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第1章「イクメン見習い」

グリフィンと大体の話が済み、フェニックスはラリイを迎えに行った。
ラリイは、気持ち良さそうに、グリフィンの世話係をしている、
女の古代鳥人族に抱っこされていた。

「おやおや、ラリイはすっかり貴女が気に入ったようですね。」
「これは!フェニックス様、お疲れ様でございます。」

ラリイの面倒を見てくれている、女は慌てて、フェニックスに頭を下げる。

「いえいえ。貴女こそ、我が子の面倒を見てくれて有難うございます。」
「そんな・・・面倒だなんて。ラリイ様はとても穏やかで、さっきは
少し泣かれましたが、お腹が空いていたようなので、離乳食を
差し上げたのですが、美味しそうに全部食べてくれまして、
それから、今はこうして寝ておられます。」
「おお!ラリイが離乳食を!どんなレシピですか?!」

フェニックスは女の報告を聞いて、つい興奮してしまう。
が、ビックリしてる女の顔を見て、少し恥ずかしくなり、咳をして誤魔化す。

「あ、すいません。ラリイは私が男手1つで育てているもので、
時々、育児について困ることが多いもので、少しでも参考になるものがあれば、
つい知りたくなってしまって。」
「そ、そうだったんですね!なら、私や、他の者にも、知ってる限りの離乳食の
レシピを書いて、フェニックス様にお渡ししますよ!」
「そうですか!そうして貰えると助かります!」

フェニックスとラリイの面倒を見てくれている女は、和気藹々と、
会話をして盛り上がっている。
そこへグリフィンも嬉しそうに会話に参加する。

「フェニックス様。もしよろしければ、お子を連れて行くのに危ない場所などの
仲間の連絡に行く際には、私共にラリイ様をお預け下さいませんか?」
「え?いいのですか?グリフィン?」
「もちろんでございますとも!里の女達も、きっと喜びましょう!
何と言っても、フェニックス様のお子なのですから。
そうであろう?ルリ?」
「はい!長!ラリイ様でしたら、喜んで面倒見させて頂きたいと思います!」

ラリイの面倒を見てくれているルリは、嬉しそうな笑顔で答えた。
フェニックスとしても、そう言ってくれることは有難かった。
どうしても、一時的にはラリイと離れなければ、ならない事態も
あったからだ。
それを先にグリフィンが心配してくれて、そう言ってくれた事は、
大いに助かる。
フェニックスは、実は、いざと言う時にはグリフィンにラリイを、
頼もうかとも考えていたからだ。

「グリフィン。本当に助かります。実はいざと言う時は、貴方に
お願いしようかと考えていたんです。」
「そうでしたか!なら、遠慮なさらずに、我々にお任せ下さい!
絶対に、ラリイ様には、穏やかに快適に過ごして貰いますから!」
「あはは、グリフィン。そこまで言って貰えるなら、お言葉に甘えてお願いします。」

フェニックスは、早速ラリイをグリフィン達に預け、山岳に住む、
ペガサスや、人間の町中に暮らす幻獣や、それぞれに、子連れの
状態では辛い、仲間の連絡をスムーズに済ませていった。
そうして、あっという間に夜になってしまった。
フェニックスが、グリフィンの居る所に戻ると、ラリイは、
多くの古代鳥人族の女達に可愛がられていた。
ラリイは赤ちゃんではあるが、もうハーレム状態であった。

「あはは、ラリイ様ったら!お元気なんだから♪」
「ラリイ様!今度は、ぜひこっちに♪」
「ずるい!私もラリイ様を抱っこしたい!」

ラリイは、もう、古代鳥人族のあっちの女性、こっちの女性にと、
代わる代わる、目まぐるしく抱っこされている。
ラリイ的には、それが何かの遊びの様な感覚なのか、嫌がらずに、
きゃっきゃと喜んでいた。

「おやおや、ラリイはモテモテですね。」
「フェニックス様、お帰りなさいませ。」

帰って来たフェニックスにグリフィンが気づき、フェニックスに近づいて来た。
そして、フェニックスにラリイの報告をしてくれる。

「いやーラリイ様は本当にいい子ですな♪里の女達も、あの喜びようです。
誰が何の世話をするだの、大騒ぎでした。」
「そうですか、それは本当に助かります。ラリイには、母になる存在がいないので、
きっと今日の事は良い思い出になると思います。」
「なら、良かったです!あ、フェニックス様!今日はもう遅いので、
ぜひ、里にお泊り下さい。もう寝床も用意してありますゆえ。」
「グリフィン。何から何まで有難うございます。」
「いやー何、わしも、フェニックス様と、もっと話したいと思いましてな!」
「私もです。グリフィン。」

フェニックスはグリフィンの好意に甘え、ラリイと一緒に、
泊まることにした。
フェニックスがラリイとベッドに一緒に寝る頃には、ラリイは、
すっかり疲れたらしく、深い穏やかな眠りについていた。
この調子なら、朝まで起きそうにない。

「ふふふ。ラリイも今日は、いっぱい遊んで貰って疲れたのかな?
こんなにぐっすり寝てしまって♥可愛い寝顔ですね♥
今日でかなりの仲間に連絡と確認は出来たので、もう少しで
幻獣界に帰れますよ?♥ラリイ♥」

フェニックスは、ラリイの頬に軽くキスをした。お風呂に入れて貰えたのか、
ラリイからは石鹸の良い匂いもした。

「至れり尽くせりされましたねーラリイ♥これは、グリフィン達にしっかりお礼をせねば。
ラリイも、そう思いますよね?♥」

フェニックスはラリイと共に、幸せな夜を過ごした。
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