エピローグ
1年後、心を入れ替えたイルディアは、目覚ましい成長を遂げた。
イルディアの素質は、本当は悪いものではなかったのだ。
自分の中にある、幻獣の力を今まで否定していたから、成長出来なかっただけで、
それを認めてからは、ラリイも驚くほどに、イルディアは実力をつけていく。
時に、イルルヤンカシュの元で、ラリイと一緒に戦ったりするほどだ。
今のラリイからすれば、イルディアは兄の様な慕える存在にまでなっていた。
「イルル、話があるのだが。」
「どうしたラリイ?何を改まる?」
「3日ほど、イルディアを借りれないだろうか?」
「ん?俺を?」
「本人がいいと言うなら、俺は構わんが?」
ラリイは、フェニックスからも提案されていた話を、
今日、イルルヤンカシュ達に話すことにした。
「フェニックスが、イルディアを幻獣界にある自分の屋敷に招きたいと言ってるんだ。」
「何?フェニックスがか?」
「フェニックスって・・・ラリイの親か?」
「そうだ、イルディア。フェニックスは、親友の息子に会いたいと言ってる。
本当は、こちらから出向くのが筋なんだが・・・イルディアには、
1度は幻獣界を見て欲しいらしいんだ。」
「俺が・・・幻獣界をか?」
「うん。そうだ。」
イルディアと、イルルヤンカシュは互いに顔を見合わせる。
ラリイの提案に、心底、意外そうな顔をしていた。
ラリイは穏やかな顔で、イルディアの返事を待つ。
「親父・・・俺は幻獣界に行ってもいいのか?」
「それは、俺が決めるべきことでない。イルディア、お前が決めることだ。
俺は何も反対などはしない。フェニックスは、俺の親友だ。
そのフェニックスが、会いたいと言うのなら、悪い話ではないのは確かだ。」
「うーん・・・」
イルディアは、イルルヤンカシュの言葉を受けても、悩む。
「ラリイはいいのか?俺は、半分は魔族の血が入っているんだぞ?
そんな俺が、幻獣界に行くなんて、おかしいとは思わないのか?」
「そんなことを言われたら、私はどうしたらいい?私こそ、半分は人間だ。」
「だが・・・ラリイの親はフェニックスだからこそ、許されるのであって・・・」
「イルディアの父のイルルヤンカシュこそ、過去にバハムート達と仲違いはしたとは言え、
それがなければ、幻獣王になっていたかもしれないんだぞ?
それか、私の親と同じ、三大重臣になっていてもおかしくない。
何も、恥じることない存在だ。」
「ラリイ・・・あまり持ち上げるな。くすぐったくて困る。」
ラリイの言葉に、イルルヤンカシュは、恥ずかしそうにラリイに苦言を呈した。
ラリイ的には、何も持ち上げたつもりはなく、真実を言ったつもりなのだが、
ラリイが純粋に嬉しそうに言うからこそ、イルルヤンカシュは照れてしまったのだ。
「あはは。ラリイは、本当に、俺の親父が好きらしいな。」
「そうだな。背中で寝かせて貰ったほどだからな・・・」
ラリイとイルディアは、穏やかに互いが笑い合った。
イルルヤンカシュは、そんな2人に、過去の自分とフェニックスを重ねて、
優しい気持ちになって見守っている。
息子同士でも、仲良くなってくれるなら、これほど嬉しい事はない。
と、イルルヤンカシュは素直に思った。もちろん、それはフェニックスも同じだ。
「ああ♥貴方があのイルルヤンカシュの息子のイルディアですね!♥
私の息子のラリイがいつもお世話になっているようで♥
いやーこうして来てくれて感謝致します♥人間界では、いつも
ラリイと仲良くしてくれているようで、親として何よりも感謝していたんですよ♥
イルディア♥♥♥ようこそ!我が屋敷へ♥♥♥」
「は、はぁ・・・」
「フェニ・・・お願いですから。イルディアを困らせないで下さい・・・」
ラリイは、無事にイルディアを幻獣界の自分の屋敷に連れて来て、
フェニックスと対面させたはいいが、いきなり、こんな調子で、
ラリイも困る。
イルディアに至っては、初めての事で尚更、フェニックスに困惑している有様だ。
「すいません、ラリイ。でも、私もいつかはイルルヤンカシュの息子には
会いたいと思ってましたので♥つい我慢が出来なくてね♥
しかも、ラリイとは、すっかり仲良しだと言うじゃないですか?♥♥♥
こんな嬉しい事を我慢しろだなんて、ラリイは意地悪な子ですね♥♥♥」
「はぁ・・・」
ラリイとフェニックスのやり取りを見て、イルディアは困った顔のままである。
と言うか、ラリイだって、困るのと同時に、かなり恥ずかしい。
きっと、イルディアからすれば、フェニックスが、こんな感じの存在だなんて、
想像もしていなかっただろう。
(ラリイは、普段は無口で、大人しい感じなのに、親であるフェニックスは
正反対な性格をしているんだな・・・
あ、そう言えば、親父が言ってたか・・・フェニックスは、
息子のラリイを超がつくほどに、寵愛していると。
なるほど、これは納得がいくな・・・だから、ラリイは反動で、
あんな性格になったのかもな。)
イルディアは、ラリイ達を見て、勝手に解釈した。
と、同時に、自分達、親子とはここまで違うのかと感心していた。
「イルディア。先ほどは、挨拶もそこそこに、大変、失礼致しました。
こんなに嬉しい事は久しぶりだったので、つい。
改めて、今日は我が屋敷に、よく来てくれました。感謝します。」
「いえ。こんな俺に・・・勿体無いお言葉です。」
「イルディア。そんなに畏まらないでくれ。気軽にして欲しい。」
「ラリイの言う通りです。貴方は大事なお客様なんですから。」
フェニックスは、穏やかな顔で、親友の息子のイルディアに微笑む。
イルディアは、ラリイとフェニックスからの暖かい歓迎を受けて、
少し照れる。
そんな中で、夕食を共に食べながら、フェニックスは、最近の親友の日常を、
イルディアから聞き、楽しそうにしている。
フェニックスの陽気な雰囲気に、イルディアも、少しずつではあるが、
心を開いてくれているみたいだと、ラリイは安心した。
フェニックスは、半分は魔族だからと、イルディアを差別したりなんかしない。
前世のラリイとの出会いから、フェニックスは種族全体で
見るでなく、個々に、そのもの存在を見るようになったのだ。
だから、他の幻獣達と違い、フェニックスには、理解がある。
他種族に対して。それが魔族であっても変わらない。
「最初は、どうなるかと思ったけど、ラリイの親であるフェニックスは、
とても優しい幻獣だな。親父の聞いていた通りの方だ。」
「そうか?そう思って貰えるなら良かったよ、イルディア。」
「にしても、いつも、あんな感じなのか?」
「ああ、あれがフェニの基本なんだ。
今日は、かなり嬉しかったのは嬉しかったみたいだけど。」
「へぇー。ラリイとは性格が、正反対だから、驚いたよ。」
「イルディアには、そう言われるんじゃないかと思ったよ。」
ラリイは苦笑いをしながら、イルディアに答えた。
ラリイと、イルディアは夕食が終わり、客間の一室で休んでいた。
フェニックスは、少しだけ、別の客の相手をしてくると言って、
ラリイ達から離れている。
「フェニも・・・何も今日に別の客なんて呼ばなくてもいいのに・・・」
「いや、三大重臣の一方なんだ。お忙しいだろうさ。でも、
ラリイ。今日は、有難うな。」
「なんだ。イルディア。そんなお礼なんて止めてくれ。感謝すべきはこっちの方だ。」
「いや、それでもさ。幻獣界に来れるなんて、思いもしなかったからさ。
それに・・・過去に親父が同じ幻獣仲間と戦いたくなかった理由が、
今の俺になら、わかるよ。
俺も、ラリイ・・・お前やフェニックスとは戦いたくないからな。」
「イルディア。それは私も同じだよ。」
ラリイは少しだけ、微笑んでイルディアに返事をした。
そんな時に、フェニックスは、ある存在を連れて、ラリイ達の元に戻ってきた。
その存在とは、まさかのバハムートであった。
イルディアの素質は、本当は悪いものではなかったのだ。
自分の中にある、幻獣の力を今まで否定していたから、成長出来なかっただけで、
それを認めてからは、ラリイも驚くほどに、イルディアは実力をつけていく。
時に、イルルヤンカシュの元で、ラリイと一緒に戦ったりするほどだ。
今のラリイからすれば、イルディアは兄の様な慕える存在にまでなっていた。
「イルル、話があるのだが。」
「どうしたラリイ?何を改まる?」
「3日ほど、イルディアを借りれないだろうか?」
「ん?俺を?」
「本人がいいと言うなら、俺は構わんが?」
ラリイは、フェニックスからも提案されていた話を、
今日、イルルヤンカシュ達に話すことにした。
「フェニックスが、イルディアを幻獣界にある自分の屋敷に招きたいと言ってるんだ。」
「何?フェニックスがか?」
「フェニックスって・・・ラリイの親か?」
「そうだ、イルディア。フェニックスは、親友の息子に会いたいと言ってる。
本当は、こちらから出向くのが筋なんだが・・・イルディアには、
1度は幻獣界を見て欲しいらしいんだ。」
「俺が・・・幻獣界をか?」
「うん。そうだ。」
イルディアと、イルルヤンカシュは互いに顔を見合わせる。
ラリイの提案に、心底、意外そうな顔をしていた。
ラリイは穏やかな顔で、イルディアの返事を待つ。
「親父・・・俺は幻獣界に行ってもいいのか?」
「それは、俺が決めるべきことでない。イルディア、お前が決めることだ。
俺は何も反対などはしない。フェニックスは、俺の親友だ。
そのフェニックスが、会いたいと言うのなら、悪い話ではないのは確かだ。」
「うーん・・・」
イルディアは、イルルヤンカシュの言葉を受けても、悩む。
「ラリイはいいのか?俺は、半分は魔族の血が入っているんだぞ?
そんな俺が、幻獣界に行くなんて、おかしいとは思わないのか?」
「そんなことを言われたら、私はどうしたらいい?私こそ、半分は人間だ。」
「だが・・・ラリイの親はフェニックスだからこそ、許されるのであって・・・」
「イルディアの父のイルルヤンカシュこそ、過去にバハムート達と仲違いはしたとは言え、
それがなければ、幻獣王になっていたかもしれないんだぞ?
それか、私の親と同じ、三大重臣になっていてもおかしくない。
何も、恥じることない存在だ。」
「ラリイ・・・あまり持ち上げるな。くすぐったくて困る。」
ラリイの言葉に、イルルヤンカシュは、恥ずかしそうにラリイに苦言を呈した。
ラリイ的には、何も持ち上げたつもりはなく、真実を言ったつもりなのだが、
ラリイが純粋に嬉しそうに言うからこそ、イルルヤンカシュは照れてしまったのだ。
「あはは。ラリイは、本当に、俺の親父が好きらしいな。」
「そうだな。背中で寝かせて貰ったほどだからな・・・」
ラリイとイルディアは、穏やかに互いが笑い合った。
イルルヤンカシュは、そんな2人に、過去の自分とフェニックスを重ねて、
優しい気持ちになって見守っている。
息子同士でも、仲良くなってくれるなら、これほど嬉しい事はない。
と、イルルヤンカシュは素直に思った。もちろん、それはフェニックスも同じだ。
「ああ♥貴方があのイルルヤンカシュの息子のイルディアですね!♥
私の息子のラリイがいつもお世話になっているようで♥
いやーこうして来てくれて感謝致します♥人間界では、いつも
ラリイと仲良くしてくれているようで、親として何よりも感謝していたんですよ♥
イルディア♥♥♥ようこそ!我が屋敷へ♥♥♥」
「は、はぁ・・・」
「フェニ・・・お願いですから。イルディアを困らせないで下さい・・・」
ラリイは、無事にイルディアを幻獣界の自分の屋敷に連れて来て、
フェニックスと対面させたはいいが、いきなり、こんな調子で、
ラリイも困る。
イルディアに至っては、初めての事で尚更、フェニックスに困惑している有様だ。
「すいません、ラリイ。でも、私もいつかはイルルヤンカシュの息子には
会いたいと思ってましたので♥つい我慢が出来なくてね♥
しかも、ラリイとは、すっかり仲良しだと言うじゃないですか?♥♥♥
こんな嬉しい事を我慢しろだなんて、ラリイは意地悪な子ですね♥♥♥」
「はぁ・・・」
ラリイとフェニックスのやり取りを見て、イルディアは困った顔のままである。
と言うか、ラリイだって、困るのと同時に、かなり恥ずかしい。
きっと、イルディアからすれば、フェニックスが、こんな感じの存在だなんて、
想像もしていなかっただろう。
(ラリイは、普段は無口で、大人しい感じなのに、親であるフェニックスは
正反対な性格をしているんだな・・・
あ、そう言えば、親父が言ってたか・・・フェニックスは、
息子のラリイを超がつくほどに、寵愛していると。
なるほど、これは納得がいくな・・・だから、ラリイは反動で、
あんな性格になったのかもな。)
イルディアは、ラリイ達を見て、勝手に解釈した。
と、同時に、自分達、親子とはここまで違うのかと感心していた。
「イルディア。先ほどは、挨拶もそこそこに、大変、失礼致しました。
こんなに嬉しい事は久しぶりだったので、つい。
改めて、今日は我が屋敷に、よく来てくれました。感謝します。」
「いえ。こんな俺に・・・勿体無いお言葉です。」
「イルディア。そんなに畏まらないでくれ。気軽にして欲しい。」
「ラリイの言う通りです。貴方は大事なお客様なんですから。」
フェニックスは、穏やかな顔で、親友の息子のイルディアに微笑む。
イルディアは、ラリイとフェニックスからの暖かい歓迎を受けて、
少し照れる。
そんな中で、夕食を共に食べながら、フェニックスは、最近の親友の日常を、
イルディアから聞き、楽しそうにしている。
フェニックスの陽気な雰囲気に、イルディアも、少しずつではあるが、
心を開いてくれているみたいだと、ラリイは安心した。
フェニックスは、半分は魔族だからと、イルディアを差別したりなんかしない。
前世のラリイとの出会いから、フェニックスは種族全体で
見るでなく、個々に、そのもの存在を見るようになったのだ。
だから、他の幻獣達と違い、フェニックスには、理解がある。
他種族に対して。それが魔族であっても変わらない。
「最初は、どうなるかと思ったけど、ラリイの親であるフェニックスは、
とても優しい幻獣だな。親父の聞いていた通りの方だ。」
「そうか?そう思って貰えるなら良かったよ、イルディア。」
「にしても、いつも、あんな感じなのか?」
「ああ、あれがフェニの基本なんだ。
今日は、かなり嬉しかったのは嬉しかったみたいだけど。」
「へぇー。ラリイとは性格が、正反対だから、驚いたよ。」
「イルディアには、そう言われるんじゃないかと思ったよ。」
ラリイは苦笑いをしながら、イルディアに答えた。
ラリイと、イルディアは夕食が終わり、客間の一室で休んでいた。
フェニックスは、少しだけ、別の客の相手をしてくると言って、
ラリイ達から離れている。
「フェニも・・・何も今日に別の客なんて呼ばなくてもいいのに・・・」
「いや、三大重臣の一方なんだ。お忙しいだろうさ。でも、
ラリイ。今日は、有難うな。」
「なんだ。イルディア。そんなお礼なんて止めてくれ。感謝すべきはこっちの方だ。」
「いや、それでもさ。幻獣界に来れるなんて、思いもしなかったからさ。
それに・・・過去に親父が同じ幻獣仲間と戦いたくなかった理由が、
今の俺になら、わかるよ。
俺も、ラリイ・・・お前やフェニックスとは戦いたくないからな。」
「イルディア。それは私も同じだよ。」
ラリイは少しだけ、微笑んでイルディアに返事をした。
そんな時に、フェニックスは、ある存在を連れて、ラリイ達の元に戻ってきた。
その存在とは、まさかのバハムートであった。