第2章「ハイハイ・イン・ザ・ハイ」
フェニックスは、早朝から泊まっていた宿を出て、リヴァイアサンの
いる洞窟に急いで向かった。
朝も早い事もあってか、ラリイはまだ寝ていたので、いいタイミングだった。
今日はリヴァイアサンと約束していた、人間達側の会議の日だ。
世界会議とリヴァイアサンはフェニックスに言っていた。
「おはようございます。リヴァイアサン。来ました。」
「おお、フェニックスか。よく来てくれた、おはよう。」
フェニックスがリヴァイアサンの洞窟に入り、挨拶をすると、
そこには、もうすでに人の姿になっている、リヴァイアサンがいた。
「フレンの奴が、もう少しで迎えに来るはずだ。」
「そうですか。」
フェニックスは、久しぶりのリヴァイアサンの人の姿を見た。
リヴァイアサンも、今はすっかりと人の姿に慣れている様子が伺えた。
リヴァイアサンは、フェニックスの腕の中にいる、ラリイに
気づくと、嬉しそうな顔で近づく。
「そうだ。フェニックス。お前の息子のラリイを抱かせて貰ってもいいか?」
「はい。今は大人しく寝てるので、大丈夫だと思います。」
フェニックスは、リヴァイアサンにラリイを静かに渡す。
ラリイは、寝たままで、リヴァイアサンの腕の中に納まる。
「ほうほう、いい子だ。気の流れも良い。赤子と言え、やはり、
フェニックス、お前の子だな。」
「そうですか。そう言って貰えると私も何より嬉しいです。」
「世界会議中は、ラリイはフレンの妹に預かって貰えば良い。
フレンの妹も、気立ての良い娘だ。私が保証しよう。」
「わかりました。リヴァイアサンの助言に従います。」
「しかし、ラリイは良い素質を持っているな。我々、幻獣とも違う。
か、言って人間にもないような。」
「そうですか?私は、そんなに感じないのですが・・・」
「それは、お前がいつもラリイと居るのと、親子だからだ。
後、迷惑かもしれんが、この子は性格が頑固になる傾向が
ありそうだ。そこは注意した方がいいかもしれんな。」
「リヴァイアサンは、そんなことまで、わかるんですか?!」
フェニックスは、リヴァイアサンの言葉に、少しだけ驚いた。
リヴァイアサンはラリイを抱きながら、静かに笑った。
「ああ、絶対にとは言わんが、それなりに人の子には触れたからな。
その時の気質みたいなので、少しわかる様になってな。
フレンの父も、頑固な性格の気質があった。今のラリイにも、
似たような気質を感じたのでな、だから、一応教えておこうと思ってな。」
「有り難うございます!リヴァイアサン!その忠告は
胸にしっかりとしまっておきます!」
「まぁ、お前が育てるのだから、いらぬ心配な気もするがな。」
フェニックスは、リヴァイアサンの言葉をしっかりと胸に留めた。
ラリイは頑固になりやすいかもしれない。
と、言う事は、もし今後、反抗期になったら、そういう感じに
なるのかもしれないと、フェニックスは思った。
フェニックスのそんな心配する気持ちを余所に、ラリイは、
リヴァイアサンの腕の中で、ぐっすりと寝ている。
その後、フレンがリヴァイアサンの所に来たのは、1時間もしない内だった。
「リヴァイアサン。それから、フェニックス様。今日は我々、人間の世界会議に、
ご参加下さるとの事。本当に有難うございます。心から感謝致します。」
フレンは、まずフェニックス達にそう言いながら、深々と頭を下げた。
リヴァイアサンは苦笑いをして、フレンをからかう。
「よせよせ。フレン。私にはそんな挨拶はいらん。フェニックスにだけしろ。
そんなお前を見ると、何だか落ち着かん。」
「いや、私もそんな堅苦しい挨拶は不要ですよ。フレン。」
2体の幻獣にこんな風に言われてしまい、フレンは気まずそうに笑う。
「俺の挨拶って、そんなに不自然ですかね?あはは・・・」
「いや、お前に悪気があるわけではない。私はただ、いつもの様に、
普通にして貰いたいだけだ。」
「私も同じ気持ちです、フレン。今後は、友好的な関係でいたいので、
気軽に行きましょう。」
「リヴァイアサン・・・フェニックス様・・・有り難うございます。」
フレンは、嬉しそうに、2体の幻獣に感謝した。
それから、リヴァイアサンの言ってくれた通りに、フレンの妹の
フロアがラリイの面倒を見てくれることになった。
「か、可愛い♪赤ちゃんだ♪」
「おい、くれぐれも頼むぞ。偉い方のご子息様なんだからな?」
「わかってるわよ!お兄ちゃんこそ!しっかりと会議して来てよね!」
世界会議をする場所に向かう前に、フレンは自宅に寄って、
フェニックスに妹のフロアを会わせ、ラリイの面倒を見るように頼んだ。
フェニックスは、フロアの人柄を見て、フレンと同じような気質と、陽気を感じて、
リヴァイアサンの言う通り、大丈夫だと安心してラリイを託した。
ラリイは、まだ穏やかに寝ていた。
「では、行きましょうか?」
「そうだな。フレン。」
「そうですね。」
フレン達は、世界会議が行われる場所へと向かう。
途中で、フロアはリヴァイアサンに声を掛ける。
「リヴァ様・・・どうか、兄をよろしくお願いします。」
「フロア・・・何も心配するな。私がついてるから、大丈夫だ。」
「はい!」
フェニックスは、そのやり取りが微笑ましく思った。
リヴァイアサンは、きっとフロアもフレンと同じくらいに
大事にしているのだろう。
フロアを安心させようとしている、リヴァイアサンの表情は、
とても穏やかで心強かった。
と、同時に、フロアは、リヴァイアサンの事を異性として、
好いてるとも思った。
今後、どうなるかはわからないにしても、フェニックスとしては、
なんだか嬉しい気持ちであった。
「なかなかに重苦しい嫌な空気だな・・・」
フレン達が世界会議が行われる会場に入った際に、リヴァイアサンの最初の言葉は
これであった。これにはフェニックスも同じ気持ちだった。
人間達のそれぞれの思惑が、うるさい雑音のようにさえ感じる。
フェニックスは、少し心配してしまう。こんな雰囲気の中で、
本当に人間達は団結出来るのだろうかと。
だが、フェニックスは、イルルヤンカシュから聞いた、
人間達に脅威になりそうな、魔物の話もフレンにはすでにしてある。
それも、きっと話し合いには、有効なネタにはなるのではないかと思っている。
フレンもその話を聞いた際には喜んでくれていた。
会議は行われる大部屋には、それに相応しい巨大な円卓があり、
部屋の内装も煌びやかであるが厳かで、落ち着きのあるものであった。
そして、すでに何人かの人間はすでに席に着席していた。
「フェニックス・・・あれが、風の大陸で大きな権力を持つ王だ。
それから、あれは四大神官の火の大神官をしてる男だ。」
フレンが自分の席に着席し、リヴァイアサンとフェニックスも、
フレンの後ろにお供として、用意された席に着く。
席に着いてから、リヴァイアサンは、フェニックスに、
どんな人間が出席しているか、大まかに説明していく。
リヴァイアサンの方は、かなり前からフレンに、事細かく、
人間の情報は聞いているようであった。
フェニックスは、リヴァイアサンから説明を受けている内に、
会議が始まる頃合いになっていた。
いる洞窟に急いで向かった。
朝も早い事もあってか、ラリイはまだ寝ていたので、いいタイミングだった。
今日はリヴァイアサンと約束していた、人間達側の会議の日だ。
世界会議とリヴァイアサンはフェニックスに言っていた。
「おはようございます。リヴァイアサン。来ました。」
「おお、フェニックスか。よく来てくれた、おはよう。」
フェニックスがリヴァイアサンの洞窟に入り、挨拶をすると、
そこには、もうすでに人の姿になっている、リヴァイアサンがいた。
「フレンの奴が、もう少しで迎えに来るはずだ。」
「そうですか。」
フェニックスは、久しぶりのリヴァイアサンの人の姿を見た。
リヴァイアサンも、今はすっかりと人の姿に慣れている様子が伺えた。
リヴァイアサンは、フェニックスの腕の中にいる、ラリイに
気づくと、嬉しそうな顔で近づく。
「そうだ。フェニックス。お前の息子のラリイを抱かせて貰ってもいいか?」
「はい。今は大人しく寝てるので、大丈夫だと思います。」
フェニックスは、リヴァイアサンにラリイを静かに渡す。
ラリイは、寝たままで、リヴァイアサンの腕の中に納まる。
「ほうほう、いい子だ。気の流れも良い。赤子と言え、やはり、
フェニックス、お前の子だな。」
「そうですか。そう言って貰えると私も何より嬉しいです。」
「世界会議中は、ラリイはフレンの妹に預かって貰えば良い。
フレンの妹も、気立ての良い娘だ。私が保証しよう。」
「わかりました。リヴァイアサンの助言に従います。」
「しかし、ラリイは良い素質を持っているな。我々、幻獣とも違う。
か、言って人間にもないような。」
「そうですか?私は、そんなに感じないのですが・・・」
「それは、お前がいつもラリイと居るのと、親子だからだ。
後、迷惑かもしれんが、この子は性格が頑固になる傾向が
ありそうだ。そこは注意した方がいいかもしれんな。」
「リヴァイアサンは、そんなことまで、わかるんですか?!」
フェニックスは、リヴァイアサンの言葉に、少しだけ驚いた。
リヴァイアサンはラリイを抱きながら、静かに笑った。
「ああ、絶対にとは言わんが、それなりに人の子には触れたからな。
その時の気質みたいなので、少しわかる様になってな。
フレンの父も、頑固な性格の気質があった。今のラリイにも、
似たような気質を感じたのでな、だから、一応教えておこうと思ってな。」
「有り難うございます!リヴァイアサン!その忠告は
胸にしっかりとしまっておきます!」
「まぁ、お前が育てるのだから、いらぬ心配な気もするがな。」
フェニックスは、リヴァイアサンの言葉をしっかりと胸に留めた。
ラリイは頑固になりやすいかもしれない。
と、言う事は、もし今後、反抗期になったら、そういう感じに
なるのかもしれないと、フェニックスは思った。
フェニックスのそんな心配する気持ちを余所に、ラリイは、
リヴァイアサンの腕の中で、ぐっすりと寝ている。
その後、フレンがリヴァイアサンの所に来たのは、1時間もしない内だった。
「リヴァイアサン。それから、フェニックス様。今日は我々、人間の世界会議に、
ご参加下さるとの事。本当に有難うございます。心から感謝致します。」
フレンは、まずフェニックス達にそう言いながら、深々と頭を下げた。
リヴァイアサンは苦笑いをして、フレンをからかう。
「よせよせ。フレン。私にはそんな挨拶はいらん。フェニックスにだけしろ。
そんなお前を見ると、何だか落ち着かん。」
「いや、私もそんな堅苦しい挨拶は不要ですよ。フレン。」
2体の幻獣にこんな風に言われてしまい、フレンは気まずそうに笑う。
「俺の挨拶って、そんなに不自然ですかね?あはは・・・」
「いや、お前に悪気があるわけではない。私はただ、いつもの様に、
普通にして貰いたいだけだ。」
「私も同じ気持ちです、フレン。今後は、友好的な関係でいたいので、
気軽に行きましょう。」
「リヴァイアサン・・・フェニックス様・・・有り難うございます。」
フレンは、嬉しそうに、2体の幻獣に感謝した。
それから、リヴァイアサンの言ってくれた通りに、フレンの妹の
フロアがラリイの面倒を見てくれることになった。
「か、可愛い♪赤ちゃんだ♪」
「おい、くれぐれも頼むぞ。偉い方のご子息様なんだからな?」
「わかってるわよ!お兄ちゃんこそ!しっかりと会議して来てよね!」
世界会議をする場所に向かう前に、フレンは自宅に寄って、
フェニックスに妹のフロアを会わせ、ラリイの面倒を見るように頼んだ。
フェニックスは、フロアの人柄を見て、フレンと同じような気質と、陽気を感じて、
リヴァイアサンの言う通り、大丈夫だと安心してラリイを託した。
ラリイは、まだ穏やかに寝ていた。
「では、行きましょうか?」
「そうだな。フレン。」
「そうですね。」
フレン達は、世界会議が行われる場所へと向かう。
途中で、フロアはリヴァイアサンに声を掛ける。
「リヴァ様・・・どうか、兄をよろしくお願いします。」
「フロア・・・何も心配するな。私がついてるから、大丈夫だ。」
「はい!」
フェニックスは、そのやり取りが微笑ましく思った。
リヴァイアサンは、きっとフロアもフレンと同じくらいに
大事にしているのだろう。
フロアを安心させようとしている、リヴァイアサンの表情は、
とても穏やかで心強かった。
と、同時に、フロアは、リヴァイアサンの事を異性として、
好いてるとも思った。
今後、どうなるかはわからないにしても、フェニックスとしては、
なんだか嬉しい気持ちであった。
「なかなかに重苦しい嫌な空気だな・・・」
フレン達が世界会議が行われる会場に入った際に、リヴァイアサンの最初の言葉は
これであった。これにはフェニックスも同じ気持ちだった。
人間達のそれぞれの思惑が、うるさい雑音のようにさえ感じる。
フェニックスは、少し心配してしまう。こんな雰囲気の中で、
本当に人間達は団結出来るのだろうかと。
だが、フェニックスは、イルルヤンカシュから聞いた、
人間達に脅威になりそうな、魔物の話もフレンにはすでにしてある。
それも、きっと話し合いには、有効なネタにはなるのではないかと思っている。
フレンもその話を聞いた際には喜んでくれていた。
会議は行われる大部屋には、それに相応しい巨大な円卓があり、
部屋の内装も煌びやかであるが厳かで、落ち着きのあるものであった。
そして、すでに何人かの人間はすでに席に着席していた。
「フェニックス・・・あれが、風の大陸で大きな権力を持つ王だ。
それから、あれは四大神官の火の大神官をしてる男だ。」
フレンが自分の席に着席し、リヴァイアサンとフェニックスも、
フレンの後ろにお供として、用意された席に着く。
席に着いてから、リヴァイアサンは、フェニックスに、
どんな人間が出席しているか、大まかに説明していく。
リヴァイアサンの方は、かなり前からフレンに、事細かく、
人間の情報は聞いているようであった。
フェニックスは、リヴァイアサンから説明を受けている内に、
会議が始まる頃合いになっていた。