巻物ミッション②「何も聞かずに抱きしめて」(長編第1章)
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廊下に一歩出た瞬間。
「何をきょろきょろしている?」
「や、山田先生っ!?」
完全に足音も気配も分からなかった。
いや、当たり前か…。
ど、どうしよう。
私はじっと山田先生を見た。
「な、なんだね?」
私のただならぬ視線に、山田先生はたじろいだ。
給与カットは困る…。
うん、困るな…仕方ない…。
「山田先生、お願いがあるのですが…」
「どうした?」
私は一呼吸おいて、意を決し口を開いた。
「伝子さんに、なってください。」
山田先生は驚いて目をしばたたかせていたが、一瞬の後に、
「あらん、私に何かご用?」
伝子さんに早変わりした。
インパクトのある濃いお顔をあまり見ないように俯いて、私は小声で言った。
「…何も聞かずに抱きしめてください…」
伝子さんは暫くじっとしていたが、ふわりと温かく抱きしめてくれた。
「あらあら、甘えたい気分になっちゃったのかしら。そんなときはいくらでも甘えてくれたらいいのよぉ。」
大きなごつごつした体なのに、何故か母親に抱きしめてもらっているような錯覚に陥り、不思議な感覚だった。
「な、何をされているんですか…!?」
後ろから声をかけられて、私はびくっと肩をならして振り返った。
「何をきょろきょろしている?」
「や、山田先生っ!?」
完全に足音も気配も分からなかった。
いや、当たり前か…。
ど、どうしよう。
私はじっと山田先生を見た。
「な、なんだね?」
私のただならぬ視線に、山田先生はたじろいだ。
給与カットは困る…。
うん、困るな…仕方ない…。
「山田先生、お願いがあるのですが…」
「どうした?」
私は一呼吸おいて、意を決し口を開いた。
「伝子さんに、なってください。」
山田先生は驚いて目をしばたたかせていたが、一瞬の後に、
「あらん、私に何かご用?」
伝子さんに早変わりした。
インパクトのある濃いお顔をあまり見ないように俯いて、私は小声で言った。
「…何も聞かずに抱きしめてください…」
伝子さんは暫くじっとしていたが、ふわりと温かく抱きしめてくれた。
「あらあら、甘えたい気分になっちゃったのかしら。そんなときはいくらでも甘えてくれたらいいのよぉ。」
大きなごつごつした体なのに、何故か母親に抱きしめてもらっているような錯覚に陥り、不思議な感覚だった。
「な、何をされているんですか…!?」
後ろから声をかけられて、私はびくっと肩をならして振り返った。