第9章「ついに息子に・・・?」
あれからも、ラリイは人間界に行っては、イーグルとフィニアを加えて3人で行動して、
色々な事をしていた。普通にただ人間界を巡る旅な時もあれば、
何かと戦う事も、もちろんあり、フレン達や、人間界にいる幻獣達も助けたりした。
そんな生活も数年続いた後に、イーグルも、フィニアも家庭を持つようになり、
立場的にも、イーグルはエイシェントバードズを、
フィニアは、リィヴァシャインを、それぞれに自分の一族を守り、導いていく
重要な存在になっていた。
ラリイも、もう両者とは気軽に冒険出来なくなったのだな。
と、感じ、寂しさもあったが、イーグルとフィニアが、家庭を
持って、幸せそうにしているのを、見るのも嬉しかった。
それに、一緒に冒険が出来なくなっただけで、会えないわけではない。
時としては、イーグルもフィニアも、前ほど気軽にとは言えなくても、
場合によっては昔と変わらずに力は貸してはくれる。
だから、特にラリイからしても、何も困ったことにはなっていない。
もしも、困ったことがあるとするのなら、イーグルや、フィニア、
それから多くの人間界で関わってきた者達に、嫁はどうするだの、
結婚はしないのかだの、心配される頻度が多くなったことだ。
「ラリイも、そろそろ身を固めないとだな。」
「イルルまで、そんなこと言わないでくれ。頭が痛くなる。」
ラリイは、人間界での実家のように過ごしている、イルルヤンカシュの巣で、
イルルヤンカシュにまで、嫁だの、結婚だのと言われて、嫌そうな顔をした。
イルルヤンカシュは、そんなラリイを見て、フェニックスに同情する。
きっと、この調子だと、フェニックスも、ラリイの結婚については、
苦労させられているのだろうと。それは正解であった。
フェニックスも、流石にラリイから、浮いた話の1つも
出ない事に、最近は心底心配していたのだ。
女狂いになるのも困るが、全く興味がないのも困る。
最近のフェニックスの夢は、今度は、ラリイの子、つまり孫を見ることだった。
「あぁー♥愛しいラリイの子♥要するに私には孫になるわけですが♥
きっと、孫も可愛いでしょうねぇ♥孫はまた格別と言いますし♥
ラリイは、いつかは見せてくれるんですよね?♥♥♥」
ラリイと会話出来る隙さえあれば、フェニックスは、ラリイにこんな事を言ってくる。
ラリイも、別に結婚は嫌なわけではないのだが、どうしてか気乗りはしなかった。
ラリイは、幼少の時に同年代の幻獣に虐められた過去もあって、
幻獣の雌と結婚する気は、サラサラなかった。
にも関わらず、幻獣界に居れば、どうしたって、嫁の相手に
どうだと勧められるのは、幻獣の雌になってしまう。
バハムートにせよ、オーディンにせよ、ラムウにせよだ。
もちろん、他の存在だって同じ。
フェニックスの力を一族に加えたいと願うのは、誰もが同じだった。
だから、ラリイにその気が無くても、相手は必死にラリイの気を引こうとし、
時に誘惑までしようとする存在までいる。
ラリイは、そうした存在の所為で、ますます嫌悪感を抱き、
女性が苦手になってしまった。
ラリイのこの経緯を、イルルヤンカシュも知ってはいる。
ラリイは、イルルヤンカシュを慕っているので、時にフェニックスに内緒で、
相談してる話もあるほどだ。
「まぁ、そう嫌な顔をするな、ラリイ。こればっかりは縁だからな。
俺達がいくら言おうとも、どうにもならないことは知っている。
だが、あのフェニックスの事だ。お前の将来を心配するのは、
仕方があるまい。
そこは、理解してやれ。それが親心と言うものだ。」
「それは、わかってるつもりです。イルル。」
イルルヤンカシュに何故か穏やかに宥められたラリイは、少し困った顔をしながらも、答えた。
「思えば、イルルはどうやって妻に出会ったのですか?」
「ん?俺か?」
ラリイは、長年疑問に思っていたことを、今日、何故かイルルヤンカシュに
聞きいてみたくなり、聞いてみた。
イルルヤンカシュは、ラリイにも子供はいいものだぞ、と。
話していたのだ。過去のフェニックスに言うように。
「俺の場合は、魔界に様子を探察しに行った時に、妻に出会った。
妻は他の魔族の男共に拉致されそうになっていてな。
女でありながら、勇敢に戦ってはいたが、流石に多勢に無勢な状況でな。
仕方なく、俺が見兼ねて、少し手助けしてやったのよ。」
「それが出会いですか?」
「そうだ。そしたら、魔族の女は助けられたものには、忠義を
尽くさなければならないと、俺を追いかけるようになってしまってな。
俺は気にしなくていいと言ったのだが、聞かない女で、あの時は困ったものよ。
バハムートなんぞは、そんなにしつこいなら、自分が殺してやろうか?
などとも言われたものだ。」
「イルルにもそんな過去があったんだな・・・」
「本当に、縁と言うものは、自分でも予期せぬものよ。
最初は面倒な女だと思っていたのが、時と共に、助けた恩を
感謝され続ければ、嫌な気持ちも無くなっていくと言うもの。
それに、妻は魔界では、いい女ではあったのはあったからな。」
「へぇーそうなのか・・・」
「他の魔族の男共に羨ましがられたものだぞ?それに、妻の一族は魔界では
名の知れた一族でな。俺を婿に出来るなら、悪くないと歓迎もされた。
ある時が来るまではな・・・」
イルルヤンカシュは、途中で暗い顔になり、会話を止めてしまった。
ラリイは、この先はイルルヤンカシュに、とっては話したくない事なのだ
とすぐに理解して、イルルヤンカシュに謝った。
「すまない・・・イルル、立ち入った話を聞きすぎた。」
ラリイは、申し訳なさそうにして、イルルヤンカシュに謝罪した。
いつも、イルルヤンカシュについ甘えてしまう癖が出て、
ラリイは申し訳ない気持ちになった。
親の親友でもあるとは言え、ちゃんと節度は守らなければ、ならないのに。
「いや、気にするな、ラリイ。俺のこの経験は、もしかしたら
今後のお前にも役に立つかもしれない。
お前になら、その後の事も聞かせよう。何と言っても、
あのフェニックスの、俺の大事な親友の息子でもあるが、お前は、
今の俺には、もう一人の大事な息子にさえ思うほどだからな。」
「イルル・・・そこまで言ってくれて、私も凄く嬉しいよ。」
ラリイは、イルルヤンカシュに向かって、微笑み返した。
イルルヤンカシュが自分の父親であったのなら、どれほど頼もしいことか。
もちろん、フェニックスだって、頼もしいのは頼もしいが・・・
色々な事をしていた。普通にただ人間界を巡る旅な時もあれば、
何かと戦う事も、もちろんあり、フレン達や、人間界にいる幻獣達も助けたりした。
そんな生活も数年続いた後に、イーグルも、フィニアも家庭を持つようになり、
立場的にも、イーグルはエイシェントバードズを、
フィニアは、リィヴァシャインを、それぞれに自分の一族を守り、導いていく
重要な存在になっていた。
ラリイも、もう両者とは気軽に冒険出来なくなったのだな。
と、感じ、寂しさもあったが、イーグルとフィニアが、家庭を
持って、幸せそうにしているのを、見るのも嬉しかった。
それに、一緒に冒険が出来なくなっただけで、会えないわけではない。
時としては、イーグルもフィニアも、前ほど気軽にとは言えなくても、
場合によっては昔と変わらずに力は貸してはくれる。
だから、特にラリイからしても、何も困ったことにはなっていない。
もしも、困ったことがあるとするのなら、イーグルや、フィニア、
それから多くの人間界で関わってきた者達に、嫁はどうするだの、
結婚はしないのかだの、心配される頻度が多くなったことだ。
「ラリイも、そろそろ身を固めないとだな。」
「イルルまで、そんなこと言わないでくれ。頭が痛くなる。」
ラリイは、人間界での実家のように過ごしている、イルルヤンカシュの巣で、
イルルヤンカシュにまで、嫁だの、結婚だのと言われて、嫌そうな顔をした。
イルルヤンカシュは、そんなラリイを見て、フェニックスに同情する。
きっと、この調子だと、フェニックスも、ラリイの結婚については、
苦労させられているのだろうと。それは正解であった。
フェニックスも、流石にラリイから、浮いた話の1つも
出ない事に、最近は心底心配していたのだ。
女狂いになるのも困るが、全く興味がないのも困る。
最近のフェニックスの夢は、今度は、ラリイの子、つまり孫を見ることだった。
「あぁー♥愛しいラリイの子♥要するに私には孫になるわけですが♥
きっと、孫も可愛いでしょうねぇ♥孫はまた格別と言いますし♥
ラリイは、いつかは見せてくれるんですよね?♥♥♥」
ラリイと会話出来る隙さえあれば、フェニックスは、ラリイにこんな事を言ってくる。
ラリイも、別に結婚は嫌なわけではないのだが、どうしてか気乗りはしなかった。
ラリイは、幼少の時に同年代の幻獣に虐められた過去もあって、
幻獣の雌と結婚する気は、サラサラなかった。
にも関わらず、幻獣界に居れば、どうしたって、嫁の相手に
どうだと勧められるのは、幻獣の雌になってしまう。
バハムートにせよ、オーディンにせよ、ラムウにせよだ。
もちろん、他の存在だって同じ。
フェニックスの力を一族に加えたいと願うのは、誰もが同じだった。
だから、ラリイにその気が無くても、相手は必死にラリイの気を引こうとし、
時に誘惑までしようとする存在までいる。
ラリイは、そうした存在の所為で、ますます嫌悪感を抱き、
女性が苦手になってしまった。
ラリイのこの経緯を、イルルヤンカシュも知ってはいる。
ラリイは、イルルヤンカシュを慕っているので、時にフェニックスに内緒で、
相談してる話もあるほどだ。
「まぁ、そう嫌な顔をするな、ラリイ。こればっかりは縁だからな。
俺達がいくら言おうとも、どうにもならないことは知っている。
だが、あのフェニックスの事だ。お前の将来を心配するのは、
仕方があるまい。
そこは、理解してやれ。それが親心と言うものだ。」
「それは、わかってるつもりです。イルル。」
イルルヤンカシュに何故か穏やかに宥められたラリイは、少し困った顔をしながらも、答えた。
「思えば、イルルはどうやって妻に出会ったのですか?」
「ん?俺か?」
ラリイは、長年疑問に思っていたことを、今日、何故かイルルヤンカシュに
聞きいてみたくなり、聞いてみた。
イルルヤンカシュは、ラリイにも子供はいいものだぞ、と。
話していたのだ。過去のフェニックスに言うように。
「俺の場合は、魔界に様子を探察しに行った時に、妻に出会った。
妻は他の魔族の男共に拉致されそうになっていてな。
女でありながら、勇敢に戦ってはいたが、流石に多勢に無勢な状況でな。
仕方なく、俺が見兼ねて、少し手助けしてやったのよ。」
「それが出会いですか?」
「そうだ。そしたら、魔族の女は助けられたものには、忠義を
尽くさなければならないと、俺を追いかけるようになってしまってな。
俺は気にしなくていいと言ったのだが、聞かない女で、あの時は困ったものよ。
バハムートなんぞは、そんなにしつこいなら、自分が殺してやろうか?
などとも言われたものだ。」
「イルルにもそんな過去があったんだな・・・」
「本当に、縁と言うものは、自分でも予期せぬものよ。
最初は面倒な女だと思っていたのが、時と共に、助けた恩を
感謝され続ければ、嫌な気持ちも無くなっていくと言うもの。
それに、妻は魔界では、いい女ではあったのはあったからな。」
「へぇーそうなのか・・・」
「他の魔族の男共に羨ましがられたものだぞ?それに、妻の一族は魔界では
名の知れた一族でな。俺を婿に出来るなら、悪くないと歓迎もされた。
ある時が来るまではな・・・」
イルルヤンカシュは、途中で暗い顔になり、会話を止めてしまった。
ラリイは、この先はイルルヤンカシュに、とっては話したくない事なのだ
とすぐに理解して、イルルヤンカシュに謝った。
「すまない・・・イルル、立ち入った話を聞きすぎた。」
ラリイは、申し訳なさそうにして、イルルヤンカシュに謝罪した。
いつも、イルルヤンカシュについ甘えてしまう癖が出て、
ラリイは申し訳ない気持ちになった。
親の親友でもあるとは言え、ちゃんと節度は守らなければ、ならないのに。
「いや、気にするな、ラリイ。俺のこの経験は、もしかしたら
今後のお前にも役に立つかもしれない。
お前になら、その後の事も聞かせよう。何と言っても、
あのフェニックスの、俺の大事な親友の息子でもあるが、お前は、
今の俺には、もう一人の大事な息子にさえ思うほどだからな。」
「イルル・・・そこまで言ってくれて、私も凄く嬉しいよ。」
ラリイは、イルルヤンカシュに向かって、微笑み返した。
イルルヤンカシュが自分の父親であったのなら、どれほど頼もしいことか。
もちろん、フェニックスだって、頼もしいのは頼もしいが・・・