事だから、
何か仕掛けてくるかもしれない。
わざと食欲を刺激してくるような罠を・・・
今の俺が怖いのは、師匠のそうした罠にハマらないかどうかだ。
俺が、自分の部屋で、軽く瞑想をしながら考えていると、
ドアをノックする音がする。
「誰だ?別に入っていいぞ?」
「じゃあ、入るね。」
「なんだ、トワか。」
俺は、声を聞いて、つい気が緩んでしまった。
トワが、わざわざノックして入ってくるなんて珍しいな。
「あのさ・・・十二。」
「どうした?まだ、眷属の事で聞きたいことがあるのか?」
「うん、それもあるんだけどさ。」
「なんだ?」
「私も、少しでもいいから戦えるようになりたいと思って。」
「トワ、お前、本気で言ってるのか?」
「私は本気だよ!だって、少しは戦えた方がいいでしょ?
そりゃーゴートンとか二四並みには無理でもさ、十二の拠点を、
守れるくらいには・・・戦えればと思うんだ。」
トワは、本気で俺に自分の気持ちを素直に言っている。
ゴートン達を日頃から見て、トワは最近はますます、その気持ちが強くなったんだろうな。
けど、俺はトワには、必要以上に戦って欲しくないと思う。
戦う術がなければ、無理に戦おうとはしないだろうが、もし戦う術を知れば、
今度は自分から戦いを望むようになってしまうこともあるだろう。
俺はトワには、そんな風になって欲しくなかった。
それもあったから、俺は、積極的に今まで戦いについては、
トワに教えなかったのかもしれないな。
でも、それはあんまりな話しだよな。俺はトワと最初に出会った時は、
自分の身は自分で守れなんて言ってたのに。
こんなに自分でも考えが変わったのには、驚いている。
「トワ・・・何も急いで、戦えるようになれなくてもいいんだぞ?
俺も今は師匠の元で修行中だしな。
それに、今は俺以外にも、師匠や、ゴートンに二四もいるだろ?」
「そうだけど・・・けど、この間みたいに、ゴートン達に迷惑を
かけるのも申し訳ないよ・・・
私が戦えないから、ゴートン達は、私と四四ちゃんを一緒に、
あんな能力で十二の元に帰してくれたんだよ?
私も最低限戦えたなら、四四ちゃんは残って、ゴートン達に
協力出来たかもしれないのにさ・・・」
どうやら、トワは先の件で、かなり気を病んでいるようだ。
トワからすれば、守られてばかりなのは、やっぱり気が引けるのだろう。
トワの気持ちもわからなくないが、俺の心境は複雑だった。
師匠は、今日は修行は休みにすると言ってくれたので、各自、好きに過ごすことにした。
ただ、俺と二四、ゴートンは、今修行の為に断食中なのもあり、
外出する気などにはなれなかった。
外出したら、つい食事をしてしまいそうになってしまう。
俺は、自分が意外にも食欲が抑えられないのにショックを受けた。
3日くらいで、これでは、次の目標にしている7日間の断食が不安になる。
流石に仲間を喰べたいとまでは、思わないと思うが、でも、あの師匠の事だから、
何か仕掛けてくるかもしれない。
わざと食欲を刺激してくるような罠を・・・
今の俺が怖いのは、師匠のそうした罠にハマらないかどうかだ。
俺が、自分の部屋で、軽く瞑想をしながら考えていると、
ドアをノックする音がする。
「誰だ?別に入っていいぞ?」
「じゃあ、入るね。」
「なんだ、トワか。」
俺は、声を聞いて、つい気が緩んでしまった。
トワが、わざわざノックして入ってくるなんて珍しいな。
「あのさ・・・十二。」
「どうした?まだ、眷属の事で聞きたいことがあるのか?」
「うん、それもあるんだけどさ。」
「なんだ?」
「私も、少しでもいいから戦えるようになりたいと思って。」
「トワ、お前、本気で言ってるのか?」
「私は本気だよ!だって、少しは戦えた方がいいでしょ?
そりゃーゴートンとか二四並みには無理でもさ、十二の拠点を、
守れるくらいには・・・戦えればと思うんだ。」
トワは、本気で俺に自分の気持ちを素直に言っている。
ゴートン達を日頃から見て、トワは最近はますます、その気持ちが強くなったんだろうな。
けど、俺はトワには、必要以上に戦って欲しくないと思う。
戦う術がなければ、無理に戦おうとはしないだろうが、もし戦う術を知れば、
今度は自分から戦いを望むようになってしまうこともあるだろう。
俺はトワには、そんな風になって欲しくなかった。
それもあったから、俺は、積極的に今まで戦いについては、
トワに教えなかったのかもしれないな。
でも、それはあんまりな話しだよな。俺はトワと最初に出会った時は、
自分の身は自分で守れなんて言ってたのに。
こんなに自分でも考えが変わったのには、驚いている。
「トワ・・・何も急いで、戦えるようになれなくてもいいんだぞ?
俺も今は師匠の元で修行中だしな。
それに、今は俺以外にも、師匠や、ゴートンに二四もいるだろ?」
「そうだけど・・・けど、この間みたいに、ゴートン達に迷惑を
かけるのも申し訳ないよ・・・
私が戦えないから、ゴートン達は、私と四四ちゃんを一緒に、
あんな能力で十二の元に帰してくれたんだよ?
私も最低限戦えたなら、四四ちゃんは残って、ゴートン達に
協力出来たかもしれないのにさ・・・」
どうやら、トワは先の件で、かなり気を病んでいるようだ。
トワからすれば、守られてばかりなのは、やっぱり気が引けるのだろう。
トワの気持ちもわからなくないが、俺の心境は複雑だった。