巻物ミッション②「何も聞かずに抱きしめて」(長編第1章)
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「父上…?」
利吉さんが思いっきり訝しげなひきつった表情を浮かべている。
「利吉さん…!」
なんというタイミングで現れるのですか貴方は…!!
「ほほ、誰にでも甘えたくなるときはあるものよ。利吉、あなたもハグしてあげま」
「結構です!」
山田先生が言い終わらないうちに利吉さんが遮る。
同時に伝子さんの腕から私を引き剥がした。
「たまみさん…一体何が…」
完全に当惑した利吉さんがこちらを見つめてくる。
私は手の甲を見た。
数字が「2」に減っている。
…給与のため…
……給与カットは厳しい…!
利吉さん、ごめんなさい………
私は利吉さんの袖を掴んで、かすれる声で言った。
「何も聞かずに抱きしめてください…」
「!」
利吉さんは目を見開いて、すぐに私を力強く抱きしめた。
耳元で利吉さんが甘く囁く。
「それは…私の気持ちに対する返事と受け取って…いいんですね?」
「えっ!?あ、あの…これは…!」
利吉さんが腕の力を緩めて、私の顔を見た。
「嬉しいです…たまみさん。」
ち、違うんですっ!そうじゃなくて…!
そう心では叫んでいたのに、利吉さんの真っ直ぐで妖艶な瞳に、まるで金縛りにあったかのように私は固まってしまった。
利吉さんが私の顎を指でそっと持ち上げる。
じっと見つめてくる鋭い瞳。
巻物のことは利吉さんには言えない…!
なんと説明をしたらいい…!?
言葉を出せずにいると、それを了承ととらえられたのか、利吉さんの顔が近づいてきた。
「たまみさん…」
「あ、ちょっと、待って…!」
私が慌てて抵抗しようとすると。
ヒュッ
私と利吉さんの間を何かが飛んでいった。
利吉さんが、飛んできた方角を睨み付ける。
私もつられてそちらを見ると…
利吉さんが思いっきり訝しげなひきつった表情を浮かべている。
「利吉さん…!」
なんというタイミングで現れるのですか貴方は…!!
「ほほ、誰にでも甘えたくなるときはあるものよ。利吉、あなたもハグしてあげま」
「結構です!」
山田先生が言い終わらないうちに利吉さんが遮る。
同時に伝子さんの腕から私を引き剥がした。
「たまみさん…一体何が…」
完全に当惑した利吉さんがこちらを見つめてくる。
私は手の甲を見た。
数字が「2」に減っている。
…給与のため…
……給与カットは厳しい…!
利吉さん、ごめんなさい………
私は利吉さんの袖を掴んで、かすれる声で言った。
「何も聞かずに抱きしめてください…」
「!」
利吉さんは目を見開いて、すぐに私を力強く抱きしめた。
耳元で利吉さんが甘く囁く。
「それは…私の気持ちに対する返事と受け取って…いいんですね?」
「えっ!?あ、あの…これは…!」
利吉さんが腕の力を緩めて、私の顔を見た。
「嬉しいです…たまみさん。」
ち、違うんですっ!そうじゃなくて…!
そう心では叫んでいたのに、利吉さんの真っ直ぐで妖艶な瞳に、まるで金縛りにあったかのように私は固まってしまった。
利吉さんが私の顎を指でそっと持ち上げる。
じっと見つめてくる鋭い瞳。
巻物のことは利吉さんには言えない…!
なんと説明をしたらいい…!?
言葉を出せずにいると、それを了承ととらえられたのか、利吉さんの顔が近づいてきた。
「たまみさん…」
「あ、ちょっと、待って…!」
私が慌てて抵抗しようとすると。
ヒュッ
私と利吉さんの間を何かが飛んでいった。
利吉さんが、飛んできた方角を睨み付ける。
私もつられてそちらを見ると…