第7章「やってみたいお年頃」
フェニックス達が、幻獣界へ帰り、ラリイがヒュドラを倒した話を、
バハムートとオーディンにすると、両者は嬉しそうであった。
幻獣王の間では、バハムートは王座に座り、その周りに、フェニックス達が居た。
「ラリイ!良くやったな!これはフレン達、人間界への脅威が1つ減ったと言う事だ。
幻獣王である、俺からも礼を言おう!流石、フェニックスの息子だな♪」
バハムートは笑顔でラリイの業績を素直に褒める。
オーディンも感慨深そうに頷く。オーディンに至っては、もっと
喜ばしいことであろう。
ラリイにした自分の教育が役に立ったと実証されたのだから。
「ラリイ。バハムート王の言う通り、良くやってくれたな。
俺も嬉しく思うぞ。お前は、俺が教えた中でも、出来のいい生徒の1人だ。
きっと何か大きいことをすると思ったが、その歳で、あの厄介な魔獣の1体のヒュドラと
初戦で戦うとはな!話を聞いた時は耳を疑ったくらいだ。」
オーディンは、つい癖でラリイの頭を撫でていた。
ラリイは照れくさそうにしながらも、師であるオーディンに、
褒められることも、凄く嬉しかった。
「バハムート様。オーディン様。有難うございます。」
ラリイは両者に頭を下げ、褒められたことに感謝する。
フェニックスは、それを見て、何よりも喜んでいた。
ラリイはこれからも、幻獣だけでなく、人間達の助けにも
なれるような存在に育つだろうと確信出来たからだ。
バハムートに、この話を報告出来た、フェニックス達は、
今日は仕事を終わりにし、自分達の屋敷に帰ってきた。
「ラリイ♥早速、夕食にしましょう♥今日は、私がラリイに
手料理を作りますからね♥ラリイの大好きなものを沢山♥♥♥」
「フェニ!べ、別にそんな無理しなくていいよ!フェニだって、
昨日は僕を回復させる為に、魔力をいっぱい使ったから、
今日も疲れてるはずだよ!」
「ラリイ・・・貴方と言う子は・・・本当に・・・」
フェニックスは、自分を気遣うラリイを、優しく抱きしめる。
ラリイの日々の成長と優しく子に育っていてくれてることが、
今のフェニックスには何より嬉しい。
「フェニ・・・?」
「ラリイ。有難うございます。これからも、どうか、このままの優しい貴方で
育っていって下さい。そして、絶対に幸せになるんですよ。ラリイ。」
「ふぅ、もうフェニは・・・わかってます。」
ラリイは、変に抵抗せず、素直にフェニックスを抱き返して答える。
これが一番早く、フェニックスに解放して貰えて、フェニックスが喜ぶ方法だ。
こんな時に少しでも逆らうようなことをすると、数時間は離して貰えなくなる。
今回は、ヒュドラの毒で死にかけたから余計にだ。
ラリイの今後の心配としては、今回の件で、フェニックスが
人間界に行くのを渋るようにならないかだった。
「フェニ、聞いてもいい?」
「うん?何ですか?ラリイ?」
「人間界に行くのを禁止にしたりしないよね?」
「それは・・・」
ラリイの質問に、フェニックスは優しい顔から、少し困った顔になる。
やっぱり、今回の件の所為で、思う所があるようだ。
「全面的に禁止とまではしませんが・・・しばらくは控えて欲しいですね。
散歩くらいなら、許してあげたいとこですが、今回の様に、
いきなり、あのクラスの敵を相手にしようとするのは、考えて貰いたいものです。」
フェニックスは少し厳しい口調でラリイに言う。
親としては、当然の対応だ。愛する我が子が危険に晒されて、いい気分なわけがない。
それでも、フェニックスはまだ理解がある方だと、ラリイも、
心の中ではわかっているつもりだ。
他の幻獣の親なら、絶対に許さない出来事だっただろう。
「わかりました。しばらくは屋敷で勉学に励みます。」
「ラリイ。わかってくれて、有難う。」
フェニックスは、再度、ラリイを優しく抱きしめた。
それから、フェニックスとラリイは、仲良く一緒に夕食を作ることにした。
フェニックスは、ラリイと食事を作りながら、ラリイが大人に
なったら、一緒にお酒も飲みたいなぁとこっそり思いながら、
食事を作り、食べた。
翌日、フェニックスは、ラリイがしばらく家に居るのが嬉しいのか、
笑顔で仕事に行き、ラリイは逆に憂鬱な気分になる。
「うーん、どうしようかなぁ・・・屋敷で出来ることも
限界があるしなぁ・・・」
ラリイは、人間界でやりたいことが沢山あった矢先に、
この状態になってしまったので、残念な気持ちになる。
そこへ、何かを見越したかのように、オーディンがラリイを訪ねて来てくれた。
「よう!ラリイ!やっぱり、つまらなさそうな顔してたな!」
「オーディン!会いに来てくれたのですか!」
「ああ、どうせ、フェニックスに言われて、しばらく家に留められそうだと思ってな!
それに、どうやって、あのヒュドラを倒したのか、詳しく聞きたいのもあったしな?」
いつもの明るいオーディンは、ラリイの初めての戦闘経験を出来る限り詳しく聞いた。
オーディンは、ラリイの戦い方への考えが、間違っていないか、
確認しに来たのもあった。
ラリイの剣の師として、成長が見たかったのである。
「うーん・・・そうだな、俺からすれば、70点。ギリギリ合格と言ったところか?」
ラリイから、ヒュドラとの戦いを詳しく聞いたオーディンは、
少し悩んだ顔をしながらも、ラリイに採点を下した。
「70点・・・厳しいですね。オーディン。」
「そうか?死に掛けたのなら、本当は0点だぞ?」
「うぅう・・・それを言われると痛いです・・・」
オーディンに最後にそれを言われ、ラリイは苦しそうな顔をしてしまった。
そんな顔をするラリイにオーディンは笑う。
「最後の詰めが甘かったにしてもだ。前半は、間違いなく、ラリイは良い戦いをした。
ヒュドラは肉体は1つでも首は9つあるからな。その攻撃を一身に集めない為にも、
火の精霊をサラマンダーにして、護衛させたのは、手段の1つとして良い手だ。
そうすれば、首の再生能力を封じる時も便利だっただろうしな。」
「はい。でも、その分、魔力の消費が激しかったので、長期戦に
なったら、勝ち目はなかったかもしれません。」
「うんうん。その事も、わかった上での行動なら、大丈夫だ。」
オーディンはラリイと会話をしながら、今回の戦いの改善点を教えていく。
ラリイも、今後の為に、しっかりとオーディンの話を聞いた。
「あ、そうだ。ラリイ。今度、俺は人間界に居る、フレンに
会うのだが、お前も一緒に会ってみるか?」
オーディンは、会話の途中で、ラリイにそんな提案をした。
ラリイは目を輝かせて、オーディンに嬉しそうに返事をする。
「はい!会ってみたいです!」
「ははは。そうか、そうか!なら、早くに面識があった方がいいだろう。
ラリイは今後も人間界に行くのだから、フレンと知り合いになっていて困ることはない。」
「あ・・・けど、フェニが許してくれるでしょうか?
しばらくは家に居ると言ってしまったし・・・」
ラリイはそれだけが気がかりだった。すぐに人間界に
また行くことになって、あのフェニックスが許すかどうか・・・
だが、オーディンは笑顔のままであった。
「安心しろ。社会勉強として、俺が付き添うのだ。何も心配はいらん。
それに、フレンに会うのなら、フェニックスとて、悪い気はしない。面識があるしな。」
「そうでしたね。フェニも過去に、話してくれました。」
ラリイは、自分が赤ん坊だった頃に会っていた存在の中に、
フレンが居たことも思い出した。
ラリイはオーディンの誘いを受け、憂鬱だった気分が一気に、
ワクワクしたものに変わる。
後は、フェニックスが許可さえ出してくれれば良いだけだった。
バハムートとオーディンにすると、両者は嬉しそうであった。
幻獣王の間では、バハムートは王座に座り、その周りに、フェニックス達が居た。
「ラリイ!良くやったな!これはフレン達、人間界への脅威が1つ減ったと言う事だ。
幻獣王である、俺からも礼を言おう!流石、フェニックスの息子だな♪」
バハムートは笑顔でラリイの業績を素直に褒める。
オーディンも感慨深そうに頷く。オーディンに至っては、もっと
喜ばしいことであろう。
ラリイにした自分の教育が役に立ったと実証されたのだから。
「ラリイ。バハムート王の言う通り、良くやってくれたな。
俺も嬉しく思うぞ。お前は、俺が教えた中でも、出来のいい生徒の1人だ。
きっと何か大きいことをすると思ったが、その歳で、あの厄介な魔獣の1体のヒュドラと
初戦で戦うとはな!話を聞いた時は耳を疑ったくらいだ。」
オーディンは、つい癖でラリイの頭を撫でていた。
ラリイは照れくさそうにしながらも、師であるオーディンに、
褒められることも、凄く嬉しかった。
「バハムート様。オーディン様。有難うございます。」
ラリイは両者に頭を下げ、褒められたことに感謝する。
フェニックスは、それを見て、何よりも喜んでいた。
ラリイはこれからも、幻獣だけでなく、人間達の助けにも
なれるような存在に育つだろうと確信出来たからだ。
バハムートに、この話を報告出来た、フェニックス達は、
今日は仕事を終わりにし、自分達の屋敷に帰ってきた。
「ラリイ♥早速、夕食にしましょう♥今日は、私がラリイに
手料理を作りますからね♥ラリイの大好きなものを沢山♥♥♥」
「フェニ!べ、別にそんな無理しなくていいよ!フェニだって、
昨日は僕を回復させる為に、魔力をいっぱい使ったから、
今日も疲れてるはずだよ!」
「ラリイ・・・貴方と言う子は・・・本当に・・・」
フェニックスは、自分を気遣うラリイを、優しく抱きしめる。
ラリイの日々の成長と優しく子に育っていてくれてることが、
今のフェニックスには何より嬉しい。
「フェニ・・・?」
「ラリイ。有難うございます。これからも、どうか、このままの優しい貴方で
育っていって下さい。そして、絶対に幸せになるんですよ。ラリイ。」
「ふぅ、もうフェニは・・・わかってます。」
ラリイは、変に抵抗せず、素直にフェニックスを抱き返して答える。
これが一番早く、フェニックスに解放して貰えて、フェニックスが喜ぶ方法だ。
こんな時に少しでも逆らうようなことをすると、数時間は離して貰えなくなる。
今回は、ヒュドラの毒で死にかけたから余計にだ。
ラリイの今後の心配としては、今回の件で、フェニックスが
人間界に行くのを渋るようにならないかだった。
「フェニ、聞いてもいい?」
「うん?何ですか?ラリイ?」
「人間界に行くのを禁止にしたりしないよね?」
「それは・・・」
ラリイの質問に、フェニックスは優しい顔から、少し困った顔になる。
やっぱり、今回の件の所為で、思う所があるようだ。
「全面的に禁止とまではしませんが・・・しばらくは控えて欲しいですね。
散歩くらいなら、許してあげたいとこですが、今回の様に、
いきなり、あのクラスの敵を相手にしようとするのは、考えて貰いたいものです。」
フェニックスは少し厳しい口調でラリイに言う。
親としては、当然の対応だ。愛する我が子が危険に晒されて、いい気分なわけがない。
それでも、フェニックスはまだ理解がある方だと、ラリイも、
心の中ではわかっているつもりだ。
他の幻獣の親なら、絶対に許さない出来事だっただろう。
「わかりました。しばらくは屋敷で勉学に励みます。」
「ラリイ。わかってくれて、有難う。」
フェニックスは、再度、ラリイを優しく抱きしめた。
それから、フェニックスとラリイは、仲良く一緒に夕食を作ることにした。
フェニックスは、ラリイと食事を作りながら、ラリイが大人に
なったら、一緒にお酒も飲みたいなぁとこっそり思いながら、
食事を作り、食べた。
翌日、フェニックスは、ラリイがしばらく家に居るのが嬉しいのか、
笑顔で仕事に行き、ラリイは逆に憂鬱な気分になる。
「うーん、どうしようかなぁ・・・屋敷で出来ることも
限界があるしなぁ・・・」
ラリイは、人間界でやりたいことが沢山あった矢先に、
この状態になってしまったので、残念な気持ちになる。
そこへ、何かを見越したかのように、オーディンがラリイを訪ねて来てくれた。
「よう!ラリイ!やっぱり、つまらなさそうな顔してたな!」
「オーディン!会いに来てくれたのですか!」
「ああ、どうせ、フェニックスに言われて、しばらく家に留められそうだと思ってな!
それに、どうやって、あのヒュドラを倒したのか、詳しく聞きたいのもあったしな?」
いつもの明るいオーディンは、ラリイの初めての戦闘経験を出来る限り詳しく聞いた。
オーディンは、ラリイの戦い方への考えが、間違っていないか、
確認しに来たのもあった。
ラリイの剣の師として、成長が見たかったのである。
「うーん・・・そうだな、俺からすれば、70点。ギリギリ合格と言ったところか?」
ラリイから、ヒュドラとの戦いを詳しく聞いたオーディンは、
少し悩んだ顔をしながらも、ラリイに採点を下した。
「70点・・・厳しいですね。オーディン。」
「そうか?死に掛けたのなら、本当は0点だぞ?」
「うぅう・・・それを言われると痛いです・・・」
オーディンに最後にそれを言われ、ラリイは苦しそうな顔をしてしまった。
そんな顔をするラリイにオーディンは笑う。
「最後の詰めが甘かったにしてもだ。前半は、間違いなく、ラリイは良い戦いをした。
ヒュドラは肉体は1つでも首は9つあるからな。その攻撃を一身に集めない為にも、
火の精霊をサラマンダーにして、護衛させたのは、手段の1つとして良い手だ。
そうすれば、首の再生能力を封じる時も便利だっただろうしな。」
「はい。でも、その分、魔力の消費が激しかったので、長期戦に
なったら、勝ち目はなかったかもしれません。」
「うんうん。その事も、わかった上での行動なら、大丈夫だ。」
オーディンはラリイと会話をしながら、今回の戦いの改善点を教えていく。
ラリイも、今後の為に、しっかりとオーディンの話を聞いた。
「あ、そうだ。ラリイ。今度、俺は人間界に居る、フレンに
会うのだが、お前も一緒に会ってみるか?」
オーディンは、会話の途中で、ラリイにそんな提案をした。
ラリイは目を輝かせて、オーディンに嬉しそうに返事をする。
「はい!会ってみたいです!」
「ははは。そうか、そうか!なら、早くに面識があった方がいいだろう。
ラリイは今後も人間界に行くのだから、フレンと知り合いになっていて困ることはない。」
「あ・・・けど、フェニが許してくれるでしょうか?
しばらくは家に居ると言ってしまったし・・・」
ラリイはそれだけが気がかりだった。すぐに人間界に
また行くことになって、あのフェニックスが許すかどうか・・・
だが、オーディンは笑顔のままであった。
「安心しろ。社会勉強として、俺が付き添うのだ。何も心配はいらん。
それに、フレンに会うのなら、フェニックスとて、悪い気はしない。面識があるしな。」
「そうでしたね。フェニも過去に、話してくれました。」
ラリイは、自分が赤ん坊だった頃に会っていた存在の中に、
フレンが居たことも思い出した。
ラリイはオーディンの誘いを受け、憂鬱だった気分が一気に、
ワクワクしたものに変わる。
後は、フェニックスが許可さえ出してくれれば良いだけだった。