エピローグ
ラリイ達は、突然のバハムートの登場に驚く。
バハムートは、凄くニコニコした顔で、上機嫌にラリイ達の前に現れ、
イルディアに興味津々な顔を向ける。
イルディアも最初は誰だ?みたいな顔をしていたが、フェニックスに
「こちらの方は、この幻獣界の王のバハムートです」と紹介されて、
一気に緊張した雰囲気になった。
ラリイも、少し緊張気味にバハムートとイルディアを見る。
まさか、ここでいきなりイルディアも、バハムートに敵意を向けて、
戦おうとしたりしないとは思っても、過去の事を考えると、
一瞬だけ、そんな心配をしてしまう。
しかし、ラリイの心配とはよそに、バハムートはイルディアに、実に好意的だった。
「おお!お前が!イルの息子か!!フェニックスの言うように、
あいつの気がするぞ!
あいつの息子なだけあるな!いい素質を持っているようだ♪」
バハムートは、過去に大親友で相棒であった、イルルヤンカシュの
息子に会えて、かなり喜んでいる様子だ。
イルルヤンカシュ当人とは、まだ仲直りは出来てないままではあるが、
その息子は、何も悪くないとバハムートは思っているようだ。
「俺の事は聞いているか?バハムートだ。お前の名前は、イルディアと言うようだな?」
「は、初めまして!バハムート王。はい、俺の名前はイルディアです!
お会い出来て光栄です!」
イルディアは、慌てて、陽気に話しかけてくる、バハムートに頭を下げた。
明るい雰囲気とは言え、イルディアはバハムートの実力に、すぐに気づいたのだろう。
幻獣の力を覚醒させてから、イルディアは、相手と自分の力の差を、
しっかりと認識出来る存在にもなっていた。
「おいおい!よせよせ!俺は、今日は幻獣王としてでなく、
一介の幻獣として、お前に会いに来たんだ!堅苦しい挨拶はするな!な?」
「は・・・はい。」
バハムートは、ますます陽気な感じになって、イルディアに対応するが、
イルディアの方は余計に緊張してしまっていた。
「バハムート。いきなり、そんな風に言われても、イルディアも困るでしょう?
貴方とイルルヤンカシュが大親友だったとは言え、息子のイルディアとは、
今日が初対面なのですから、もっと大人らしい対応をしてあげて下さい。」
「そうは言われてもな。これが俺だからなぁー無理だぞ?
そうだ!お前の父のイルルヤンカシュはどうだ?元気か?」
「はい!元気にしております。」
「そっか!それは何よりだ。俺はお前とだけで話したいんだが、
フェニックスにラリイ、構わないか?」
バハムートは、笑顔でフェニックスとラリイにそう聞いてくるので、
ラリイ達は笑顔で頷き返して、その部屋を出た。
ラリイ達は、別の部屋に移動し、親子の会話をする。
「フェニ。まさか、バハムートを連れて来るなんて・・・どうして、また?」
「実はですね、ラリイ。イルディアに会いたかったのは、私だけではなかったんですよ。
私だけが会いたいなら、私の方がイルルヤンカシュの方に出向きました。
でも、イルディアの話をしたら、ぜひ会いたいとバハムートが言ってきたのでね。
それで、今回、イルディアを私の屋敷に招いたのですよ。
バハムートは幻獣王と言う立場もある手前、
いきなり、イルディアを幻獣城に招くのは難しいと判断してね?」
「なるほど・・・そういう事情もあったのですね。
なら、最初に言ってくれれば良かったのに・・・」
「すいません、ラリイ。でも、ラリイに変に気を遣わせたくないのもあったんですよ。
前々から、ラリイに話せば、ラリイだって、気になるでしょ?」
「それは・・・気にするなって方が無理です。」
「ほら、そうでしょ?私は、それでラリイがイルディアと
ギクシャクして欲しくなかったんです。
これは、バハムートとイルルヤンカシュ親子の問題ですからね。」
フェニックスは、いつもの様に優しくラリイに説明する。
どうやら、フェニックスの方でも、何か出来ないかと、
前々から思って行動していたようだ。
バハムートがイルディアと会う気になったのも、裏でフェニックスが、
やんわりと説得していたのもあった。
イルディアと言う存在をきっかけに、イルルヤンカシュと和解してはどうかと。
「バハムートは、イルディアと、シルヴィルの存在を知り、
魔族の、鬼人族の存在に興味を持ったようです。過去には、お互いが理解が無いために、
激しく憎む存在になっていたかもしれませんが・・・今なら・・・
イルディアと関わっていければ、良い関係になってくれるのではないかと、
私は期待しているんです。」
「フェニ・・・それは、私も同じ気持ちです。」
ラリイは、親に同意し、笑顔でフェニックスの言葉に頷く。
そうなってくれたら、どれだけ、ラリイも嬉しい事だろうか・・・
シルヴィルを幻獣界に連れて来るのは無理ではあったが、
代わりにイルディアは連れて来ることが出来た。そして、イルディアの存在が、
今後は、イルルヤンカシュを、この幻獣界に来させる為の、良い一手になってくれれば、
こんなに嬉しい事はないではないか。
「ラリイ。バハムートとイルディアは、積る話もあるでしょうから、
私達は食堂で、お茶を飲んで、ゆっくり待ちましょうか。」
「そうですね。フェニ。」
「あーそうだ!ラリイ♪今日は、ラリイの大好きなモノも買ってあるんですよ♪」
「大好きなモノ?和菓子とか言うやつですか?」
「ええ♪今回の新作は、桜餅?とか言うお菓子らしいです♪」
「それは、凄く楽しみです、フェニ。」
「うふふ♪それは良かった♪じゃあ、行きましょう♥♥♥」
フェニックスは、息子のラリイが嬉しそうにしているのが、分かり、喜ぶ。
バハムートとイルディアの話し合いは、約2時間くらいかかった。
後にラリイ知るのだが、イルディアは、まず鬼人族の代表として、
過去にした事をバハムートに全て謝罪したようだ。
バハムートもその謝罪を受け入れ、幻獣及び、ドラゴン族としても、
鬼人族の過去の過ちを許した。
そして、いつかは、イルルヤンカシュを幻獣界に呼び、
和解したいとイルディアに言う。
イルディアは、帰ったらすぐに、その事をイルルヤンカシュに伝えると約束した。
こうして長年、喧嘩別れしたままだった、バハムートとイルルヤンカシュの関係は、
改善が見込まれたのだ。
この事は、リヴァイアサン達も喜んだと言う。
「イルディア。今度は、いつでも幻獣界に気軽に来て下さいね♪
1人で来るのが嫌であれば、ラリイとでも♪」
「はい。フェニックス、有難うございます。」
「それから、私も時間がある時は、私からも、イルルヤンカシュの元に行きますので♪」
「わかりました。父に伝えておきます。」
イルディアは、フェニックスに暖かく見送られ、ラリイと自分の住処に戻った。
3日間のイルディアの幻獣界への滞在は、あっと言う間に終わった。
ラリイは、イルディアと共に、人間界に行き、シルヴィルの墓に向かう。
今回の事を、シルヴィルにもぜひ報告したかったのだ。
きっと、誰よりも喜んでくれるに違いないと思って。
数年後の話になるが、確実な実力をつけたイルディアは、
魔界の2分の1は治められるほどの存在、魔王となり、
幻獣界とも和睦を結ぶことになる。
一部の魔族は、幻獣界を攻めないと誓わせた。
これにより、イルルヤンカシュの存在は、魔界との調停に大きく貢献した幻獣へと変わり、
忘れ去られた幻獣と言う汚名は消えることになる。
フェニックスも、ラリイも、親子共々、この事を大いに喜んだ。
更に、イルディアは、バハムートにその実力と、人柄に惚れられ、
バハムートの多数いる娘の1匹と結婚することになる。
幻獣界は、人間界とも魔界とも、良い感じに距離を取りながら、
付き合うことになった。
バハムートは、凄くニコニコした顔で、上機嫌にラリイ達の前に現れ、
イルディアに興味津々な顔を向ける。
イルディアも最初は誰だ?みたいな顔をしていたが、フェニックスに
「こちらの方は、この幻獣界の王のバハムートです」と紹介されて、
一気に緊張した雰囲気になった。
ラリイも、少し緊張気味にバハムートとイルディアを見る。
まさか、ここでいきなりイルディアも、バハムートに敵意を向けて、
戦おうとしたりしないとは思っても、過去の事を考えると、
一瞬だけ、そんな心配をしてしまう。
しかし、ラリイの心配とはよそに、バハムートはイルディアに、実に好意的だった。
「おお!お前が!イルの息子か!!フェニックスの言うように、
あいつの気がするぞ!
あいつの息子なだけあるな!いい素質を持っているようだ♪」
バハムートは、過去に大親友で相棒であった、イルルヤンカシュの
息子に会えて、かなり喜んでいる様子だ。
イルルヤンカシュ当人とは、まだ仲直りは出来てないままではあるが、
その息子は、何も悪くないとバハムートは思っているようだ。
「俺の事は聞いているか?バハムートだ。お前の名前は、イルディアと言うようだな?」
「は、初めまして!バハムート王。はい、俺の名前はイルディアです!
お会い出来て光栄です!」
イルディアは、慌てて、陽気に話しかけてくる、バハムートに頭を下げた。
明るい雰囲気とは言え、イルディアはバハムートの実力に、すぐに気づいたのだろう。
幻獣の力を覚醒させてから、イルディアは、相手と自分の力の差を、
しっかりと認識出来る存在にもなっていた。
「おいおい!よせよせ!俺は、今日は幻獣王としてでなく、
一介の幻獣として、お前に会いに来たんだ!堅苦しい挨拶はするな!な?」
「は・・・はい。」
バハムートは、ますます陽気な感じになって、イルディアに対応するが、
イルディアの方は余計に緊張してしまっていた。
「バハムート。いきなり、そんな風に言われても、イルディアも困るでしょう?
貴方とイルルヤンカシュが大親友だったとは言え、息子のイルディアとは、
今日が初対面なのですから、もっと大人らしい対応をしてあげて下さい。」
「そうは言われてもな。これが俺だからなぁー無理だぞ?
そうだ!お前の父のイルルヤンカシュはどうだ?元気か?」
「はい!元気にしております。」
「そっか!それは何よりだ。俺はお前とだけで話したいんだが、
フェニックスにラリイ、構わないか?」
バハムートは、笑顔でフェニックスとラリイにそう聞いてくるので、
ラリイ達は笑顔で頷き返して、その部屋を出た。
ラリイ達は、別の部屋に移動し、親子の会話をする。
「フェニ。まさか、バハムートを連れて来るなんて・・・どうして、また?」
「実はですね、ラリイ。イルディアに会いたかったのは、私だけではなかったんですよ。
私だけが会いたいなら、私の方がイルルヤンカシュの方に出向きました。
でも、イルディアの話をしたら、ぜひ会いたいとバハムートが言ってきたのでね。
それで、今回、イルディアを私の屋敷に招いたのですよ。
バハムートは幻獣王と言う立場もある手前、
いきなり、イルディアを幻獣城に招くのは難しいと判断してね?」
「なるほど・・・そういう事情もあったのですね。
なら、最初に言ってくれれば良かったのに・・・」
「すいません、ラリイ。でも、ラリイに変に気を遣わせたくないのもあったんですよ。
前々から、ラリイに話せば、ラリイだって、気になるでしょ?」
「それは・・・気にするなって方が無理です。」
「ほら、そうでしょ?私は、それでラリイがイルディアと
ギクシャクして欲しくなかったんです。
これは、バハムートとイルルヤンカシュ親子の問題ですからね。」
フェニックスは、いつもの様に優しくラリイに説明する。
どうやら、フェニックスの方でも、何か出来ないかと、
前々から思って行動していたようだ。
バハムートがイルディアと会う気になったのも、裏でフェニックスが、
やんわりと説得していたのもあった。
イルディアと言う存在をきっかけに、イルルヤンカシュと和解してはどうかと。
「バハムートは、イルディアと、シルヴィルの存在を知り、
魔族の、鬼人族の存在に興味を持ったようです。過去には、お互いが理解が無いために、
激しく憎む存在になっていたかもしれませんが・・・今なら・・・
イルディアと関わっていければ、良い関係になってくれるのではないかと、
私は期待しているんです。」
「フェニ・・・それは、私も同じ気持ちです。」
ラリイは、親に同意し、笑顔でフェニックスの言葉に頷く。
そうなってくれたら、どれだけ、ラリイも嬉しい事だろうか・・・
シルヴィルを幻獣界に連れて来るのは無理ではあったが、
代わりにイルディアは連れて来ることが出来た。そして、イルディアの存在が、
今後は、イルルヤンカシュを、この幻獣界に来させる為の、良い一手になってくれれば、
こんなに嬉しい事はないではないか。
「ラリイ。バハムートとイルディアは、積る話もあるでしょうから、
私達は食堂で、お茶を飲んで、ゆっくり待ちましょうか。」
「そうですね。フェニ。」
「あーそうだ!ラリイ♪今日は、ラリイの大好きなモノも買ってあるんですよ♪」
「大好きなモノ?和菓子とか言うやつですか?」
「ええ♪今回の新作は、桜餅?とか言うお菓子らしいです♪」
「それは、凄く楽しみです、フェニ。」
「うふふ♪それは良かった♪じゃあ、行きましょう♥♥♥」
フェニックスは、息子のラリイが嬉しそうにしているのが、分かり、喜ぶ。
バハムートとイルディアの話し合いは、約2時間くらいかかった。
後にラリイ知るのだが、イルディアは、まず鬼人族の代表として、
過去にした事をバハムートに全て謝罪したようだ。
バハムートもその謝罪を受け入れ、幻獣及び、ドラゴン族としても、
鬼人族の過去の過ちを許した。
そして、いつかは、イルルヤンカシュを幻獣界に呼び、
和解したいとイルディアに言う。
イルディアは、帰ったらすぐに、その事をイルルヤンカシュに伝えると約束した。
こうして長年、喧嘩別れしたままだった、バハムートとイルルヤンカシュの関係は、
改善が見込まれたのだ。
この事は、リヴァイアサン達も喜んだと言う。
「イルディア。今度は、いつでも幻獣界に気軽に来て下さいね♪
1人で来るのが嫌であれば、ラリイとでも♪」
「はい。フェニックス、有難うございます。」
「それから、私も時間がある時は、私からも、イルルヤンカシュの元に行きますので♪」
「わかりました。父に伝えておきます。」
イルディアは、フェニックスに暖かく見送られ、ラリイと自分の住処に戻った。
3日間のイルディアの幻獣界への滞在は、あっと言う間に終わった。
ラリイは、イルディアと共に、人間界に行き、シルヴィルの墓に向かう。
今回の事を、シルヴィルにもぜひ報告したかったのだ。
きっと、誰よりも喜んでくれるに違いないと思って。
数年後の話になるが、確実な実力をつけたイルディアは、
魔界の2分の1は治められるほどの存在、魔王となり、
幻獣界とも和睦を結ぶことになる。
一部の魔族は、幻獣界を攻めないと誓わせた。
これにより、イルルヤンカシュの存在は、魔界との調停に大きく貢献した幻獣へと変わり、
忘れ去られた幻獣と言う汚名は消えることになる。
フェニックスも、ラリイも、親子共々、この事を大いに喜んだ。
更に、イルディアは、バハムートにその実力と、人柄に惚れられ、
バハムートの多数いる娘の1匹と結婚することになる。
幻獣界は、人間界とも魔界とも、良い感じに距離を取りながら、
付き合うことになった。