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第5章「見え隠れする本質」

「うむ、その話をしたいのか・・・では、拙者も付き合おう。」

俺は師匠に頼んで、眷属の話に付き合って貰う事にした。
トワに間違ったことを教えたくないのは事実だしな。
だが、そうしたら、結局は二四も、ゴートンも聞きたいと言う事に
なり、四四もになり、最終的には全員になってしまった。
思えば、二四もゴートンも眷属については、あまり知らなかったのか。
なら、丁度いいかもしれないな。二四やゴートンも今後の為にも、
知っておいた方がいい。
いつかは、この2冊達も眷属を持つだろうしな。

「じゃあ、まず基本から話すぞ?」
「うん・・・」

俺は、大勢が居る中で、少し恥ずかしかったが、トワに話し始めた。

「特殊小冊子と呼ばれる存在が、俺達、本喰人の眷属になる存在なのは、
過去に話したから知ってるな?」
「うん。知ってる。特殊小冊子しか、眷属に出来ないんだよね?」
「ああ、その通りだ。俺達、本喰人同士で眷属には出来ない。
だから、今後、トワが本喰人に昇格したら、トワは俺の眷属から、
外れるってことになるんだが、そこは、一旦置いておいて、次の話をするぞ?」
「うん、いいよ。」
「特殊小冊子は、何処で、いつ生まれるかはわからない。
基本は、本喰人の側で誕生するって言う、大雑把な事はわかってるけどな。
その時に、その本喰人が、特殊小冊子の面倒を見ると言うのかな?
とりあえずは、一緒にいると思えば、それで
まず簡単な契約の「所有」になる。
生まれたばかりの特殊小冊子は赤ちゃんみたいなものだから、
かなり酷い事をされない限りは、特殊小冊子は拒否せずに受け入れるだろう。」

俺が過去のトワにしたみたいにな・・・俺は幼児虐待みたいなことをしたくないから、
しなかったが、全部の本喰人がそうだとは言い切れないのが悲しいとこだな。

「もし、酷い事をされて特殊小冊子が拒否したら、どーなるの?」
「拒否したら、次の段階の「独占」って契約をするしかないな。
「独占」は、もっと強い拘束のある契約だ。
特殊小冊子の意思も関係なく、自分の配下に置くことが出来る。
ただ、無理矢理の契約だからな、お互いに良い事はないだろうな。
信頼もないし、成長した眷属が裏切らないとも言えないし、
8冊目の眷属達みたいに、死にたがることもあるだろう。」
「そう・・・だよね・・・」

トワは、少し顔を青ざめながらも、俺の話を聞いて納得してる。
気持ちのいい話じゃないから、しょうがないな。

「しかし「独占」するには、本喰人にも、それなりの力がないと出来ない。
強制的に従わせるわけだからな。だから、8冊目も3冊が限界だったんだろうな。「独占」するのは。」
「「独占」って、なんかデメリットしかない気が、私はするけど・・・」
「俺も、デメリットの方が多い気がするな。けど「独占」は、
敵側に、自分の眷属を奪われない為にするものでもあるんだ。
眷属の扱いが酷い奴がすれば、最悪行為だけど、
お互いが信頼し合った上でしている「独占」なら、
これほど強い絆はない。」
「そっか・・・お互いに信頼してるなら、メリットはあるんだね?」
「そうそう。」

俺はトワに向かって話しているが、他の奴らの視線も気になって、
ちょっとだけ集中出来ない。
なんで、こんな恥ずかしい思いをさせられてるんだ俺は・・・
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