このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第4章「蠢く敵の影」

あの日の修行以来、ゴートンは、悩んでる姿が多くなった。
いつも明るく陽気で、トワや四四を茶化したり、ナンパしたりしていたのが、
一気に無くなり、師匠はやっと性格が変わったと、喜んでいたが、
俺やトワなどは、少し心配していた。
二四も、ゴートンが無理していないかを、凄く心配している。
それでも、修行はしっかりこなし、前よりも気合が入っている。
前なら吐いていた弱音も大分、吐かなくなった。
ゴートンは、師匠にも積極的に質問し、自分の悪い部分を叩き直そうとしていた。
二四もゴートンの姿勢に感化され、同じようにしているほどだ。

「きっと、自分なりの答えを見つけようと、今必死なんだろうな。」

俺は、ゴートンが良い方向に向かっているなら、大丈夫だろうと、
また頼られるまでは、余計なことはしないようにした。

「ねぇ・・・十二?」
「ん?どうしたんだ、トワ?」
「最近のゴートンさ、大丈夫かな?」
「何でだ?一生懸命に修行してるぞ?」
「そうなんだけどね・・・なんか心配で・・・凄い無理してる気がするんだもん。
二四も、何か言いたいんだろうけど、言わずにいるしさ。」
「そうか?」

俺は、ゴートンを心配するトワを逆に不思議に思った。
同年に近い本だからこそ感じるものなのか?
確かに、いきなり、急に変わりすぎるのも、負担が大きいことがあるからな・・・

「なら、トワがデートでも付き合ってやって、気晴らしでもしてきたらどうだ?」
「え?!なんで、いきなりゴートンとデートなの?!嫌だよ!」

俺の提案にトワは、一気に顔を真っ赤にして怒ってくる。
自分から、ゴートンの心配をしておいて、それはないだろうが。

「そこまで怒る事ないだろうが。デートは冗談にしても、
二四や四四も誘って、気晴らしでもしたらどうだ?
そうするなら、俺が師匠に掛け合って、休み貰ってやるから。」
「うーん・・・そうだよね。たまにはご褒美くらい、あってもいいよね?」
「うん。師匠の修行は厳しいからな。時にはメリハリで休むのも大事だ。」

俺は、トワにそう答えた。トワは、少しだけ考えて、すぐに笑顔になり、
「四四ちゃんに相談してみる♪」と、可愛く駆けて行った。

「若いっていいなー。じゃあ、俺は子育てに開放されて、
関西の有名な古書店巡りでもしようかな?たまには1人で
のんびりする時間も欲しかったしな。」

俺も、ちょっとは修行を休んで、せっかくの関西を満喫しようかなぁーと考えていた。
その後で、トワは、ゴートン達と遊びに行くのが決まり、
師匠の方も、丁度、セアと次のデートがある日だったようなので、
タイミングが良かった。
にしても、俺の周りは、春が来そうな雰囲気が凄いな。
師匠も、なんだかんだとセアを気に入ってるようだし。
二四も、もしかしたら四四とだし・・・
これで、トワもゴートンと、そんな雰囲気になったら、
俺だけか・・・ぼっち本は・・・うーん、少し複雑だ。
14/35ページ
スキ