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第4章「蠢く敵の影」

僕は、とりあえず数的な不利を補おうと、影分身の能力を使い、自分を複数人に分けた。
とは言え、この能力はまだ使い慣れていないので、5人以上出すと、
役に立たなくなってしまう。
だから、僕はギリギリの5人に分身して、8冊目の眷属達と対峙した。
とにかく、今は時間稼ぎが大事だ。二四が回復出来るまでの。

「ふーん。まさか、こんな古典的な攻撃に出るなんて・・・
やっぱり50冊目って面白いねぇ★
見た目は、今時のチャラチャラした若者っぽいのにさ!」

8冊目の眷属の少年の方は、相変わらず、僕を変に分析しては、面白がってる感じだった。
こいつ・・・本当にうざい存在だな。僕をどんだけ馬鹿にしてるんだ。

「勝手に面白がるのは自由だけど、ここからは、僕も容赦しないからな?
いくぞ!!!」

僕は、そう8冊目の眷属の少年に怒鳴り、攻撃を開始した。
8冊目の眷属の女の方も、僕と応戦して来た。
しかし、8冊目の眷属の女の方は、やっぱり二四と戦ったのが響いているらしく、
さっきよりも動きにキレがない感じがした。
僕は、そっちは分身の方に任せ、8冊目の眷属の少年の方に、
意識を集中させて、攻撃をする。

「影分身なんて、アニメでしか見れないと思ってたよー♪
僕、あの漫画好きだったんだよねぇー落ちこぼれの忍者が、
実は自分の体の中に凄い存在が居てさーその力を徐々に使いこなす事で、
自分の人生を切り開いていくやつ♪」
「奇遇だねぇ・・・僕もあの漫画とアニメは好きだったよ。」

僕達は戦いながらも、こんな話をしている。
8冊目の眷属の少年の方は、女の方よりも、感情が豊かそうだった。
どうして、2冊には、こんなに感情で差があるのだろうか?
僕はそこが、何か引っかかる気持ちだった。
同じ8冊目の眷属のはずなのに、この少年と女では、扱いが違うのだろうか?

「うっ・・・し、しまったわ・・・」

僕の影分身達は、8冊目の眷属の女の方を、何とか拘束したようだった。
僕は急いで、そっちの方に向かい、二四とは別の方法で、
8冊目の眷属の女の動きを完全に封じた。

「24冊目が白い巨大な蛇なら、50冊目は鉄の輪ですか・・・」

僕は、8冊目の眷属の女が絶対に動けないように、ある能力を使って出した、
鉄の輪で、8冊目の眷属の女の身体をしっかりと拘束した。
拘束された8冊目の眷属の女は、腕も足も体にぴったりと
鉄の輪で拘束されたので、今は芋虫のように地面に転がる。
この能力なら、僕が解除しない限りは、絶対にこの鉄の輪は外れないはずだ。
それを見た、8冊目の眷属の少年は、短く口笛を吹いた。

「ヒュー♪やるねぇーそれなら、さっきの24冊目みたいに、
腕を切られたら、能力を解除されちゃうとかないもんね。
にしても、そろそろ、24冊目も腕が回復しちゃいそうだし・・・
僕の方がどんどん不利になりそうだなぁーどうしようかなぁー」

8冊目の眷属の少年は、楽しそうに笑いながら、全然、
そうは思えない言葉を言っている。
むしろ、この窮地を楽しんでいるようにさえ見える。
僕は、ますます嫌な予感がした。あの8冊目の眷属の少年からは、
ひしひしと嫌なものを感じる度合いが強くなったからだ。
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