巻物ミッション④「十五年後の土井先生」(長編第1章)
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ある日の夕暮れ時。
土井先生と二人で書類整理をしていると、ぽんと音がして巻物が現れた。
「また出たな…!」
土井先生が立ち上がって巻物を手にする。
「『15年後の土井半助が現れる』…!?」
「えっ!?」
すると天井が白く光り、中から人影がシュッと降り立った。
見覚えのある薄い水色の小袖。
ボサボサの長い髪。
畳に手をつき綺麗に着地体勢をとる男性。
ゆっくりと顔をあげるとそれは…
「…土井…先生…?」
それは土井先生そっくりの40歳位の男性だった。
「…たまみ?」
男性は私を見ると驚いた顔をして固まった。
そして、まだ宙に浮いていた巻物を見て手に取り目を通した。
「あぁ…そういうことか。」
男性はさほど驚く様子もなく、巻物をくるくると巻くと無造作に土井先生の机に置いた。
そして私の顔をじっと見つめ穏やかに微笑んだ。
「迷惑な巻物だと思っていたけど…、こんな可愛いたまみにまた会えたんだから悪くないな。」
大人びて落ち着いた微笑み。
土井先生のお父様かと思うような渋く優しい雰囲気。
思わず口に手を当てて魅入ってしまった。
これが…土井先生の15年後?!
素敵すぎる…!!
さすが土井先生…何歳になってもカッコよすぎ…むしろ歳を重ねて落ち着いた渋みが…というか…今もいいけどこの大人な感じも…!
あまりの素敵さに息も忘れて固まった。
ドキドキしながら見ていると、男性がふっと優しく目を細め、その手が私の頬に伸びた。
「可愛いな…。」
ぱしっ
男性の手が私に触れる前に、土井先生がその手首をつかんだ。
「彼女に触るな。」
15年後の土井先生であろう男性を、土井先生が睨み付けている。
ちょっと複雑だけど、その光景に何とも言えない胸の高鳴りを感じた。
「ははっ、そう怒るな。少しくらいいいじゃないか。」
「彼女は…私のものだ。」
「…そうだな。……15年前か。あの頃は、色々やきもちをやいて大変だったな?」
男性が眉をハの字にして笑い、土井先生の頭をワシワシと撫でた。
土井先生は驚いて彼の手首を離すと私を背に隠した。
「あの…本当に土井先生なんですか?」
私がおそるおそる聞いてみると、男性は頷いた。
「そうだよ。…たまみにそう呼ばれるのも懐かしいな。」
穏やかに微笑む未来の土井先生。
笑顔の破壊力がすごい…!
私は心臓を押さえて深呼吸をした。
しかし、ふと疑問がわいた。
その土井先生の隣には、私がいるのだろうか?
私は15年後、この世界にいるのか……
………こわくて聞けない。
色々聞きたいことはあるけれど、答えがこわかった。
土井先生は、難しい顔をして未来の自分を睨んでいる。
「そんなにこわい顔をしなくていい。すぐに帰ることになるさ。」
「え?」
「ほら、巻物が光りだしただろ?」
彼が指差した先で、巻物が白く光り始めていた。
「…じゃあ、たまみ。また15年後に。ほんの一瞬だったけど、可愛い顔が見れて嬉しかった。」
そう言った刹那、彼は私の横にスッと来て頬に口づけした。
「なっ…!」
土井先生が怒って引き剥がそうとすると、今度は土井先生の耳元に顔を近づけて何かを耳打ちした。
土井先生の顔がすぐに真っ赤に染まり、彼はふっと柔らかく笑うと巻物の近くに寄った。
「今の私が君達の未来と同じかどうかは分からないけど…私は今しあわせだよ。自分達を信じて、進んでいくといい。」
未来の土井先生は優しく笑った。
それは私の大好きな土井先生の笑い方。
部屋がぱっと明るい光に包まれた。
思わず目を閉じ、次の瞬間には彼の姿は消えていた。
「……今の、本当に土井先生だったんでしょうか…?」
何故か彼は本物だと直感したけれど、信じられなくて土井先生にも聞いてみた。
「さぁ、どうでしょうね…。」
土井先生はまだ赤い顔をして横を向いていた。
一体何を言われたんだろう…。
「答えは…15年後にたまみさんの目で確かめてください。」
土井先生はゆっくりと私を抱きしめた。
それはつまり、ずっと傍にいてほしい…ととらえても…?
抱きしめる腕の力強さに、私は目を閉じて身を委ねた。
土井先生と二人で書類整理をしていると、ぽんと音がして巻物が現れた。
「また出たな…!」
土井先生が立ち上がって巻物を手にする。
「『15年後の土井半助が現れる』…!?」
「えっ!?」
すると天井が白く光り、中から人影がシュッと降り立った。
見覚えのある薄い水色の小袖。
ボサボサの長い髪。
畳に手をつき綺麗に着地体勢をとる男性。
ゆっくりと顔をあげるとそれは…
「…土井…先生…?」
それは土井先生そっくりの40歳位の男性だった。
「…たまみ?」
男性は私を見ると驚いた顔をして固まった。
そして、まだ宙に浮いていた巻物を見て手に取り目を通した。
「あぁ…そういうことか。」
男性はさほど驚く様子もなく、巻物をくるくると巻くと無造作に土井先生の机に置いた。
そして私の顔をじっと見つめ穏やかに微笑んだ。
「迷惑な巻物だと思っていたけど…、こんな可愛いたまみにまた会えたんだから悪くないな。」
大人びて落ち着いた微笑み。
土井先生のお父様かと思うような渋く優しい雰囲気。
思わず口に手を当てて魅入ってしまった。
これが…土井先生の15年後?!
素敵すぎる…!!
さすが土井先生…何歳になってもカッコよすぎ…むしろ歳を重ねて落ち着いた渋みが…というか…今もいいけどこの大人な感じも…!
あまりの素敵さに息も忘れて固まった。
ドキドキしながら見ていると、男性がふっと優しく目を細め、その手が私の頬に伸びた。
「可愛いな…。」
ぱしっ
男性の手が私に触れる前に、土井先生がその手首をつかんだ。
「彼女に触るな。」
15年後の土井先生であろう男性を、土井先生が睨み付けている。
ちょっと複雑だけど、その光景に何とも言えない胸の高鳴りを感じた。
「ははっ、そう怒るな。少しくらいいいじゃないか。」
「彼女は…私のものだ。」
「…そうだな。……15年前か。あの頃は、色々やきもちをやいて大変だったな?」
男性が眉をハの字にして笑い、土井先生の頭をワシワシと撫でた。
土井先生は驚いて彼の手首を離すと私を背に隠した。
「あの…本当に土井先生なんですか?」
私がおそるおそる聞いてみると、男性は頷いた。
「そうだよ。…たまみにそう呼ばれるのも懐かしいな。」
穏やかに微笑む未来の土井先生。
笑顔の破壊力がすごい…!
私は心臓を押さえて深呼吸をした。
しかし、ふと疑問がわいた。
その土井先生の隣には、私がいるのだろうか?
私は15年後、この世界にいるのか……
………こわくて聞けない。
色々聞きたいことはあるけれど、答えがこわかった。
土井先生は、難しい顔をして未来の自分を睨んでいる。
「そんなにこわい顔をしなくていい。すぐに帰ることになるさ。」
「え?」
「ほら、巻物が光りだしただろ?」
彼が指差した先で、巻物が白く光り始めていた。
「…じゃあ、たまみ。また15年後に。ほんの一瞬だったけど、可愛い顔が見れて嬉しかった。」
そう言った刹那、彼は私の横にスッと来て頬に口づけした。
「なっ…!」
土井先生が怒って引き剥がそうとすると、今度は土井先生の耳元に顔を近づけて何かを耳打ちした。
土井先生の顔がすぐに真っ赤に染まり、彼はふっと柔らかく笑うと巻物の近くに寄った。
「今の私が君達の未来と同じかどうかは分からないけど…私は今しあわせだよ。自分達を信じて、進んでいくといい。」
未来の土井先生は優しく笑った。
それは私の大好きな土井先生の笑い方。
部屋がぱっと明るい光に包まれた。
思わず目を閉じ、次の瞬間には彼の姿は消えていた。
「……今の、本当に土井先生だったんでしょうか…?」
何故か彼は本物だと直感したけれど、信じられなくて土井先生にも聞いてみた。
「さぁ、どうでしょうね…。」
土井先生はまだ赤い顔をして横を向いていた。
一体何を言われたんだろう…。
「答えは…15年後にたまみさんの目で確かめてください。」
土井先生はゆっくりと私を抱きしめた。
それはつまり、ずっと傍にいてほしい…ととらえても…?
抱きしめる腕の力強さに、私は目を閉じて身を委ねた。