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第7章「やってみたいお年頃」

「ラリイは本当に凄いな!あのビスマルクと友になったばかりか、
フレン達をまた助けたのか!!」

ラリイ達は幻獣界に帰り、オーディンは自慢げに、ラリイのした事を、
幻獣城で仕事中であったバハムートとフェニックスに話した。
オーディンの話を聞き、バハムートは歓喜する。
フェニックスは、仕事中ではあったものの、ラリイの成した事が、
あんまりにも嬉しかったから、ラリイを抱きしめたくて、うずうずしていた。
ラリイは、すぐにそれに気づく。

(もうフェニは、僕を抱きしめたくて、うずうずしてるのが、
バレバレだよ・・・仕事中なのに・・・)

ラリイは、そんなフェニックスが恥ずかしくて直視出来ない。
バハムートは、引き続き、オーディンの報告を受けて、ラリイを嬉しそうに見る。

「その歳にして、ヒュドラ退治続き、幻獣と人間の関係の修繕までするとは。
こんなに将来が楽しみな子は、なかなかいないな!な?フェニックス?」
「もちろんです。何と言っても、私の愛おしい息子のラリイですから♥
これからも、きっと活躍してくれることでしょう♥」

フェニックスは顔こそ、冷静な表情であるが、声から、
いつもの親馬鹿さが滲み出てしまっている。
これには、バハムートもオーディンも大爆笑であった。
ラリイは顔を真っ赤にして、大いに期待されているとこを制止する。
全部が全部、自分の実力でないことは、しっかり言わなければ、いけないとラリイは思った。

「そんな、バハムート様。恐れ多いです!私は、ヒュドラ退治では、
最後は倒しきれずに、親であるフェニックスに助けられました。
それに、今回だって、オーディン様の助力があったからこそ、
出来たことも多いです!だから、そんな・・・私なんて・・・
まだまだです。」

顔を真っ赤にしてラリイは、言いたいことを何とかバハムートに行った。
バハムートは、ラリイの意見を聞き、優しく見つめる。

「ラリイ。お前は、本当に謙虚な子だな。過去のあのフェニックスから生まれたとは
思えない程に純情な子だ。」
「それは、どういう意味ですか?バハムート王?」

フェニックスは、バハムートの言葉に反応し、少しピキピキしていた。
バハムートは、あ、いけない!と、思った時には遅かった。
後で、フェニックスから、散々小言を言われることになるだろう。
オーディンは、余計な事を言わなければいいのにと、心の中でバハムートに思った。
そして、その日の夜に、ラリイはフェニックスから、
ここぞとばかりに抱きしめられ、色々と聞かれる。

「ラリイ♥本当に貴方と言う子にはいつも、いつも驚かされます♥
フレンに会いに行ったかと思えば、まさかビスマルクとまで会い、
しかも友にまでなるとは♥流石、私の子ですね♥♥♥」
「フェニー苦しいよぉ!」

ラリイは恥ずかしさと苦しさで、顔を真っ赤にしてフェニックスに抗議してた。
フェニックスは、軽やかに笑って、ラリイに謝り、ラリイから離れた。

「すいません♥ラリイ♥だって、あんまりにも嬉しかったので♥
ところで、ビスマルクの様子はどんな感じでしたか?」
「はい。とてもお元気そうでした。ビスマルク様の孫のヴィアンレとも会いましたし、
それから、リィヴァシャイン一族の長の子のフィニアとも会いました!」
「うんうん、そうだったのですね♪」
「そうだ!聞いて下さい!フェニ!」
「ん?何です?♪」
「実は、フィニアは、七幻主のシャディヴァ・ランスの使い手でした!」
「それは!驚きでしたね!あのシャディヴァ・ランスは、
今はビスマルクの所にあったんですね!」
「はい!凄い槍でした!」
「うふふ♪ラリイはやっぱり男の子ですね。そんなに嬉しい顔をして♪」
「だって、アルゥイントも、同胞に会えて嬉しそうだったんだもん♪」
「ああ、なるほど!そうですね。アルゥイントもそれは、喜んだことでしょうね。」

フェニックスは、ラリイの頭を優しく撫でて、ラリイの話を楽しみながら聞く。
アルゥイントが喜ぶことは、フェニックスにも嬉しいことだ。
親友ラリイとの大事な思い出の剣なのだから。

「だけど、ラリイは、どうやって、ビスマルク達と仲良くなれたのでしょうか?
ビスマルクは、意外に気難しい性格なんですねけどね。」

フェニックスは、少し不思議そうな顔でラリイに聞く。
ラリイは、一瞬、ドキっとしたが、フィニアと対決した話は
しないでおこうと、咄嗟に思った。
そんな事をしたと言えば、フェニックスの態度が豹変しそうだからだ。
危険はないと、オーディンはフェニックスに断定したから、
フェニックスは安心してラリイの同行を許したのだ。
それが、海の中で、フィニアと七幻主同士で戦ったとなれば、
どんな事情であるにせよ、フェニックスが怒るのは目に見えているではないか。

「え、えっとね!ビルマルク様の孫のヴィアンレと、海に中ですぐに出会う事が出来て、
そこから、お話していってね!あっという間にって感じかな?」
「へぇーそうなんですね?ラリイ?」
「う、うん!そうだよ!フェニ!」

フェニックスは、ラリイのちょっと怪しい言動にすぐに気づく。
ラリイは嘘をついていると。
けど、フェニックスは、それでも今回は許すことにした。
ラリイは、バハムートにちゃんと自分の実力を素直に話した。
そんなラリイがフェニックスには誇りらしかったのだ。
だから、ラリイが今回は少しくらい嘘をついても、
許してあげても良いかと寛大な気持ちでいた。

「あ、フェニ、あのね?」
「どうしましたか?ラリイ?」
「ビスマルク様がね、フェニにも、久しぶりに会いたいって♪」
「あら♥そうでしたか♥なら、ラリイ?♥今度は、私と一緒に
久しぶりに人間界に行って、ビスマルクだけでなく、グリフィンや、
イルルヤンカシュと会いましょうか?♥どうですか?♥」
「うん♪一緒に行きたい♪」

ラリイは、つい可愛い笑顔で可愛い返事をしてしまった。
あ、とラリイが思った頃には、時すでに遅しである。

「あああああ♥私のラリイは何て可愛いのでしょうか♥
私は嬉しさのあまりに気絶しそうです♥これは、今度の仕事はさっさと切り上げて、
バハムートに休みを申請しなければ♥
ラリイ♥絶対に近々、一緒に人間界に行きましょうね♥♥♥」
「あぅううーフェニーまたー苦しいよぉ?!」

フェニックスに力強く、再度抱きしめられたラリイは、
毎度毎度のフェニックスの激しい愛情に苦しめられることになった。
ちなみに、この愛情表現は孫にまで引き継がれることになるが、
それをまだこの親子が知るのは先のことであった。
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