第9章「ついに息子に・・・?」
ラリイは、自分はイルルヤンカシュの娘だ!と言い張る、
魔族の少女を、どうもすることも出来ず、仕方がなく、
イルルヤンカシュの元に連れて行くことにした。
この魔族の娘が、嘘をついているのかどうかは、ラリイでは判断出来ない。
もし、親子だと言うのならば、イルルヤンカシュなら見抜くことが出来るだろう。
嘘をつくような存在だった場合は、イルルヤンカシュの事だから、
すぐに殺してしまうだろうと、ラリイは簡単に考えていた。
「どうした、ラリイ?帰ったのではなかったのか?」
イルルヤンカシュは、ラリイを見て、横にいる魔族の少女の存在にも気づき、
不思議そうな顔をする。
「まさか・・・今の今で彼女を作ったのか?」
「イルル。そういう悪い冗談はやめてくれ・・・その・・・
聞いて驚かないで欲しいんだが・・・
この少女は、自分は、イルルヤンカシュの娘だ、と言うんだ。」
「何だと?」
ラリイをからかった、イルルヤンカシュだったが、ラリイから
その話を聞いて、急に険しい顔になる。
そして、自分の娘だと言う、魔族の少女を睨むように見定める。
「俺には息子がいるのは認知しているが、娘がいるのは聞いていない。
お前は本当に俺の子なのか?」
「は、はい!私は母から、それと兄からもそう聞きました!
父が、一族を去る、その時は、私はまだ母のお腹の中に居たので、
父には出会う事が出来ませんでしたが・・・」
「うむ・・・」
イルルヤンカシュは、魔族の少女の話を聞き、悩んだ顔をする。
どうやら、明らかな偽者と言う訳でもないようだ。
イルルヤンカシュは、その魔族の少女に、気になる事を聞き、
色々な質問をしていた。
だが、最後にその魔族の少女は、確固たる証拠があると言って、
ある品物をイルルヤンカシュに見せた。
「それは・・・確かに、俺が妻のあいつに送ったイヤリングだ。
俺の鱗で出来ているものだから、そんなものは、この世に2つとあるまい。」
「なら!信じて頂けますか?!」
「しかし、それが盗まれたものではないとも言えまい?
俺を信用させる為に、お前が盗んだかもしれないしな?」
「それは・・・でも、これは私の母の物です!母は、とっても、
このイヤリングを大事にしてました。
いつも私に話してくれてました。お前の父は偉大な幻獣イルルヤンカシュであると。
訳があって、別れることになったが、今も愛していると・・・」
「・・・・・」
イルルヤンカシュは、その魔族の少女が泣きそうになりながらも、
必死に、自分は娘であると訴えてくることに戸惑っていた。
「イルル・・・どうなんだ?何か他に感じるものはないのか?」
ラリイは、イルルヤンカシュを助けるつもりで、聞いてみるが、
イルルヤンカシュは、困った顔をするだけだった。
「残念ながら、この娘からは、俺と同じ幻獣の気は感じられない。
だが、色々と質問したことには、的確に答えてはいる。
それから、そのイヤリングも偽物ではないが・・・
しかし、魔族は何でもする存在だからな。相手を信用させる為に、
その娘を、俺の娘だと調教したかもしれんし、最悪は洗脳してるのかもしれん。」
「そんな・・・酷いです・・・確かに、母の一族は、貴方を
追い出した時は最低だったかもしれません。けど、その後は、
凄い後悔してました!
いくら、魔族であっても、あれは最低すぎる行為だったと!
幻獣の、ドラゴン族のプライドを蔑ろにしすぎたから、
起きた悲劇だと、母も言ってました!」
「う・・・うるさい!黙れ!!!!!」
泣きながら訴える、魔族の少女の言葉に、イルルヤンカシュは、
突然、怒鳴った。
ラリイは、イルルヤンカシュが、本気で怒ってる事に危機を感じる程だった。
この調子では、イルルヤンカシュは、この魔族の少女をすぐに
でも殺しそうな雰囲気だったからだ。
「耳触りの良い言葉ばかり並べるな!!!何が目的だ?!!
今更、俺の娘などと名乗り出て、あの時の事は後悔している、
だから、また仲間になれとでも言いたいのか?!」
「ち、違います!私はただ・・・父に・・・貴方に会ってみたかっただけなんです!
一族の事は関係ありません!」
「ならば!もう、会って満足しただろう?!さっさと、俺の目の前から消えろ!
じゃなければ、俺はこの怒りを抑えきれずに、すぐにでもお前を殺すぞ!」
「うぅうう・・・」
イルルヤンカシュは、激昂し、魔族の少女を激しく威嚇し、
自分の巣から追い出した。
ラリイは、その様子をただ見ていることしか出来なかった。
「ラリイ・・・悪いが、お前も出て行ってくれないか・・・
今は俺は自分だけになりたいのだ・・・」
「わかった・・・すぐに出て行くよ・・・」
ラリイは、心配する気持ちはあったが、イルルヤンカシュに
嫌われたくはなかったので、すぐに言う事を聞いた。
「何故・・・今更、あんな存在が俺の目の前に出てくる・・・
これも俺への罰なのか・・・?」
ラリイがイルルヤンカシュの巣を去ろうとした瞬間、イルルヤンカシュは、そうぼやいていた。
ラリイは、凄く苦しい気持ちになったが、今は自分が側に居ない方が、
イルルヤンカシュの望みなのだと言い聞かせて、イルルヤンカシュの元を去った。
「ぐっす・・・ぐっすぅ・・・」
「あ・・・」
ラリイは、イルルヤンカシュの元を去って、数分もしないうちに、
さっきの魔族の少女に、再度出会っていた。
その魔族の少女は、本気で泣いているように、ラリイには見えた。
決して演技をしているようには見えない。それに、演技なら、誰もいないとこで、
泣く必要もないだろう。
どうしても、イルルヤンカシュの事もあって、ラリイは気にせずにはいられなかった。
「お前・・・どうして、今になってイルルヤンカシュの元を訪れたんだ?
本当に、会いたいだけだったのか?」
ラリイは、泣いている魔族の少女に、慰めるわけでもなく、質問していた。
魔族の少女は、泣きながらも、ラリイの質問に答える。
「実は・・・兄を止めて欲しかったんです・・・
兄は一族を復興させようと、今、ある人間達と手を組んで、
他の人間達の国を攻めようとしてるんです・・・
勝ち目なんかないのは、私にだってわかるくらいなのに・・・」
「そうだったのか・・・それで・・・
けど、母親がいるだろう?母親が言っても駄目なのか?」
「兄は、もう母の言う事を聞くような歳じゃないんです。
それに、周りの者が、兄に変な期待をかけて、持ち上げるから、
兄もそれに乗せられて、馬鹿みたいに張り切って・・・」
「うーん・・・期待されて、悪い気がしないのは、魔族も一緒か。」
ラリイは、揉め事の典型的なパターンを聞かされて、苦い顔をした。
けれど、一部の人間が魔族と手を組み、他の人間に危害を
加えようとしているのを、ラリイは見過ごすわけにはいかなかった。
「お前の兄は、私が止めよう。イルルヤンカシュの代わりにな。」
「え?いいんですか?!けど、貴方には無関係では・・・?」
「いいや。無関係ではない。私は幻獣と人間の子だからな。
人間が悪い事をしようとしてるなら、無関係じゃない。」
「はぁ・・・そうなんですか?」
魔族の少女は、ラリイの言葉を聞いて、最初は首を傾げながらも、
でも助けてくれるならと、最後は喜んだ。
魔族の少女を、どうもすることも出来ず、仕方がなく、
イルルヤンカシュの元に連れて行くことにした。
この魔族の娘が、嘘をついているのかどうかは、ラリイでは判断出来ない。
もし、親子だと言うのならば、イルルヤンカシュなら見抜くことが出来るだろう。
嘘をつくような存在だった場合は、イルルヤンカシュの事だから、
すぐに殺してしまうだろうと、ラリイは簡単に考えていた。
「どうした、ラリイ?帰ったのではなかったのか?」
イルルヤンカシュは、ラリイを見て、横にいる魔族の少女の存在にも気づき、
不思議そうな顔をする。
「まさか・・・今の今で彼女を作ったのか?」
「イルル。そういう悪い冗談はやめてくれ・・・その・・・
聞いて驚かないで欲しいんだが・・・
この少女は、自分は、イルルヤンカシュの娘だ、と言うんだ。」
「何だと?」
ラリイをからかった、イルルヤンカシュだったが、ラリイから
その話を聞いて、急に険しい顔になる。
そして、自分の娘だと言う、魔族の少女を睨むように見定める。
「俺には息子がいるのは認知しているが、娘がいるのは聞いていない。
お前は本当に俺の子なのか?」
「は、はい!私は母から、それと兄からもそう聞きました!
父が、一族を去る、その時は、私はまだ母のお腹の中に居たので、
父には出会う事が出来ませんでしたが・・・」
「うむ・・・」
イルルヤンカシュは、魔族の少女の話を聞き、悩んだ顔をする。
どうやら、明らかな偽者と言う訳でもないようだ。
イルルヤンカシュは、その魔族の少女に、気になる事を聞き、
色々な質問をしていた。
だが、最後にその魔族の少女は、確固たる証拠があると言って、
ある品物をイルルヤンカシュに見せた。
「それは・・・確かに、俺が妻のあいつに送ったイヤリングだ。
俺の鱗で出来ているものだから、そんなものは、この世に2つとあるまい。」
「なら!信じて頂けますか?!」
「しかし、それが盗まれたものではないとも言えまい?
俺を信用させる為に、お前が盗んだかもしれないしな?」
「それは・・・でも、これは私の母の物です!母は、とっても、
このイヤリングを大事にしてました。
いつも私に話してくれてました。お前の父は偉大な幻獣イルルヤンカシュであると。
訳があって、別れることになったが、今も愛していると・・・」
「・・・・・」
イルルヤンカシュは、その魔族の少女が泣きそうになりながらも、
必死に、自分は娘であると訴えてくることに戸惑っていた。
「イルル・・・どうなんだ?何か他に感じるものはないのか?」
ラリイは、イルルヤンカシュを助けるつもりで、聞いてみるが、
イルルヤンカシュは、困った顔をするだけだった。
「残念ながら、この娘からは、俺と同じ幻獣の気は感じられない。
だが、色々と質問したことには、的確に答えてはいる。
それから、そのイヤリングも偽物ではないが・・・
しかし、魔族は何でもする存在だからな。相手を信用させる為に、
その娘を、俺の娘だと調教したかもしれんし、最悪は洗脳してるのかもしれん。」
「そんな・・・酷いです・・・確かに、母の一族は、貴方を
追い出した時は最低だったかもしれません。けど、その後は、
凄い後悔してました!
いくら、魔族であっても、あれは最低すぎる行為だったと!
幻獣の、ドラゴン族のプライドを蔑ろにしすぎたから、
起きた悲劇だと、母も言ってました!」
「う・・・うるさい!黙れ!!!!!」
泣きながら訴える、魔族の少女の言葉に、イルルヤンカシュは、
突然、怒鳴った。
ラリイは、イルルヤンカシュが、本気で怒ってる事に危機を感じる程だった。
この調子では、イルルヤンカシュは、この魔族の少女をすぐに
でも殺しそうな雰囲気だったからだ。
「耳触りの良い言葉ばかり並べるな!!!何が目的だ?!!
今更、俺の娘などと名乗り出て、あの時の事は後悔している、
だから、また仲間になれとでも言いたいのか?!」
「ち、違います!私はただ・・・父に・・・貴方に会ってみたかっただけなんです!
一族の事は関係ありません!」
「ならば!もう、会って満足しただろう?!さっさと、俺の目の前から消えろ!
じゃなければ、俺はこの怒りを抑えきれずに、すぐにでもお前を殺すぞ!」
「うぅうう・・・」
イルルヤンカシュは、激昂し、魔族の少女を激しく威嚇し、
自分の巣から追い出した。
ラリイは、その様子をただ見ていることしか出来なかった。
「ラリイ・・・悪いが、お前も出て行ってくれないか・・・
今は俺は自分だけになりたいのだ・・・」
「わかった・・・すぐに出て行くよ・・・」
ラリイは、心配する気持ちはあったが、イルルヤンカシュに
嫌われたくはなかったので、すぐに言う事を聞いた。
「何故・・・今更、あんな存在が俺の目の前に出てくる・・・
これも俺への罰なのか・・・?」
ラリイがイルルヤンカシュの巣を去ろうとした瞬間、イルルヤンカシュは、そうぼやいていた。
ラリイは、凄く苦しい気持ちになったが、今は自分が側に居ない方が、
イルルヤンカシュの望みなのだと言い聞かせて、イルルヤンカシュの元を去った。
「ぐっす・・・ぐっすぅ・・・」
「あ・・・」
ラリイは、イルルヤンカシュの元を去って、数分もしないうちに、
さっきの魔族の少女に、再度出会っていた。
その魔族の少女は、本気で泣いているように、ラリイには見えた。
決して演技をしているようには見えない。それに、演技なら、誰もいないとこで、
泣く必要もないだろう。
どうしても、イルルヤンカシュの事もあって、ラリイは気にせずにはいられなかった。
「お前・・・どうして、今になってイルルヤンカシュの元を訪れたんだ?
本当に、会いたいだけだったのか?」
ラリイは、泣いている魔族の少女に、慰めるわけでもなく、質問していた。
魔族の少女は、泣きながらも、ラリイの質問に答える。
「実は・・・兄を止めて欲しかったんです・・・
兄は一族を復興させようと、今、ある人間達と手を組んで、
他の人間達の国を攻めようとしてるんです・・・
勝ち目なんかないのは、私にだってわかるくらいなのに・・・」
「そうだったのか・・・それで・・・
けど、母親がいるだろう?母親が言っても駄目なのか?」
「兄は、もう母の言う事を聞くような歳じゃないんです。
それに、周りの者が、兄に変な期待をかけて、持ち上げるから、
兄もそれに乗せられて、馬鹿みたいに張り切って・・・」
「うーん・・・期待されて、悪い気がしないのは、魔族も一緒か。」
ラリイは、揉め事の典型的なパターンを聞かされて、苦い顔をした。
けれど、一部の人間が魔族と手を組み、他の人間に危害を
加えようとしているのを、ラリイは見過ごすわけにはいかなかった。
「お前の兄は、私が止めよう。イルルヤンカシュの代わりにな。」
「え?いいんですか?!けど、貴方には無関係では・・・?」
「いいや。無関係ではない。私は幻獣と人間の子だからな。
人間が悪い事をしようとしてるなら、無関係じゃない。」
「はぁ・・・そうなんですか?」
魔族の少女は、ラリイの言葉を聞いて、最初は首を傾げながらも、
でも助けてくれるならと、最後は喜んだ。