第6章「悩ましき自立心?」
ラリイは、ヒュドラの毒の攻撃を絶対に受けないようにして、
ヒュドラの首を確実に狙い、1つ1つ切り落としていく。
ヒュドラの攻撃を集中的に受けない為にも、ラリイは魔力の消費が
激しくなるのを承知で、自分の火の精霊をサラマンダーにして召喚し、
数体に分け、自分の援護させる。
そして、切り落とした首が再生出来ぬように、サラマンダーの
火の攻撃で、ヒュドラの切り落とした首の切り口を大火傷させ塞ぐ。
「おのれ!小賢しい真似を!!!」
首が切り落とされる度に、ヒュドラはラリイにますます憎しみを
募らせ、攻撃も激しくなる。
けれど、ラリイも冷静になって、ヒュドラとの戦いに専念する。
それを見守るイーグルは、ラリイの凄さに恐怖すら感じるほどだった。
(まだラリイ様は幼いはずなのに。あの戦いぶりだ。長に、
お前なんてすぐに丸焼きだと言われたが、あれは冗談ではなかったんだ。)
と、イーグルはラリイを見守りながらも心の中で思った。
ラリイの死闘は、その後も続き、ラリイは何とか、ヒュドラの首を2つにまでした。
しかし、余りにも激しい戦いは、幼いラリイには、やはり無理を強いていた。
急にラリイの動きが鈍くなったと感じたヒュドラは、ここだ!と
言わんばかりに、あの毒の霧を吐いたのだ。
イーグルは、すぐにラリイに、風の防護壁を張り、ラリイを毒の霧から、
ギリギリのタイミングで守った。
それから、すぐにヒュドラのもう1つの首を槍で切り落とした後に、
胸にしまってあった、爆薬をヒュドラに投げ込み、爆発させた。
イーグルは、ラリイを爆発に巻き込ませない為に、ラリイを、
素早く抱きかかえ、安全な場所に移動した。
「すまない・・・イーグル・・・助かった。」
「何を言うんです!ラリイ様があそこまで戦ってくれたからこそです!さぁ!これを!」
イーグルはラリイに里に伝わる回復薬を渡し、飲ませる。
ラリイは、少しだけ体力と魔力を回復させ、再度、ヒュドラを
確認する。
イーグルがヒュドラに投げた爆薬は、もう1つのヒュドラの
首の切り口を上手く火傷させていた。
これで、残るは後1つの首だけとなった。
ヒュドラも苦しそうにしながらも、ラリイに激しい憎悪の怒りを燃やし、再度、ラリイを睨む。
「貴様・・・ただの人間ではないな・・・何者だ?
こうまで、我と張り合うとは・・・貴様のその力・・・
まさか・・・あのフェニックスの・・・?!」
ヒュドラは、ラリイの火の魔法の力を感じ取り、それが
フェニックスに近いものだと感じた。
ここまでの強い火の精霊を呼び出せる存在など、数知れている。
それが、あのフェニックスだと言うのなら、納得がいく。
グリフィンとフェニックスが仲が良いのも、ヒュドラは知っていた。
「グリフィンめ・・・我に勝てぬと思って、フェニックスの息子なんぞに
助けを求めたのか・・・卑怯者め!」
ヒュドラは忌々しそうに、ラリイに吐き捨てた。
ラリイは、グリフィンがいきなり侮辱され、怒りだす。
「勘違いをするな!ヒュドラ!グリフィンは、そんな幻獣じゃない!
これは、私が勝手に申し出てしたことだ!それ以上の侮辱は許さないぞ!」
ラリイは再度、アルゥイントを構えなおし、ヒュドラと対峙する。
イーグルから貰った回復薬で、ラリイは何とか、まだ戦えそうだった。
両者の間で、重い沈黙が流れる。次の一撃で雌雄が決まりそうな、
そんな雰囲気がラリイとヒュドラの間にあった。
イーグルは息の飲み込むことさえ躊躇う。
と、次の瞬間にラリイは、最も素早い動きで、ヒュドラの最後の首を切り落とした。
それから、サラマンダーに火の攻撃をさせ、最後の首の切り口も火傷させる。
そうすると、ヒュドラの身体は大きな音を立てて、倒れ込んだ。
「や、やったーーー!やりましたよ!ラリイ様!!!」
イーグルは大喜びで、ラリイに抱き着いた。
ラリイも、最後の戦いが終わったと安堵し、一気に力が抜けた。
ところが、何かが地面を這う音が聞こえ、嫌な殺気が、
ラリイの背後に迫る。
「な、そんな馬鹿な!ラリイ様危ない!!!」
イーグルは、その地面を這う音の正体に気づき、力が抜けて、動けないラリイを庇う。
それは、最後に切り落とされたヒュドラの首であった。
最後に残ったヒュドラの首は、しぶとく生き残り、ラリイ達を毒牙に掛けようとしていたのだ。
ヒュドラの首が、ひゅんと飛び、ラリイを庇うイーグルに嚙みつこうとした瞬間に、
ラリイはイーグルと素早く入れ替わり、自分がヒュドラに噛まれた。
イーグルは、ラリイに自分が庇われたと知り、激しく動揺したものの、
手にあった槍を素早く投げて、ヒュドラの首の動きを封じる。
ヒュドラの首は、イーグルの槍に貫かれ、洞窟の壁に突き刺さった。
「くっくっく・・・やったぞ!最後にあのフェニックスの息子に
我が毒を食らわせたぞ!はははははは!!!」
首だけになったヒュドラは、嬉しそうに高笑いをした。
イーグルは、そんなヒュドラを激しく睨みながらも、
ラリイを急いで抱きかかえ、ヒュドラの毒で苦しみ出したラリイをグリフィンの元へ運ぶ。
「そんな・・・ラリイ様!何故、俺なんかを庇って・・・
駄目です!こんなところで死なれては!!気を確かに!!!」
イーグルは顔面蒼白になりながらも、必死でラリイを抱きかかえて、
俊足でグリフィンの元へ急いだ。
その頃、フェニックスは、ラリイがあまりにも帰って来ないことに
痺れを切らせ、人間界に来ていた。
ラリイの気がグリフィンの側にあるとを察すると、急いで、そこに向かう。
「もう・・・ラリイは本当にしょうがない子ですね。私をこんなにも心配させて・・・
ま、そんなラリイも、可愛いと言えば可愛いのですが♥♥♥」
フェニックスは、ラリイを心配しつつも、呑気にしていた。
が、グリフィン達が、ヒュドラの眷属達と未だに戦っているのを、
知ると急に態度を改める。
「どういうことです?何故、グリフィンが魔族と戦って・・・
ラリイ・・・?!ラリイの気が急速に弱まっている?!!」
フェニックスは、ラリイが何かで生命力が弱まっていることをすぐに察する。
フェニックスは大激怒し、ヒュドラの眷属達を有無も言わさずに、
燃やし始めた。
「貴様ら!私の愛しいラリイに何をした!!!許さんぞ!!!」
「フェニックス様?!!!」
あまりのフェニックスの怒りの声に、グリフィンはすぐに
フェニックスが来たことを知る。
フェニックスは、ものの数分もしないうちに、ヒュドラの眷属達を蹴散らし、
地面に降り立って、急いでグリフィンの元に向かう。
「グリフィン!ラリイは?!私の息子は何処です?!!」
「フェニックス様!ラリイ様は、あの洞窟の中です!」
グリフィンが、そうフェニックスに教えるのと同時に、イーグルは、
ラリイを抱きかかえて、洞窟を出て来ていた。
「長!!!ラリイ様が!ヒュドラの毒に!!!」
「な、なんじゃと?!!」
「な、なんですって?!!」
イーグルの報告に、フェニックス達は声を合わせて、悲鳴を上げる。
ラリイは、ヒュドラの毒に苦しめられ、意識が朦朧としていた。
でも、そこに何故かフェニの声が聞こえ、ラリイは酷く安心する。
「フェニ・・・僕・・・頑張ったよ・・・」
ラリイは心の中でフェニックスに自分の戦いの結果を報告して、気絶した。
ヒュドラの首を確実に狙い、1つ1つ切り落としていく。
ヒュドラの攻撃を集中的に受けない為にも、ラリイは魔力の消費が
激しくなるのを承知で、自分の火の精霊をサラマンダーにして召喚し、
数体に分け、自分の援護させる。
そして、切り落とした首が再生出来ぬように、サラマンダーの
火の攻撃で、ヒュドラの切り落とした首の切り口を大火傷させ塞ぐ。
「おのれ!小賢しい真似を!!!」
首が切り落とされる度に、ヒュドラはラリイにますます憎しみを
募らせ、攻撃も激しくなる。
けれど、ラリイも冷静になって、ヒュドラとの戦いに専念する。
それを見守るイーグルは、ラリイの凄さに恐怖すら感じるほどだった。
(まだラリイ様は幼いはずなのに。あの戦いぶりだ。長に、
お前なんてすぐに丸焼きだと言われたが、あれは冗談ではなかったんだ。)
と、イーグルはラリイを見守りながらも心の中で思った。
ラリイの死闘は、その後も続き、ラリイは何とか、ヒュドラの首を2つにまでした。
しかし、余りにも激しい戦いは、幼いラリイには、やはり無理を強いていた。
急にラリイの動きが鈍くなったと感じたヒュドラは、ここだ!と
言わんばかりに、あの毒の霧を吐いたのだ。
イーグルは、すぐにラリイに、風の防護壁を張り、ラリイを毒の霧から、
ギリギリのタイミングで守った。
それから、すぐにヒュドラのもう1つの首を槍で切り落とした後に、
胸にしまってあった、爆薬をヒュドラに投げ込み、爆発させた。
イーグルは、ラリイを爆発に巻き込ませない為に、ラリイを、
素早く抱きかかえ、安全な場所に移動した。
「すまない・・・イーグル・・・助かった。」
「何を言うんです!ラリイ様があそこまで戦ってくれたからこそです!さぁ!これを!」
イーグルはラリイに里に伝わる回復薬を渡し、飲ませる。
ラリイは、少しだけ体力と魔力を回復させ、再度、ヒュドラを
確認する。
イーグルがヒュドラに投げた爆薬は、もう1つのヒュドラの
首の切り口を上手く火傷させていた。
これで、残るは後1つの首だけとなった。
ヒュドラも苦しそうにしながらも、ラリイに激しい憎悪の怒りを燃やし、再度、ラリイを睨む。
「貴様・・・ただの人間ではないな・・・何者だ?
こうまで、我と張り合うとは・・・貴様のその力・・・
まさか・・・あのフェニックスの・・・?!」
ヒュドラは、ラリイの火の魔法の力を感じ取り、それが
フェニックスに近いものだと感じた。
ここまでの強い火の精霊を呼び出せる存在など、数知れている。
それが、あのフェニックスだと言うのなら、納得がいく。
グリフィンとフェニックスが仲が良いのも、ヒュドラは知っていた。
「グリフィンめ・・・我に勝てぬと思って、フェニックスの息子なんぞに
助けを求めたのか・・・卑怯者め!」
ヒュドラは忌々しそうに、ラリイに吐き捨てた。
ラリイは、グリフィンがいきなり侮辱され、怒りだす。
「勘違いをするな!ヒュドラ!グリフィンは、そんな幻獣じゃない!
これは、私が勝手に申し出てしたことだ!それ以上の侮辱は許さないぞ!」
ラリイは再度、アルゥイントを構えなおし、ヒュドラと対峙する。
イーグルから貰った回復薬で、ラリイは何とか、まだ戦えそうだった。
両者の間で、重い沈黙が流れる。次の一撃で雌雄が決まりそうな、
そんな雰囲気がラリイとヒュドラの間にあった。
イーグルは息の飲み込むことさえ躊躇う。
と、次の瞬間にラリイは、最も素早い動きで、ヒュドラの最後の首を切り落とした。
それから、サラマンダーに火の攻撃をさせ、最後の首の切り口も火傷させる。
そうすると、ヒュドラの身体は大きな音を立てて、倒れ込んだ。
「や、やったーーー!やりましたよ!ラリイ様!!!」
イーグルは大喜びで、ラリイに抱き着いた。
ラリイも、最後の戦いが終わったと安堵し、一気に力が抜けた。
ところが、何かが地面を這う音が聞こえ、嫌な殺気が、
ラリイの背後に迫る。
「な、そんな馬鹿な!ラリイ様危ない!!!」
イーグルは、その地面を這う音の正体に気づき、力が抜けて、動けないラリイを庇う。
それは、最後に切り落とされたヒュドラの首であった。
最後に残ったヒュドラの首は、しぶとく生き残り、ラリイ達を毒牙に掛けようとしていたのだ。
ヒュドラの首が、ひゅんと飛び、ラリイを庇うイーグルに嚙みつこうとした瞬間に、
ラリイはイーグルと素早く入れ替わり、自分がヒュドラに噛まれた。
イーグルは、ラリイに自分が庇われたと知り、激しく動揺したものの、
手にあった槍を素早く投げて、ヒュドラの首の動きを封じる。
ヒュドラの首は、イーグルの槍に貫かれ、洞窟の壁に突き刺さった。
「くっくっく・・・やったぞ!最後にあのフェニックスの息子に
我が毒を食らわせたぞ!はははははは!!!」
首だけになったヒュドラは、嬉しそうに高笑いをした。
イーグルは、そんなヒュドラを激しく睨みながらも、
ラリイを急いで抱きかかえ、ヒュドラの毒で苦しみ出したラリイをグリフィンの元へ運ぶ。
「そんな・・・ラリイ様!何故、俺なんかを庇って・・・
駄目です!こんなところで死なれては!!気を確かに!!!」
イーグルは顔面蒼白になりながらも、必死でラリイを抱きかかえて、
俊足でグリフィンの元へ急いだ。
その頃、フェニックスは、ラリイがあまりにも帰って来ないことに
痺れを切らせ、人間界に来ていた。
ラリイの気がグリフィンの側にあるとを察すると、急いで、そこに向かう。
「もう・・・ラリイは本当にしょうがない子ですね。私をこんなにも心配させて・・・
ま、そんなラリイも、可愛いと言えば可愛いのですが♥♥♥」
フェニックスは、ラリイを心配しつつも、呑気にしていた。
が、グリフィン達が、ヒュドラの眷属達と未だに戦っているのを、
知ると急に態度を改める。
「どういうことです?何故、グリフィンが魔族と戦って・・・
ラリイ・・・?!ラリイの気が急速に弱まっている?!!」
フェニックスは、ラリイが何かで生命力が弱まっていることをすぐに察する。
フェニックスは大激怒し、ヒュドラの眷属達を有無も言わさずに、
燃やし始めた。
「貴様ら!私の愛しいラリイに何をした!!!許さんぞ!!!」
「フェニックス様?!!!」
あまりのフェニックスの怒りの声に、グリフィンはすぐに
フェニックスが来たことを知る。
フェニックスは、ものの数分もしないうちに、ヒュドラの眷属達を蹴散らし、
地面に降り立って、急いでグリフィンの元に向かう。
「グリフィン!ラリイは?!私の息子は何処です?!!」
「フェニックス様!ラリイ様は、あの洞窟の中です!」
グリフィンが、そうフェニックスに教えるのと同時に、イーグルは、
ラリイを抱きかかえて、洞窟を出て来ていた。
「長!!!ラリイ様が!ヒュドラの毒に!!!」
「な、なんじゃと?!!」
「な、なんですって?!!」
イーグルの報告に、フェニックス達は声を合わせて、悲鳴を上げる。
ラリイは、ヒュドラの毒に苦しめられ、意識が朦朧としていた。
でも、そこに何故かフェニの声が聞こえ、ラリイは酷く安心する。
「フェニ・・・僕・・・頑張ったよ・・・」
ラリイは心の中でフェニックスに自分の戦いの結果を報告して、気絶した。