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第4章「蠢く敵の影」

「悪いけどさー僕の仲間を返して貰うねー★」

二四の背後に突然現れた、もう1冊の8の眷属の少年は、その陽気な声とは裏腹に、
容赦なく、二四の左腕を何かの能力で切り下した。
8冊目の眷属の女は、そのおかげで、二四の左腕から出されていた能力から逃れ、
急いで、二四から遠く離れた。
僕は、急いで二四に駆け寄りながらも、8冊目の眷属の少年を狙い、攻撃しながら、近寄った。

「おーやるね★50冊目は、動揺して何も出来ないんじゃないかと思ったけど、
そうじゃないみたいだねぇー」
「うるさい!僕をどう見てるのか知らないけど、甘く見るなよ!
二四、大丈夫か?」
「ああ。これくらいの怪我なら、自分の治癒能力でなんとか・・・
ただ、左腕が完全にくっつくのに数分かかるかもしれない。」
「数分か・・・それなら、僕が何とか時間を稼ぐよ・・・」

僕は、二四の容体を聞き、二四が自分で何とか出来ると言うので、
それを信じることにした。
本当なら、すぐに僕が回復させてあげたいとこだけど、
敵も2冊になってしまったから、最悪な状況だ。
僕の攻撃から逃げるように、8冊目の眷属の少年も、僕達から距離を取る。

「さてさてー2冊同士の戦いになったけどーどうしたものか。
けど、そっちの方が若干不利かな?24冊目は、今、左腕が使えないもんね?」
「それはどうかな?お前達みたいな眷属くらいなら、僕だけで十分かもしれないよ?
それに、お前の仲間も、大分体力とか消費してそうだけどな?」

僕は相手にマウントを取られないように、冷静に状況を分析して、
相手の挑発的な言葉に負けないようにした。
8冊目の眷属の少年は、僕を見て、ふーんとした顔で見てくる。

「8冊目は、50冊目の事を、かなり甘く見てたみたいだねぇ。
こういう奴って厄介なんだよねぇ・・・成長するとさ。」
「へぇーそうなんだな。けど、今でも十分、厄介なつもりだけどな。お前達には。」
「うん。そうかもね。」

僕は八冊目の眷属達と睨み合いをする。僕は二四を庇うようにして前に立った。
とにかく、今は二四の回復する時間を稼ぐのが重要だ。

「どうしたらいい・・・どうすれば・・・」

僕は頭の中で、考える。何が最善なのかを必死に。
8冊目の眷属達も、僕にどう対応しようか悩んでるようだ。
一応は、僕の方が本喰人だから、格上だもんな。
本喰人の中では、最下位の50冊目だとしても。

「僕にしか出来ない戦い方・・・それが何なのかを、
今日、戦いながら探るしかないか・・・」

僕は十二先輩の最近で貰ったアドバイスを思い返す。
皆で、同じ戦いをしても意味はないと、十二先輩は言った。
仲間として、チームを組む意味は、それぞれに個性を生かし、
補い合えるのが大事だと。
もちろん、足並みの揃えるのも大事な時は揃える。
その塩梅は、一緒に戦って、感覚として身につけるしかないとも
言ってた。
僕は、それを今日、二四ともしなきゃなんだ・・・
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