巻物ミッション⑤「十五年後の土井先生再び」(長編第2章)
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ガラッ
勢いよく戸が開かれ、肩を揺らし息を切らしている土井先生が現れた。
「たまみっ…!」
「土井先生!」
土井先生が即座に私を抱えて未来の土井先生から離れるように飛び退いた。
「そんなに恐い顔しなくても、何もしてないよ。」
未来の土井先生が苦笑する。
「何をしに来た…!」
土井先生が睨み付けると、未来の土井先生は腰に手を当ててやれやれといった顔で笑った。
「机の上に巻物を置いてきただろう?いつものやつさ。」
「家の鍵がなくなってるからもしやと思って来てみたら…勝手に入るな!」
「誰かに見つかったら説明が面倒だったからな、すまんすまん。そんなに怒らなくてもいいじゃないか。」
はははと笑って謝る未来の土井先生。
土井先生は心配そうに私を覗きこんだ。
「たまみ、何もされなかったか?」
「は、はい…!」
土井先生はほっと安心して肩を撫で下ろした。
未来の自分なのに、そんなに心配してくれてたのかな。
「もっとたまみとの時間を大事に過ごしたらよかったと話してたんだ。前にここに来たとき、毎日たまみを愛でてやれとお前にも教えただろう?」
彼は土井先生をとても穏やかな目で見つめ諭すように言った。
「一年は組の担任をしてたら毎日忙しくて休む暇もないが、たまみとの時間もちゃんと作って大切にしてやってくれ。…いつまでも、二人で学園に居られるとも限らないんだから。」
「…どういう意味だ。」
「…それは二人で選んでいくことだから私は何も言わないでおくよ。…ただ、時間は有限で後戻りはできないのだから、…いま目の前にあるものをよく見て大事にしなさい。」
生徒に言い聞かせるような話し方。
やっぱり、土井先生はいつになっても土井先生なんだなぁと思った。
「…ほら、時間は有限だ。」
指差す先。
いつの間にか巻物が現れていて宙に浮いていた。
微かに光を帯びている。
「たまみ…また、会おう。」
未来の土井先生は優しく微笑んだ。
刹那、彼の周りが白く光りだす。
「あ……!」
私は咄嗟に手を伸ばそうとした。
その手を、土井先生が掴む。
土井先生は、真っ直ぐに未来の自分を見つめた。
未来の土井先生が穏やかに微笑み頷く。
そして次の瞬間、辺りが光に包まれて、次に目を開けたときには未来の土井先生の姿はなくなっていた。
「…………………。」
彼の居た場所を、じっと見つめた。
まるで最初から幻だったかのように跡形も無く消えて…でも、その声も感触もまだ残っていて。
何とも言えない喪失感のような気持ちが…
「帰ってほしくなかったのかい?」
「え?」
土井先生が不満げに私の顔を覗きこむ。
「私よりあっちの方がよかった?」
さっき私が伸ばしかけた腕をつかむ手に力が入る。
「どっちも土井先生なのに…焼きもちを焼いてくれてるんですか?」
私が笑うと、土井先生も苦笑いした。
「15年経てば私もああなるようだから、待っていてくれ。」
「大人の土井先生も素敵ですけど、私は今の土井先生も可愛くて大好きですよ。」
「可愛いとはなんだ!」
「ふふふ」
そう微笑んで、さっき言われたことを思い出した。
もっと甘えてわがままを言ってほしいと…。
私は土井先生の首に腕を回して耳元で囁いた。
「半助さん…」
肩がぴくりと動いた。
「今日はこのままここで…夕方まで二人で過ごしませんか?」
「たまみ…」
「もっと、半助さんに……」
言いかけて、やっぱり恥ずかしくて口をつぐむ。
すると、次の言葉を選んでいた私の唇を土井先生の唇がふさいだ。
「いいよ。」
唇が離れると土井先生は優しく微笑んだ。
「もっと…ここで、たまみと居たいな。」
「半助さん…」
「たまみ…愛してる…。」
また唇が重ねられて、すぐに深い口づけにかわった。
床にゆっくり押し倒されて、激しい口づけに何も考えられなくなる。
「んっ…ぅっ…!」
「たまみ…」
ここなら、誰にも邪魔されない…。
そう思ったとき。
じゃり、と砂を踏む音が聞こえた。
「「!」」
土井先生も私も驚いてその方向を見ると、玄関の戸が開けっぱなしになっていて、そこに隣のおばちゃんと大家さんが立っていた。
「なっ…!」
土井先生が慌てて起き上がると、二人はニヤニヤと赤い顔をしてこちらを見た。
「急に半助の家が光ったからまた何か爆発でもするんじゃないかと見に来たら…いやいや、半助、よかったな。」
大家さんが嬉しそうに言う。
「覗くつもりはなかったんだけどごめんなさいねぇ。半助、あんたいくら気が焦ってたとしても玄関くらいちゃんと閉めなさいよ。これだから男ってのは…!」
隣のおばちゃんが勘違いしてダメ出しをしてくる。
私も土井先生も真っ赤になって固まり、この事態をどう収拾したらいいのかと途方にくれたのだった。
勢いよく戸が開かれ、肩を揺らし息を切らしている土井先生が現れた。
「たまみっ…!」
「土井先生!」
土井先生が即座に私を抱えて未来の土井先生から離れるように飛び退いた。
「そんなに恐い顔しなくても、何もしてないよ。」
未来の土井先生が苦笑する。
「何をしに来た…!」
土井先生が睨み付けると、未来の土井先生は腰に手を当ててやれやれといった顔で笑った。
「机の上に巻物を置いてきただろう?いつものやつさ。」
「家の鍵がなくなってるからもしやと思って来てみたら…勝手に入るな!」
「誰かに見つかったら説明が面倒だったからな、すまんすまん。そんなに怒らなくてもいいじゃないか。」
はははと笑って謝る未来の土井先生。
土井先生は心配そうに私を覗きこんだ。
「たまみ、何もされなかったか?」
「は、はい…!」
土井先生はほっと安心して肩を撫で下ろした。
未来の自分なのに、そんなに心配してくれてたのかな。
「もっとたまみとの時間を大事に過ごしたらよかったと話してたんだ。前にここに来たとき、毎日たまみを愛でてやれとお前にも教えただろう?」
彼は土井先生をとても穏やかな目で見つめ諭すように言った。
「一年は組の担任をしてたら毎日忙しくて休む暇もないが、たまみとの時間もちゃんと作って大切にしてやってくれ。…いつまでも、二人で学園に居られるとも限らないんだから。」
「…どういう意味だ。」
「…それは二人で選んでいくことだから私は何も言わないでおくよ。…ただ、時間は有限で後戻りはできないのだから、…いま目の前にあるものをよく見て大事にしなさい。」
生徒に言い聞かせるような話し方。
やっぱり、土井先生はいつになっても土井先生なんだなぁと思った。
「…ほら、時間は有限だ。」
指差す先。
いつの間にか巻物が現れていて宙に浮いていた。
微かに光を帯びている。
「たまみ…また、会おう。」
未来の土井先生は優しく微笑んだ。
刹那、彼の周りが白く光りだす。
「あ……!」
私は咄嗟に手を伸ばそうとした。
その手を、土井先生が掴む。
土井先生は、真っ直ぐに未来の自分を見つめた。
未来の土井先生が穏やかに微笑み頷く。
そして次の瞬間、辺りが光に包まれて、次に目を開けたときには未来の土井先生の姿はなくなっていた。
「…………………。」
彼の居た場所を、じっと見つめた。
まるで最初から幻だったかのように跡形も無く消えて…でも、その声も感触もまだ残っていて。
何とも言えない喪失感のような気持ちが…
「帰ってほしくなかったのかい?」
「え?」
土井先生が不満げに私の顔を覗きこむ。
「私よりあっちの方がよかった?」
さっき私が伸ばしかけた腕をつかむ手に力が入る。
「どっちも土井先生なのに…焼きもちを焼いてくれてるんですか?」
私が笑うと、土井先生も苦笑いした。
「15年経てば私もああなるようだから、待っていてくれ。」
「大人の土井先生も素敵ですけど、私は今の土井先生も可愛くて大好きですよ。」
「可愛いとはなんだ!」
「ふふふ」
そう微笑んで、さっき言われたことを思い出した。
もっと甘えてわがままを言ってほしいと…。
私は土井先生の首に腕を回して耳元で囁いた。
「半助さん…」
肩がぴくりと動いた。
「今日はこのままここで…夕方まで二人で過ごしませんか?」
「たまみ…」
「もっと、半助さんに……」
言いかけて、やっぱり恥ずかしくて口をつぐむ。
すると、次の言葉を選んでいた私の唇を土井先生の唇がふさいだ。
「いいよ。」
唇が離れると土井先生は優しく微笑んだ。
「もっと…ここで、たまみと居たいな。」
「半助さん…」
「たまみ…愛してる…。」
また唇が重ねられて、すぐに深い口づけにかわった。
床にゆっくり押し倒されて、激しい口づけに何も考えられなくなる。
「んっ…ぅっ…!」
「たまみ…」
ここなら、誰にも邪魔されない…。
そう思ったとき。
じゃり、と砂を踏む音が聞こえた。
「「!」」
土井先生も私も驚いてその方向を見ると、玄関の戸が開けっぱなしになっていて、そこに隣のおばちゃんと大家さんが立っていた。
「なっ…!」
土井先生が慌てて起き上がると、二人はニヤニヤと赤い顔をしてこちらを見た。
「急に半助の家が光ったからまた何か爆発でもするんじゃないかと見に来たら…いやいや、半助、よかったな。」
大家さんが嬉しそうに言う。
「覗くつもりはなかったんだけどごめんなさいねぇ。半助、あんたいくら気が焦ってたとしても玄関くらいちゃんと閉めなさいよ。これだから男ってのは…!」
隣のおばちゃんが勘違いしてダメ出しをしてくる。
私も土井先生も真っ赤になって固まり、この事態をどう収拾したらいいのかと途方にくれたのだった。