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第4章「蠢く敵の影」

「二四!頑張って下さい!」
「ゴートンも負けないでよ!私も勝ちたいんだから!」
「わ、わかってるよ!トワちゃん任せて!!」
「ごーちゃん。悪いけど、私も手加減しないからね?」
「にっちゃんは、僕より大人になったんだから、優しくしてよ!」
「嫌だよーごーちゃん、勝ったら、ここぞとばかりにドヤ顔する気だもん。」
「むー!にっちゃんこそ・・・四四ちゃんの前で、良い顔したいんじゃないの?」
「な、そんなこと?!」
「ほら!隙あり!!!」
「ず、ずるいぞ!ごーちゃん!!!」

四四ちゃんとの会話の後、私達は、今日行く予定をしてた、
大阪にある有名な遊園地の中のゲーセンコーナーで、色々な対戦ゲームを
して、ワイワイと楽しんでいた。
今、2つのチームに分かれて、罰ゲームありで、負けたチームは勝ったチームに
好きな本をご馳走することになっていた。
本当は、勝ち負けはどうでも良かったんだけど、じゃないと
刺激がないからと、四四ちゃんが提案したのだ。
おかげで、皆、時々、本気で勝負している。あ、もちろん能力使用は禁止ね!
他にも大勢の人間がいるからね。

「四四ちゃん、あの例のプレゼントって、大丈夫?」
「ええ、ちゃんと用意してあるよ!」

私は四四ちゃんと相談していた、ゴートンと二四へのサプライズのプレゼントの本の話を、
小声で確認していた。
最初は、ゴートンだけにあげようかと思ったんだけど、二四だって、
日頃から一緒に頑張っているのだから、一緒にあげるべきだと私は思って、
四四ちゃんに提案したら、四四ちゃんも笑顔で同意してくれた。
あの2冊達は、本当に仲がいいからね。きっと、一緒にプレゼントを
貰った方が絶対に喜ぶよね。何より、どっちかだけだと、
どっちもお互いの事を凄く気にしそうだし。あげた意味がなくなりそうだからなぁ。

「あ、そうだ。四四ちゃんに、詳しくは聞いてなかったけど、
どんな本を選んだの?」
「ふふふ。それは、2冊にプレゼントした時に、トワちゃんにも教える♪」
「えー四四ちゃんの意地悪ぅー今すぐ教えてくれてもいいのにぃー」

私は、ちょっと悪戯っ子の様に言う、四四ちゃんの身体にくっついて、くすぐった。
四四ちゃんは、やだぁーと可愛い声で抵抗した。

「もうー!トワちゃんったらー駄目だってばー♪」
「だってぇー四四ちゃんが教えてくれないんだもん♪」

私が、四四ちゃんとイチャイチャしていると、ゴートンが大きい声で、勝った!と叫んだ。
私達がゴートン達を見ると、ゴートンのその顔は凄く嬉しそうだった。
代わりに珍しく二四は悔しそうにしている。

「本当に、ごーちゃんは女の子が絡むと強いんだよなぁー
最初は手加減してあげようと思ったけど、本気になっちゃったよ。」
「へへへーにっちゃんだって、かなりの強敵だったよ!
でも、四四ちゃんの前では良い顔出来なかったね!」
「ごーちゃん!それ以上言うなら、私も、ごーちゃんの事を、
本気の敵だと思って、次戦うけど、いいんだね?」
「あーあーダメダメ!最近の十二先輩の売りの本気モードは
駄目だってばーにっちゃん!」

ゴートンの奴は、勝ったことに調子に乗り、二四をちょっとだけ、
本気で怒らせちゃったみたいね。
相変わらずの、お調子本なんだから。
私と四四ちゃんは、そんな2冊のやり取りにクスクス笑った。
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