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第4章「蠢く敵の影」

※トワ視点に変更

私は、四四ちゃんと相談して、二四にも協力して貰って、
ゴートンの奴を励まそう会をしようとしていた。
二四も、困った顔してたもんね。やっぱり、ゴートンが急に
無口になったりしたら、一番心配するのは、二四に決まってるもん。
なんたって、にっちゃん、ごーちゃんで、今だって呼び合う程の仲ですもの。
私も、初めて聞いた時は、可愛らしい呼び合いに、ビックリしたと同時に、
悪い本達ではないと瞬時に分かったわ。
十二が嬉しそうに、二四とゴートンを見ていたのもあったしね。
私からしたら、少し羨ましそうに見えた。
十二にも、きっと同じような存在が過去に居たんだろうな・・・

「トワちゃん・・・トワちゃん?大丈夫?」
「あ、ごめん、四四ちゃん。」

私は、四四ちゃんに呼ばれていたことに気づいて、すぐに返事を返した。

「何かあったの?トワちゃんも何か考え事?」
「あ、うん。ちょっとだけね。」
「ふふ。もしかして、十二の事?」
「え?!なんで、わかったの?!」
「だって、トワちゃんが、そういう顔をする時って、十二の事が、多いもの♪」
「そうかな・・・なんか、よく漫画とかにありそうな流れだね。」
「ふふ、そうだね。」

私は、四四ちゃんにそう言うと、四四ちゃんは、もっと可笑しそうに笑う。

「十二は、ゴートン君と違って、おしゃべりな本じゃないから、
トワちゃんも心配に思うこともあると思うけど、心配しなくても、
十二は、どの本よりも優しくて、そして強くなる可能性がある本だと思うから、
大丈夫だと思うよ。」
「四四ちゃんも、そう思う?」
「うん。だって、トワちゃんを見れば、わかるじゃない♪」
「え?私を見れば?」
「うん。上、中巻の本喰人の大半は、眷属を大事に扱わないって聞くわ、
奴隷の様に酷く扱うって。
特に2冊目と8冊目の酷さは相当なものらしいみたい。」
「そうなんだね。」
「それに比べて、十二は9冊目の影響もあるかもしれないけど、
トワちゃんの事、妹?みたいに大事にしてるもの。」
「妹?!」
「うん!流石に、娘と言ったら、十二も怒りそうだからね。」
「四四ちゃんには、そう見える?」
「大事にしてるのだけは、絶対に間違いないわ♪」
「そうか・・・うん・・・十二は大事にしてくれてるよ。
いつもは、おじさん臭くて、面倒くさがり屋だけどね。」

私が、少し照れて、四四ちゃんに言うと、四四ちゃんは大人びた表情で、私に言った。

「それだけ、十二は、トワちゃんに心を開いてるんだね。
十二は、普段は用心深い本だから。」
「そ、そうかな・・・?」

私は四四ちゃんの最後の言葉には、ちょっと疑問を感じてしまった。
私が見ている感じだと、そう思わないけど、四四ちゃんくらいの付き合いになると、
そう感じるのかな?
私は、四四ちゃんから見る十二と自分が見る十二の違いを、
初めて意識することになった。
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