プロローグ
遠き昔、エンガイスと言う世界に存在する、幻獣フェニックスは、
人間には冷たい存在であった。
気高い精神と姿を持つ、フェニックスにとって、人間と言う存在は、
未熟で、愚かで、醜く、自分を戦いに利用しようとしてくる、
そんな害悪な存在でしかないと、思っていたのだ。
だが、ある時に出会った、1人の人間の男との暮らしで、
そうした考えと価値観を変えることになった。
大の大嫌いだったと思っていた人間の中にも、愛しいとさえ、
思える存在がいることを、フェニックスは、最後、親友にまで
なった、その人間の男に教えられたのである。
それから、フェニックスは、考え方を変え、幻獣バハムートらと
共に、幻獣界を作り、いいバランスを保ちつつ、人間と関わる
暮らしをしていこうと決めた。
自分の子として、生まれ変わった、親友のラリイの為に。
「きゃう!あう!!」
「どうしたんですか?何かありましたか?」
濃いピンクの髪に、髪の先は赤みを帯びた髪で、真紅の瞳をした、
赤ん坊を大事そうに、抱えたフェニックスは、息子のラリイの
言動を愛しそうに見守りながら、聞く。
もちろん、まだ赤ん坊なので、ラリイは答えられるわけがない。
「きゃきゃあ!あうぅうう!」
ラリイは、フェニックスの顔を見て、笑顔で無邪気に笑い返す。
その姿を見たフェニックスは、愛しそうな顔をして、
ラリイの頬を自分の頬でスリスリとした。
「ああーラリイ♥なんて可愛いんでしょうか♥将来はきっと、
私の後を継いで、この幻獣界を盛り上げてくれることでしょう♥
早く、貴方が喋ってくれるようになればいいのに♥ねぇ?ラリイ♥」
こんな感じで、最近のフェニックスは、すっかり親馬鹿も親馬鹿になっていた。
あの頃の冷たかった存在とは思えない程に。
これに一番驚いたのは、幻獣バハムートであった。
とある、仕事の場面に移動する。
「お前が、人間との間の子をこんなに可愛がるとは、俺も想像もしなかったわ。」
「そうですね。私も、ラリイに出会うまで、自分がこんなに
なるなんて、夢にも思っていませんでした。」
幻獣界にある、幻獣国の城の政務室で、バハムートとフェニックスは、仕事をしていた。
こうした仕事の際には、幻獣達は基本、小型な存在である、
人の姿になっていることが多い。
「俺よりも、人間が嫌いだった癖に、本当に変わったよな。お前。」
「そうですね。それより、バハムート。早く、そちらの書類確認して下さい。」
「へいへい。」
フェニックスは、仕事の時は至って真面目だ。バハムートの方が、
仕事をさぼったりするので、いつも困っているのは、フェニックスの方だった。
「オーディンが、幻獣界の全体の警護を引き受けてくれたおかげで、
かなり、幻獣界の治安も落ち着きました。
時々、魔物が迷い込むこともあるそうですが、まぁ、
あのオーディンの事ですから、何も問題ないでしょう。」
「そうだな。」
「それから、ラムウが、幻獣国にも魔法院を作りたいと言うので、
私は賛成なのですが、バハムートはどうですか?」
「俺も賛成する。そう伝えてくれ。」
「わかりました。では、後で使いの者に、許可が出された事を伝えます。」
フェニックスは、同じ役職にある、他の三大重臣の名前を出した。
オーディンは、幻獣界の防衛や何かの戦いなどの一切を、任された存在。
ラムウは、幻獣界での魔法関係の問題などの解決を任された存在。
そして、フェニックスは王であるバハムートの全面的なサポートをする存在である。
幻獣達において、幻獣界を守ると言う利害が一致さえすれば、それだけで問題ない。
お互いに権力争いなど無縁だ。人間達とは違って。
そういう風になったのも、最初に幻獣界を作った、バハムートと、
フェニックスの努力もあってなのだが。
「では、今日はこれで仕事は終わりでいいですね?」
「そうだな。これで終わりでいいだろう。」
「じゃあ!私は急いで帰りますので♪ラリイが待ってますから♪」
急に真面目な顔から、ご機嫌になるフェニックスに、未だにバハムートは慣れずに困惑する。
「お前・・・本当に変わったよな・・・」
そう呟いたが、もうすでにフェニックスはいなかった。
バハムートは呆れたが、それでも、人間と関わったおかげもあるのか、
最初は頑固で、自分の言う事にも、全く耳を貸さなかった、
あのフェニックスが、今では部下として、同志として一緒に
働いてくれることになったのは感謝していた。
「俺も会ってみたかったな、そのラリイとやらに・・・」
バハムートも良い意味でフェニックスに感化されていた。
人間には冷たい存在であった。
気高い精神と姿を持つ、フェニックスにとって、人間と言う存在は、
未熟で、愚かで、醜く、自分を戦いに利用しようとしてくる、
そんな害悪な存在でしかないと、思っていたのだ。
だが、ある時に出会った、1人の人間の男との暮らしで、
そうした考えと価値観を変えることになった。
大の大嫌いだったと思っていた人間の中にも、愛しいとさえ、
思える存在がいることを、フェニックスは、最後、親友にまで
なった、その人間の男に教えられたのである。
それから、フェニックスは、考え方を変え、幻獣バハムートらと
共に、幻獣界を作り、いいバランスを保ちつつ、人間と関わる
暮らしをしていこうと決めた。
自分の子として、生まれ変わった、親友のラリイの為に。
「きゃう!あう!!」
「どうしたんですか?何かありましたか?」
濃いピンクの髪に、髪の先は赤みを帯びた髪で、真紅の瞳をした、
赤ん坊を大事そうに、抱えたフェニックスは、息子のラリイの
言動を愛しそうに見守りながら、聞く。
もちろん、まだ赤ん坊なので、ラリイは答えられるわけがない。
「きゃきゃあ!あうぅうう!」
ラリイは、フェニックスの顔を見て、笑顔で無邪気に笑い返す。
その姿を見たフェニックスは、愛しそうな顔をして、
ラリイの頬を自分の頬でスリスリとした。
「ああーラリイ♥なんて可愛いんでしょうか♥将来はきっと、
私の後を継いで、この幻獣界を盛り上げてくれることでしょう♥
早く、貴方が喋ってくれるようになればいいのに♥ねぇ?ラリイ♥」
こんな感じで、最近のフェニックスは、すっかり親馬鹿も親馬鹿になっていた。
あの頃の冷たかった存在とは思えない程に。
これに一番驚いたのは、幻獣バハムートであった。
とある、仕事の場面に移動する。
「お前が、人間との間の子をこんなに可愛がるとは、俺も想像もしなかったわ。」
「そうですね。私も、ラリイに出会うまで、自分がこんなに
なるなんて、夢にも思っていませんでした。」
幻獣界にある、幻獣国の城の政務室で、バハムートとフェニックスは、仕事をしていた。
こうした仕事の際には、幻獣達は基本、小型な存在である、
人の姿になっていることが多い。
「俺よりも、人間が嫌いだった癖に、本当に変わったよな。お前。」
「そうですね。それより、バハムート。早く、そちらの書類確認して下さい。」
「へいへい。」
フェニックスは、仕事の時は至って真面目だ。バハムートの方が、
仕事をさぼったりするので、いつも困っているのは、フェニックスの方だった。
「オーディンが、幻獣界の全体の警護を引き受けてくれたおかげで、
かなり、幻獣界の治安も落ち着きました。
時々、魔物が迷い込むこともあるそうですが、まぁ、
あのオーディンの事ですから、何も問題ないでしょう。」
「そうだな。」
「それから、ラムウが、幻獣国にも魔法院を作りたいと言うので、
私は賛成なのですが、バハムートはどうですか?」
「俺も賛成する。そう伝えてくれ。」
「わかりました。では、後で使いの者に、許可が出された事を伝えます。」
フェニックスは、同じ役職にある、他の三大重臣の名前を出した。
オーディンは、幻獣界の防衛や何かの戦いなどの一切を、任された存在。
ラムウは、幻獣界での魔法関係の問題などの解決を任された存在。
そして、フェニックスは王であるバハムートの全面的なサポートをする存在である。
幻獣達において、幻獣界を守ると言う利害が一致さえすれば、それだけで問題ない。
お互いに権力争いなど無縁だ。人間達とは違って。
そういう風になったのも、最初に幻獣界を作った、バハムートと、
フェニックスの努力もあってなのだが。
「では、今日はこれで仕事は終わりでいいですね?」
「そうだな。これで終わりでいいだろう。」
「じゃあ!私は急いで帰りますので♪ラリイが待ってますから♪」
急に真面目な顔から、ご機嫌になるフェニックスに、未だにバハムートは慣れずに困惑する。
「お前・・・本当に変わったよな・・・」
そう呟いたが、もうすでにフェニックスはいなかった。
バハムートは呆れたが、それでも、人間と関わったおかげもあるのか、
最初は頑固で、自分の言う事にも、全く耳を貸さなかった、
あのフェニックスが、今では部下として、同志として一緒に
働いてくれることになったのは感謝していた。
「俺も会ってみたかったな、そのラリイとやらに・・・」
バハムートも良い意味でフェニックスに感化されていた。
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