巻物ミッション①「◯◯しないと出られない部屋」(長編第1章)
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私は四の札を手に取り読み上げた。
「『互いに相手の好きなところを言う』…?」
どういうことだ。
部屋を出たくばこれを言えと…?
「…す、好きなところって。」
「……私は、土井先生の、好きなところ…沢山ありますよ。」
「え」
たまみさんは伏し目がちに頬を染め、胸に手を当てて言った。
「生徒想いで優しくて、強くていざとなったら頼もしくて、知的で背も高くて…、練り物が食べられないのも可愛いし、ほっぺがぷにっとしてるのも可愛いし、真剣な顔で本を読んでる顔もかっこいいし…チョークを持つ手も好きだし…」
どんどん顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかった。
たまみさんがそんな風に見てくれていたとは…。
彼女にだけ言わせる訳にもいかない。
たまみさんとの日々を思い出しながら…私は顔を背けて頬をかき一つ一つあげていった。
「わ、私もその…いつも何事も一生懸命に頑張ってるところとか、一緒にいて癒されるところとか、しっかりしているようで実はぬけているようなところとか、は組の良い子達を一緒に好きでいてくれるところとか、子どもと一緒になって遊んでいるところとか、……す、好きですよ。」
チラリとたまみさんを見てみる。
彼女は嬉しそうに笑っていた。
「土井先生もよく私のこと見てくれてるんですね。」
「そ、そりゃあ…まぁ。」
「嬉しいです…」
嬉しそうに微笑むたまみさん。
半ば無意識に、その頬に手を触れた。
「…そういう素直なところも……」
「土井先生…」
彼女の瞳が揺らめく。
そっと指で頬をなぞると、長い睫毛が心地よさそうに揺れた。
「たまみさん…」
二人の距離が縮まっていく。
そっと彼女の目が閉じられ、唇が重なろうとしたそのとき。
白い光に包まれて、目をあけるといつもの職員室に戻っていた。
「あ…!も、戻りましたね土井先生!」
「………。」
おいおいおい、いいところで…!
せめてもう少し後で戻してくれたらよかったのに…!
不満から思わずため息をついた瞬間。
「ね、土井先生。」
「ん?」
「…さっきのって、ホントですか?」
たまみさんが恥ずかしそうに指をもじもじさせながら、上目遣いで尋ねた。
私は眉をハの字にして…照れながら頷いたのだった。
「『互いに相手の好きなところを言う』…?」
どういうことだ。
部屋を出たくばこれを言えと…?
「…す、好きなところって。」
「……私は、土井先生の、好きなところ…沢山ありますよ。」
「え」
たまみさんは伏し目がちに頬を染め、胸に手を当てて言った。
「生徒想いで優しくて、強くていざとなったら頼もしくて、知的で背も高くて…、練り物が食べられないのも可愛いし、ほっぺがぷにっとしてるのも可愛いし、真剣な顔で本を読んでる顔もかっこいいし…チョークを持つ手も好きだし…」
どんどん顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかった。
たまみさんがそんな風に見てくれていたとは…。
彼女にだけ言わせる訳にもいかない。
たまみさんとの日々を思い出しながら…私は顔を背けて頬をかき一つ一つあげていった。
「わ、私もその…いつも何事も一生懸命に頑張ってるところとか、一緒にいて癒されるところとか、しっかりしているようで実はぬけているようなところとか、は組の良い子達を一緒に好きでいてくれるところとか、子どもと一緒になって遊んでいるところとか、……す、好きですよ。」
チラリとたまみさんを見てみる。
彼女は嬉しそうに笑っていた。
「土井先生もよく私のこと見てくれてるんですね。」
「そ、そりゃあ…まぁ。」
「嬉しいです…」
嬉しそうに微笑むたまみさん。
半ば無意識に、その頬に手を触れた。
「…そういう素直なところも……」
「土井先生…」
彼女の瞳が揺らめく。
そっと指で頬をなぞると、長い睫毛が心地よさそうに揺れた。
「たまみさん…」
二人の距離が縮まっていく。
そっと彼女の目が閉じられ、唇が重なろうとしたそのとき。
白い光に包まれて、目をあけるといつもの職員室に戻っていた。
「あ…!も、戻りましたね土井先生!」
「………。」
おいおいおい、いいところで…!
せめてもう少し後で戻してくれたらよかったのに…!
不満から思わずため息をついた瞬間。
「ね、土井先生。」
「ん?」
「…さっきのって、ホントですか?」
たまみさんが恥ずかしそうに指をもじもじさせながら、上目遣いで尋ねた。
私は眉をハの字にして…照れながら頷いたのだった。