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第4章「蠢く敵の影」

「はい!ゴートン!いつも、修行頑張ってるご褒美♪」
「二四も、どうぞ!」
「え?!なにこれ?サプライズプレゼント?!あのトワちゃんが?!僕に?!」
「え?私もいいんですか?ゴートンだけじゃ?」

私達は、沢山遊んだ後で、少し人気のないテーブルに座って、
私と四四ちゃんで、ゴートンと二四に、さっき話をしてた、例の本をプレゼントした。
ゲーセンでの勝負の勝ち負けは、結局同点な感じで、曖昧に
終わったけど、それでも大いに楽しんだ。

「有難う!僕、凄く嬉しいよ♪食べるのが勿体ないくらいだ♪」
「トワちゃん、四四。私にまで、プレゼントを有難うございます。
2冊の気持ちは大事に受け取りますね。」
「それは良かったです。トワちゃん、やったね!大成功ね!」
「うん♪やっぱり、四四ちゃんに相談して、協力して貰って良かった♪
それにしても、ゴートンは、感謝してるけど、最初の、あのトワちゃんが僕に?!
ってアレは何よ・・・?」

私はゴートンの最初の喜び方が少しだけ引っかかった。
私がジロリとゴートンを軽く睨むと、ゴートンが苦笑いする。

「いやーだってさ・・・トワちゃんは、僕の事を内心は絶対に
嫌ってると思ってたから、こうして、プレゼントとかくれることは、
絶対にないだろうなぁーって思ってたから。」
「あんたねぇ・・・」
「ごーちゃん。それは失礼だよ。今日のこの遊びに行こうって話は、
トワちゃんがしてくれたんだよ?
ごーちゃんが最近、深刻な顔して、悩んでるのを心配してくれて。」
「え?!そうだったの?!」
「わ、私だけじゃないわよ?!二四だって、四四ちゃんも・・・」

私が慌てて弁明しようとすると、ゴートンが笑顔で、私の側に来て、
私の手を掴み、ブンブンと嬉しそうに振る。

「わー♪トワちゃん!やっぱり、僕の気持ちは無駄じゃなかったんだね♪
どうかな・・・?僕は最初に会った時から、トワちゃんと付き合いたいと思ってたよ!
トワちゃんが嫌じゃなければ、やっぱり僕達・・・」
「もう!すぐこれなんだから!あんたってチャラ本は!!
離しなさい!!!馬鹿!!!」

私は、顔を真っ赤にしながら、ゴートンの手を払って、怒った。
けど、今日のゴートンは私がこうして怒っても諦めずに、今度は
真顔になって、私に言う。

「今の僕じゃ、トワちゃんにちゃんと、僕の気持ちがわかって貰えないのは承知だよ。
だから、いつか、僕が十二先輩のように、しっかりと強くなって、
十二先輩や、六師匠が認めてくれる本になったら、その時は、
ちゃんとした場所でトワちゃんに気持ち言うから・・・」
「ちょっと・・・ゴートンってば・・・何よ、いきなり・・・」

私は、急に真剣な顔になって、真面目に言うゴートンに、戸惑ってしまった。
二四と四四ちゃんは、そんなゴートンと私を見て、変に茶化すこともなく、
穏やかに見守っていた。
うーん。困ったわ。私はまだ今後、どの本とお付き合いをするとか、考えたこともないのに。
この調子でいったら、ゴートンとになりそうじゃない?
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