第126話 あさがお
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少しずつ空が夕焼け色に染まる夕暮れ。
私は自室の障子を少しあけて空を眺めていた。
半助さんと夫婦になって、はや一月。
日中の勤務時間以外は、私がもともと使っていた部屋で二人一緒に暮らすようになっていた。
夜も朝も、共に過ごせる時間が多くなったことが嬉しかった。
半助さんは夫婦になっても変わらず優しく私を大切にしてくれて、それはもう生徒には見せられないような甘い日々が続いていた。
半助さんは夜中まで仕事をすることも多いので、私達の部屋には色んな資料や書類が置かれている。
「そろそろ休みましょ?」と私が体調を心配しても、彼は「もう少し」と困ったように笑うだけ。
…そういう頑張り屋さんなところも好きだけど。
私自身も頑張りすぎてしまう質だから気持ちも分かるけれど、でもやはり愛する半助さんの体が心配でしょうがない。
手伝おうとしても出来ない内容のことも多く、彼は「先に寝てて」と優しく頭を撫でてくれる。
そんなときは、せめて傍に居ようと近くに布団を敷いて眠りに落ちるまで彼を眺めていた。
蝋燭の灯りに揺らぐ影と、静かに聞こえる紙と筆の音。
半助さんはいつも姿勢よく正座していて、長い睫毛が影をおとす真剣な横顔はすごく凛々しく見惚れてしまう。
昼間の忍装束も素敵なんだけど、夜着で仕事をする姿もとても格好いい…というかむしろ艶っぽくてドキドキしてしまう。
夜着からのぞく逞しい腕、筆を持つ大きな手、ちらりと見える胸元、一つに結い上げた長い髪…。
私だけが眺めることのできる特別な姿。
仕事の邪魔をしてはいけないと思いつつ彼の膝に手を乗せてみると、半助さんはそっと手を重ねて「おやすみ」と微笑んでくれたりする。
そんな些細なやりとりが、すごく幸せだと思った。
そんな忙しい半助さんも、急ぎの仕事がなければ思う存分に愛でてくれて…。
昼間は教師然として凛々しく、ときに厳しくときに優しい半助さんが、私だけを見て私だけを愛してくれる時間。
甘えて寄り添えば望むままに可愛がってくれるし、彼が求めてくれれば私も全力でそれに応えた。
にやけながら幸せを噛みしめて髪を乾かしていると、トントンと障子を叩く音がした。
私は嬉々として櫛を置き、振り返る。
「おかえりなさい!」
「ただいま。」
部屋に入ってきたのは我が愛しの旦那様。
半助さんはにこりと微笑むと私を抱きしめた。
いつものようにおかえりなさいの口づけをして見つめ合う。
「お風呂から戻ったら半助さんの荷物が部屋にあったから、半助さんもお風呂かなって…帰ってくるの待ってました。今日は同じくらいの時間でしたね。」
「そうだな。」
微笑み合って抱きしめた腕に、彼の濡れた髪が触れた。
「髪、とかしますね?」
「ん」
そう言って私に背中を向ける半助さん。
彼の長い髪を乾かし手入れしながら、櫛の通りがよくなってきたと感じる。
「…まだ今からお仕事するんですか?」
「いや、今日は大丈夫。色々トラブルはあったけど、頑張って終わらせてきた。」
「見回り当番は?」
「ないよ。」
そう言ってまた私をぎゅうっと抱きしめる半助さん。
「…あー……癒される………」
小さく呟く彼の声に、そっと抱きしめ返す。
愛する半助さんの心安らぐ場所になることができているなら、とても嬉しい。
私の胸に顔を埋めて甘えてくる彼が、くぐもった声で囁く。
「……こうしたかった。」
私はゆっくり彼の背中を撫でて労った。
「お疲れ様です。」
ヨシヨシと撫でていると、半助さんが今度は私を自分の胸に抱きしめた。
「うん、お疲れ様。」
耳元に響く甘い声。
うっとりと陶酔して頬を擦り寄せた。
この一声で疲れが吹き飛ぶのだから本当にすごいと思う。
「じゃあ今日はゆっくり眠れますね。」
「…うん」
半助さんは曖昧に頷くと、私を抱きしめたまま布団に横たわった。
「…でも、寝る前に……昼間頑張ったご褒美が欲しい…」
「んん………ッ」
甘過ぎて幸せな日々。
毎日が語り尽くせないくらい本当に幸せで。
朝は半助さんの「おはよう」という優しい声で起きて、夜は「おやすみ」という甘い声で眠る。
「今が人生で一番幸せ。」って半助さんに言うと、彼は嬉しそうに笑った。
「私もこれ以上ないくらい幸せだけど、これからももっと色々楽しいことがあると思うよ。」
優しい眼差しでそう言って髪を撫でてくれた。
私も心からその通りだと思って笑顔で頷き微笑んだ。
私は自室の障子を少しあけて空を眺めていた。
半助さんと夫婦になって、はや一月。
日中の勤務時間以外は、私がもともと使っていた部屋で二人一緒に暮らすようになっていた。
夜も朝も、共に過ごせる時間が多くなったことが嬉しかった。
半助さんは夫婦になっても変わらず優しく私を大切にしてくれて、それはもう生徒には見せられないような甘い日々が続いていた。
半助さんは夜中まで仕事をすることも多いので、私達の部屋には色んな資料や書類が置かれている。
「そろそろ休みましょ?」と私が体調を心配しても、彼は「もう少し」と困ったように笑うだけ。
…そういう頑張り屋さんなところも好きだけど。
私自身も頑張りすぎてしまう質だから気持ちも分かるけれど、でもやはり愛する半助さんの体が心配でしょうがない。
手伝おうとしても出来ない内容のことも多く、彼は「先に寝てて」と優しく頭を撫でてくれる。
そんなときは、せめて傍に居ようと近くに布団を敷いて眠りに落ちるまで彼を眺めていた。
蝋燭の灯りに揺らぐ影と、静かに聞こえる紙と筆の音。
半助さんはいつも姿勢よく正座していて、長い睫毛が影をおとす真剣な横顔はすごく凛々しく見惚れてしまう。
昼間の忍装束も素敵なんだけど、夜着で仕事をする姿もとても格好いい…というかむしろ艶っぽくてドキドキしてしまう。
夜着からのぞく逞しい腕、筆を持つ大きな手、ちらりと見える胸元、一つに結い上げた長い髪…。
私だけが眺めることのできる特別な姿。
仕事の邪魔をしてはいけないと思いつつ彼の膝に手を乗せてみると、半助さんはそっと手を重ねて「おやすみ」と微笑んでくれたりする。
そんな些細なやりとりが、すごく幸せだと思った。
そんな忙しい半助さんも、急ぎの仕事がなければ思う存分に愛でてくれて…。
昼間は教師然として凛々しく、ときに厳しくときに優しい半助さんが、私だけを見て私だけを愛してくれる時間。
甘えて寄り添えば望むままに可愛がってくれるし、彼が求めてくれれば私も全力でそれに応えた。
にやけながら幸せを噛みしめて髪を乾かしていると、トントンと障子を叩く音がした。
私は嬉々として櫛を置き、振り返る。
「おかえりなさい!」
「ただいま。」
部屋に入ってきたのは我が愛しの旦那様。
半助さんはにこりと微笑むと私を抱きしめた。
いつものようにおかえりなさいの口づけをして見つめ合う。
「お風呂から戻ったら半助さんの荷物が部屋にあったから、半助さんもお風呂かなって…帰ってくるの待ってました。今日は同じくらいの時間でしたね。」
「そうだな。」
微笑み合って抱きしめた腕に、彼の濡れた髪が触れた。
「髪、とかしますね?」
「ん」
そう言って私に背中を向ける半助さん。
彼の長い髪を乾かし手入れしながら、櫛の通りがよくなってきたと感じる。
「…まだ今からお仕事するんですか?」
「いや、今日は大丈夫。色々トラブルはあったけど、頑張って終わらせてきた。」
「見回り当番は?」
「ないよ。」
そう言ってまた私をぎゅうっと抱きしめる半助さん。
「…あー……癒される………」
小さく呟く彼の声に、そっと抱きしめ返す。
愛する半助さんの心安らぐ場所になることができているなら、とても嬉しい。
私の胸に顔を埋めて甘えてくる彼が、くぐもった声で囁く。
「……こうしたかった。」
私はゆっくり彼の背中を撫でて労った。
「お疲れ様です。」
ヨシヨシと撫でていると、半助さんが今度は私を自分の胸に抱きしめた。
「うん、お疲れ様。」
耳元に響く甘い声。
うっとりと陶酔して頬を擦り寄せた。
この一声で疲れが吹き飛ぶのだから本当にすごいと思う。
「じゃあ今日はゆっくり眠れますね。」
「…うん」
半助さんは曖昧に頷くと、私を抱きしめたまま布団に横たわった。
「…でも、寝る前に……昼間頑張ったご褒美が欲しい…」
「んん………ッ」
甘過ぎて幸せな日々。
毎日が語り尽くせないくらい本当に幸せで。
朝は半助さんの「おはよう」という優しい声で起きて、夜は「おやすみ」という甘い声で眠る。
「今が人生で一番幸せ。」って半助さんに言うと、彼は嬉しそうに笑った。
「私もこれ以上ないくらい幸せだけど、これからももっと色々楽しいことがあると思うよ。」
優しい眼差しでそう言って髪を撫でてくれた。
私も心からその通りだと思って笑顔で頷き微笑んだ。
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