巻物ミッション⑤「十五年後の土井先生再び」(長編第2章)
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「ここでいいかな?」
到着したのは土井先生の家。
「本当は景色のいいところに行きたかったんだけど、雨が降りそうな天気だし…。」
見上げると、確かに少し雲が出てきていた。
でも、ここは土井先生の家だけれど、未来の土井先生が勝手に入ってもいいのかな。
どっちも土井先生であることに違いはないのだからいいのだろうか。
私が迷っていると、土井先生は「ご近所さんに見つかると面倒だから」と、あっという間に鍵をあけて家のなかに入ってしまった。
仕方なく私も続いて中に入る。
「鍵、持ってたんですね。」
「ああ、さっき職員室から持ってきたんだ。あとで返しといてくれるかい?」
「えっ!勝手に持ち出していいんですか?」
「未来の自分なんだしいいだろう。」
苦笑する土井先生から鍵を受け取った。
あとで不機嫌そうな顔をする土井先生が目に浮かぶ…。
しかしもうどうしようもないので、とりあえず窓を少しあけて換気をし、土井先生に促されるまま隣に座った。
「…何か、聞きたい?」
土井先生は静かに聞いてきた。
聞きたいことはたくさんあるけれど、それが望む未来と違っていたらと思うと恐くて聞けない。
「…聞きたいけど、聞きたくないです…」
「そうか。まぁ、私の居てる未来がここにいるたまみ達の未来と同じかどうかも分からないしなぁ。」
土井先生は遠い目をした。
「15年、か…。長いようで、あっという間だったな。」
土井先生は私に向き直り真っ直ぐに見つめた。
「たまみには本当に…仕事もそれ以外も色々と助けてもらって感謝してる。私は仕事に追われてきみを大切にできていなかったんじゃないかと、今になって思うんだ。」
私は驚いて首を振った。
「そんな…!十分大切にしてもらってます…。私は、土井先生の隣に居られたらそれだけで…。」
「…たまみがそう言ってくれるから、私はいつも甘えてしまって…。」
土井先生が私を抱き寄せた。
大きくて温かい胸に閉じ込められ胸が高鳴る。
「もっと、わがままを言ってくれて構わないから…。」
「わがまま、ですか…?」
「うん…もっと、時間を作ってほしいとか。出かけたいとか。」
「でも…土井先生も忙しそうだし…。」
「だから言ってほしいんだ。私はそういうの疎いから…言われるまで気づかないかもしれない。…一年は組は手間がかかるけど、私はきみのためにも時間を使いたいんだ。」
土井先生は私をぎゅっときつく抱きしめた。
「もっと甘えてくれていいから…」
土井先生が私の頭を優しく撫でた。
愛しそうに髪に口づけられる。
「たまみに甘えられると嬉しいんだ。」
「そうなんですか…?」
「ああ。」
土井先生は穏やかに微笑んだ。
何だろう、この安心感。
ドキドキするのだけれど、どこか落ち着くというか。
これが大人の包容力というやつなのだろうか。
…少しだけ……。
私は土井先生の背中に腕を回して胸に頬を擦り寄せた。
土井先生が目を細めて嬉しそうに微笑む。
「かわいいな。」
土井先生は私の頭をゆっくりと撫でた。
何だかとても心地好くて、私は目を閉じて身を委ねた。
「…こんなに可愛いたまみを放って仕事ばかりしてるなんて、ほんとに勿体ないことをしてたな。」
土井先生が私の頬を撫でて顔をじっと見つめてきた。
その甘く優しい瞳に、思わず顔に熱が集まる。
「たまみはずっと可愛いままだけど、…今のこの可愛らしさはこのときだけのものなのに…。」
土井先生の瞳が熱を帯びる。
じっと見つめてくるその目に恥ずかしくなって、私は目を伏せた。
「こっち向いて…。」
囁く声に目をあげると、土井先生の穏やかながらどこか情熱的な眼差しに射抜かれた。
これが…大人の色気というやつなのか。
「…土井、先生……」
「…学園の外で二人のときは名前で呼ぶ約束だろう?」
「……半助さん…」
土井先生の大きな手が私の顔を上にあげた。
ゆっくりとその顔が近づく。
「だ…ダメ…!ど、土井先生は土井先生だけど、私の土井先生じゃ…!」
「…15年経ってるだけで、本人だよ?」
「で、でも…!」
「ね。名前を呼んで…。」
「……は…半助さん…」
土井先生が嬉しそうに微笑む。
そしてゆっくりと、その唇が近づき…。
そっとおでこに触れた。
「…今はこれで我慢しとこうかな。」
土井先生が玄関の方を見た。
「きみの半助が来たようだ。」
そう言うと土井先生は私を離してスッと立ち上がった。
到着したのは土井先生の家。
「本当は景色のいいところに行きたかったんだけど、雨が降りそうな天気だし…。」
見上げると、確かに少し雲が出てきていた。
でも、ここは土井先生の家だけれど、未来の土井先生が勝手に入ってもいいのかな。
どっちも土井先生であることに違いはないのだからいいのだろうか。
私が迷っていると、土井先生は「ご近所さんに見つかると面倒だから」と、あっという間に鍵をあけて家のなかに入ってしまった。
仕方なく私も続いて中に入る。
「鍵、持ってたんですね。」
「ああ、さっき職員室から持ってきたんだ。あとで返しといてくれるかい?」
「えっ!勝手に持ち出していいんですか?」
「未来の自分なんだしいいだろう。」
苦笑する土井先生から鍵を受け取った。
あとで不機嫌そうな顔をする土井先生が目に浮かぶ…。
しかしもうどうしようもないので、とりあえず窓を少しあけて換気をし、土井先生に促されるまま隣に座った。
「…何か、聞きたい?」
土井先生は静かに聞いてきた。
聞きたいことはたくさんあるけれど、それが望む未来と違っていたらと思うと恐くて聞けない。
「…聞きたいけど、聞きたくないです…」
「そうか。まぁ、私の居てる未来がここにいるたまみ達の未来と同じかどうかも分からないしなぁ。」
土井先生は遠い目をした。
「15年、か…。長いようで、あっという間だったな。」
土井先生は私に向き直り真っ直ぐに見つめた。
「たまみには本当に…仕事もそれ以外も色々と助けてもらって感謝してる。私は仕事に追われてきみを大切にできていなかったんじゃないかと、今になって思うんだ。」
私は驚いて首を振った。
「そんな…!十分大切にしてもらってます…。私は、土井先生の隣に居られたらそれだけで…。」
「…たまみがそう言ってくれるから、私はいつも甘えてしまって…。」
土井先生が私を抱き寄せた。
大きくて温かい胸に閉じ込められ胸が高鳴る。
「もっと、わがままを言ってくれて構わないから…。」
「わがまま、ですか…?」
「うん…もっと、時間を作ってほしいとか。出かけたいとか。」
「でも…土井先生も忙しそうだし…。」
「だから言ってほしいんだ。私はそういうの疎いから…言われるまで気づかないかもしれない。…一年は組は手間がかかるけど、私はきみのためにも時間を使いたいんだ。」
土井先生は私をぎゅっときつく抱きしめた。
「もっと甘えてくれていいから…」
土井先生が私の頭を優しく撫でた。
愛しそうに髪に口づけられる。
「たまみに甘えられると嬉しいんだ。」
「そうなんですか…?」
「ああ。」
土井先生は穏やかに微笑んだ。
何だろう、この安心感。
ドキドキするのだけれど、どこか落ち着くというか。
これが大人の包容力というやつなのだろうか。
…少しだけ……。
私は土井先生の背中に腕を回して胸に頬を擦り寄せた。
土井先生が目を細めて嬉しそうに微笑む。
「かわいいな。」
土井先生は私の頭をゆっくりと撫でた。
何だかとても心地好くて、私は目を閉じて身を委ねた。
「…こんなに可愛いたまみを放って仕事ばかりしてるなんて、ほんとに勿体ないことをしてたな。」
土井先生が私の頬を撫でて顔をじっと見つめてきた。
その甘く優しい瞳に、思わず顔に熱が集まる。
「たまみはずっと可愛いままだけど、…今のこの可愛らしさはこのときだけのものなのに…。」
土井先生の瞳が熱を帯びる。
じっと見つめてくるその目に恥ずかしくなって、私は目を伏せた。
「こっち向いて…。」
囁く声に目をあげると、土井先生の穏やかながらどこか情熱的な眼差しに射抜かれた。
これが…大人の色気というやつなのか。
「…土井、先生……」
「…学園の外で二人のときは名前で呼ぶ約束だろう?」
「……半助さん…」
土井先生の大きな手が私の顔を上にあげた。
ゆっくりとその顔が近づく。
「だ…ダメ…!ど、土井先生は土井先生だけど、私の土井先生じゃ…!」
「…15年経ってるだけで、本人だよ?」
「で、でも…!」
「ね。名前を呼んで…。」
「……は…半助さん…」
土井先生が嬉しそうに微笑む。
そしてゆっくりと、その唇が近づき…。
そっとおでこに触れた。
「…今はこれで我慢しとこうかな。」
土井先生が玄関の方を見た。
「きみの半助が来たようだ。」
そう言うと土井先生は私を離してスッと立ち上がった。