第8章「ザ・ストップ!反抗期!」
「お前達、下がっていろ。」
ラリイは、冷静な声で、トゥバン達に言って、自分の後ろに下がらせると、
群がってくるゾンビ達などを一気に、自分の火の魔法で一掃した。
今のラリイに、同情などの感情はない。
アンデットにされてしまった人間は、もう元には戻らないのだ。
だから、ラリイは、余計に苦しませるよりも、一瞬で楽にすべきだと考え、
動揺などすることもなく、多くのゾンビ達を無へ葬った。
これには、トゥバンの方が、心の中で少し動揺したくらいだ。
(流石、フェニックス様の息子のラリイ様だ。我々、人間では
出せないレベルの火の精霊を簡単に扱われている。
これは、やっぱり、ディスザード国の騎士達の力を借りなくて良かった。
こんなラリイ様を見たら、最悪、ラリイ様も敵と見たかもしれないな。)
トゥバンは心の中で、そう考えた。人間とは臆病な存在だ。
助けて貰った存在も、余りにも巨大な力を持つモノだったら、
今度は自分達の敵になるのではと恐怖する。その恐怖が、
憎しみなどに代わり、ラリイの方に向けば、悲劇を生むかもしれないと。
だから、自分とラリイ達だけで戦って正解だったと確信した。
「ほとんどのゾンビは、一瞬で倒せた見たいですね。」
「次は、ゴースト系か?フィニア、今度はお前のシャディヴァ・ランスの光の魔法で頼む。」
「わかりました。」
ラリイとフィニアは、的確に敵の配下のアンデット達を倒していく。
その速さに、トゥバンは、感動さえ覚えそうだった。
ラリイ達は、戦い慣れているのもあり、実に無駄がない。
その意思疎通から来る、戦い方は聖星団も見習うべきだと、
トゥバンは思った。
「こ、こんなに早く、デスロードの所に行けるとは思いませんでした・・・」
「ま、普通の人間では無理だろうな!ラリイ様がいてこそだ!」
「イーグル・・・貴方ね・・・」
想像以上の早さで、デスロードの側に来れた、トゥバンは、呆気に取られてしまった。
呆然としているトゥバンにイーグルは笑顔で言って、そんなイーグルにフィニアは呆れる。
いくら、ラリイの力が強いとは言え、こうまで、楽々とデスロードの配下を
片付けてしまうとはトゥバンは思わなかったのだ。
トゥバンは、本当にラリイの後についてきただけで、自分は戦ってもいない。
ラリイも、もちろん強いのは強いが、ラリイと行動を共にしてる、
イーグルも、フィニアも古代種族の存在だ。
それぞれにも、かなりの力がある存在が、更にラリイと組んで戦えば、強いに決まっている。
トゥバンは、イーグルとフィニアの実力を、完璧に見誤っていたのだ。
「このドアの奥に、例のデスロードが居そうだな。」
ラリイは、トゥバンをしっかりさせようとして、声を掛けた。
トゥバンもラリイの言葉を聞いて、気持ちを切り替え、ラリイを見た。
「そうですね。禍々しい気が、漂ってきています。確実に、この奥に居ることでしょう。」
「じゃあ、行こうか?」
「はい!ラリイ様!行きましょう!」
ラリイ達は皆で頷き、覚悟を決めて、ドアを開けて、デスロードのいる部屋になだれ込んだ。
そこには、死者達の王と呼ばれるに相応しい、巨大な骸骨で、
王族の様な身なりをしたアンデットが居た。
「どうして、邪魔をしに来た。トゥバン・・・」
地面の底から聞こえてきたかの様な声が、そのデスロードから聞こえた。
トゥバンは、悲しそうな顔をして、そのアンデットを見て、答える。
「わかってるはずだ。エルタニン・・・私達は元は同じ、聖星団の星師。
人間界のバランスを崩し、人間の敵になる存在は、絶対に許さないと。」
トゥバンは、同じ仲間だった、エルタニンとの関係を吹っ切る為にも、
エルタニンを厳しく睨んで、言った。
もう、仲間ではなく、完璧に敵なのだと、自分に言い聞かせる為にも。
「トゥバン・・・私も言ったはずだ。これは今の人間達を、
遥か昔の神々の時代と同じ存在にまで昇華させる為の行為だと。」
デスロードは、自分には立派な大義名分でもあるのだと言わんばかりの言い方だった。
だから、何もしても悪くないのだと、言い聞かせるように、トゥバンに言う。
トゥバンは、その言葉に、自分の首を横に振りながら、否定する。
「仮にそんな事が出来るのだとしても、今の人間達を犠牲にして、良い理由にはならない。
我々は、人間界を守るべき存在だろう?なのに、不確かなモノの為に、
今の人間達を犠牲にするのなら、意味がない。本末転倒だ。」
トゥバンは、自身の迷いも捨て、鋭くデスロードを再度睨んだ。
デスロードは、無言になり、両者に沈黙が生まれたが、
それは、数分もしないうちに終わった。
「ならば、邪魔者として、お前とその仲間を排除するだけだ。
私には、あの方がついている。お前達に負けるわけがない。」
デスロードは、そう吐き捨てると、自身の背後から、今までとは比べ物にならない程の、
醜悪で禍々しい、邪悪なオーラを出してきた。
それに答えるように、またゾンビや、レイス達が大量に現れ、
ラリイ達の周りを取り囲む。
だが、ラリイ達は、別に何も怯えてはいなかった。
さっきまで、散々倒してきた敵が、また大量に出て来ても、
何を恐れると言うのか。
「この手の輩って、馬鹿の一つ覚えみたいに、また、こういう事するんですよね。」
イーグルは、小声でラリイに向かって言う。
ラリイは短く笑うと、すぐに自分の火の精霊を、さっきと同じように呼び出し、
ゾンビを一掃した。
それから、流れるようにフィニアが、光の魔法でレイスを葬り、
それ以外の敵は、イーグルとトゥバンが倒した。
これには、デスロードも、やや焦り出していた。
「どういうことだ・・・トゥバン・・・お前・・・何を連れて来たのだ?」
「デスロード。観念しろ。こちらの方はな、あのフェニックス様のご子息のラリイ様だ。
お前の様なアンデットには、最も天敵な存在だろう。
この戦いは、最初から、デスロードのお前には勝ち目なんて、
なかったんだ。」
「フェニックスの・・・息子だと?」
感情がほとんど死んでいるであろう、デスロードも、トゥバンの言葉には、
流石に驚いたようだ。
デスロードは、少し苦しそうな唸り声を上げ、トゥバン達を
骸骨の顔で、見ていた。
骸骨なので、本当なら感情などわからないはずなのだが、
ラリイ達は、デスロードから、激しく憎悪されているのを感じた。
「ならば・・・私も最後の手段にあの方から、力を借りよう。」
デスロードは、何かの覚悟を決めたような声で、言うと、何かの呪文を唱え始めた。
その呪文は、古代語で唱えられている。
トゥバンはそれだけは、わかったのだが、デスロードの詠唱を
止めることが出来なかった。
デスロードの呪文が終わった直後に、ラリイ達の前に、ありえない存在が姿を現した。
「そんな馬鹿な?!すでに、この時代にはいないと言われている、
七大竜の1体のゼイアス・ヴィイングだと?!」
トゥバンは悲鳴にも近い声で、叫んだ。ラリイ達は、その七大竜に、
睨まれ、身体が竦む。一瞬にして、本能が怖がったのだ。
この敵に殺されるかもしれないと。ラリイ達は全員、冷や汗を掻くことになった。
先ほどまで、有利だと思っていたのが、不利な状況になろうとしていた。
ラリイは、冷静な声で、トゥバン達に言って、自分の後ろに下がらせると、
群がってくるゾンビ達などを一気に、自分の火の魔法で一掃した。
今のラリイに、同情などの感情はない。
アンデットにされてしまった人間は、もう元には戻らないのだ。
だから、ラリイは、余計に苦しませるよりも、一瞬で楽にすべきだと考え、
動揺などすることもなく、多くのゾンビ達を無へ葬った。
これには、トゥバンの方が、心の中で少し動揺したくらいだ。
(流石、フェニックス様の息子のラリイ様だ。我々、人間では
出せないレベルの火の精霊を簡単に扱われている。
これは、やっぱり、ディスザード国の騎士達の力を借りなくて良かった。
こんなラリイ様を見たら、最悪、ラリイ様も敵と見たかもしれないな。)
トゥバンは心の中で、そう考えた。人間とは臆病な存在だ。
助けて貰った存在も、余りにも巨大な力を持つモノだったら、
今度は自分達の敵になるのではと恐怖する。その恐怖が、
憎しみなどに代わり、ラリイの方に向けば、悲劇を生むかもしれないと。
だから、自分とラリイ達だけで戦って正解だったと確信した。
「ほとんどのゾンビは、一瞬で倒せた見たいですね。」
「次は、ゴースト系か?フィニア、今度はお前のシャディヴァ・ランスの光の魔法で頼む。」
「わかりました。」
ラリイとフィニアは、的確に敵の配下のアンデット達を倒していく。
その速さに、トゥバンは、感動さえ覚えそうだった。
ラリイ達は、戦い慣れているのもあり、実に無駄がない。
その意思疎通から来る、戦い方は聖星団も見習うべきだと、
トゥバンは思った。
「こ、こんなに早く、デスロードの所に行けるとは思いませんでした・・・」
「ま、普通の人間では無理だろうな!ラリイ様がいてこそだ!」
「イーグル・・・貴方ね・・・」
想像以上の早さで、デスロードの側に来れた、トゥバンは、呆気に取られてしまった。
呆然としているトゥバンにイーグルは笑顔で言って、そんなイーグルにフィニアは呆れる。
いくら、ラリイの力が強いとは言え、こうまで、楽々とデスロードの配下を
片付けてしまうとはトゥバンは思わなかったのだ。
トゥバンは、本当にラリイの後についてきただけで、自分は戦ってもいない。
ラリイも、もちろん強いのは強いが、ラリイと行動を共にしてる、
イーグルも、フィニアも古代種族の存在だ。
それぞれにも、かなりの力がある存在が、更にラリイと組んで戦えば、強いに決まっている。
トゥバンは、イーグルとフィニアの実力を、完璧に見誤っていたのだ。
「このドアの奥に、例のデスロードが居そうだな。」
ラリイは、トゥバンをしっかりさせようとして、声を掛けた。
トゥバンもラリイの言葉を聞いて、気持ちを切り替え、ラリイを見た。
「そうですね。禍々しい気が、漂ってきています。確実に、この奥に居ることでしょう。」
「じゃあ、行こうか?」
「はい!ラリイ様!行きましょう!」
ラリイ達は皆で頷き、覚悟を決めて、ドアを開けて、デスロードのいる部屋になだれ込んだ。
そこには、死者達の王と呼ばれるに相応しい、巨大な骸骨で、
王族の様な身なりをしたアンデットが居た。
「どうして、邪魔をしに来た。トゥバン・・・」
地面の底から聞こえてきたかの様な声が、そのデスロードから聞こえた。
トゥバンは、悲しそうな顔をして、そのアンデットを見て、答える。
「わかってるはずだ。エルタニン・・・私達は元は同じ、聖星団の星師。
人間界のバランスを崩し、人間の敵になる存在は、絶対に許さないと。」
トゥバンは、同じ仲間だった、エルタニンとの関係を吹っ切る為にも、
エルタニンを厳しく睨んで、言った。
もう、仲間ではなく、完璧に敵なのだと、自分に言い聞かせる為にも。
「トゥバン・・・私も言ったはずだ。これは今の人間達を、
遥か昔の神々の時代と同じ存在にまで昇華させる為の行為だと。」
デスロードは、自分には立派な大義名分でもあるのだと言わんばかりの言い方だった。
だから、何もしても悪くないのだと、言い聞かせるように、トゥバンに言う。
トゥバンは、その言葉に、自分の首を横に振りながら、否定する。
「仮にそんな事が出来るのだとしても、今の人間達を犠牲にして、良い理由にはならない。
我々は、人間界を守るべき存在だろう?なのに、不確かなモノの為に、
今の人間達を犠牲にするのなら、意味がない。本末転倒だ。」
トゥバンは、自身の迷いも捨て、鋭くデスロードを再度睨んだ。
デスロードは、無言になり、両者に沈黙が生まれたが、
それは、数分もしないうちに終わった。
「ならば、邪魔者として、お前とその仲間を排除するだけだ。
私には、あの方がついている。お前達に負けるわけがない。」
デスロードは、そう吐き捨てると、自身の背後から、今までとは比べ物にならない程の、
醜悪で禍々しい、邪悪なオーラを出してきた。
それに答えるように、またゾンビや、レイス達が大量に現れ、
ラリイ達の周りを取り囲む。
だが、ラリイ達は、別に何も怯えてはいなかった。
さっきまで、散々倒してきた敵が、また大量に出て来ても、
何を恐れると言うのか。
「この手の輩って、馬鹿の一つ覚えみたいに、また、こういう事するんですよね。」
イーグルは、小声でラリイに向かって言う。
ラリイは短く笑うと、すぐに自分の火の精霊を、さっきと同じように呼び出し、
ゾンビを一掃した。
それから、流れるようにフィニアが、光の魔法でレイスを葬り、
それ以外の敵は、イーグルとトゥバンが倒した。
これには、デスロードも、やや焦り出していた。
「どういうことだ・・・トゥバン・・・お前・・・何を連れて来たのだ?」
「デスロード。観念しろ。こちらの方はな、あのフェニックス様のご子息のラリイ様だ。
お前の様なアンデットには、最も天敵な存在だろう。
この戦いは、最初から、デスロードのお前には勝ち目なんて、
なかったんだ。」
「フェニックスの・・・息子だと?」
感情がほとんど死んでいるであろう、デスロードも、トゥバンの言葉には、
流石に驚いたようだ。
デスロードは、少し苦しそうな唸り声を上げ、トゥバン達を
骸骨の顔で、見ていた。
骸骨なので、本当なら感情などわからないはずなのだが、
ラリイ達は、デスロードから、激しく憎悪されているのを感じた。
「ならば・・・私も最後の手段にあの方から、力を借りよう。」
デスロードは、何かの覚悟を決めたような声で、言うと、何かの呪文を唱え始めた。
その呪文は、古代語で唱えられている。
トゥバンはそれだけは、わかったのだが、デスロードの詠唱を
止めることが出来なかった。
デスロードの呪文が終わった直後に、ラリイ達の前に、ありえない存在が姿を現した。
「そんな馬鹿な?!すでに、この時代にはいないと言われている、
七大竜の1体のゼイアス・ヴィイングだと?!」
トゥバンは悲鳴にも近い声で、叫んだ。ラリイ達は、その七大竜に、
睨まれ、身体が竦む。一瞬にして、本能が怖がったのだ。
この敵に殺されるかもしれないと。ラリイ達は全員、冷や汗を掻くことになった。
先ほどまで、有利だと思っていたのが、不利な状況になろうとしていた。