巻物ミッション③「後ろからおもいっきり」(長編第1章)
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「土井先生、おかえりなさい」
「たまみさんっ…!!」
そこには、私の机でプリントを作っているたまみさんがいた。
「テストを作りかけで席を外すなんて珍しいなと思ったら、利吉さんと鬼ごっこしてたんですか?」
たまみさんがくすくすと笑ってこちらを見る。
「私は遠くから見たのですが…他の生徒達も、なんてレベルの高い鬼ごっこだ!って驚いてましたよ。」
楽しげに微笑む彼女。
ああ、ここにいたのがたまみさんでよかった…。
彼女ならば………。
巻物の指示にかこつけて彼女を抱きしめたい衝動にかられた。
強く抱いてそのまま……
ハッ!
いかん何を不埒な妄想を…!
ほら、たまみさんが不思議そうに私を見ているぞ…!
「どうかされたのですか?」
「ああ、いえ、これには色々と事情がありまして…」
「鬼ごっこで手裏剣を使うとかビックリしました。お怪我はないですか?」
「ええ、まぁ…。」
いい大人が鬼ごっこをしているところを見られていたとは…いや、あれだけ学園のなかを走り回っていたのだから当然か。
私は大きなため息をついてその場にしゃがみこんだ。
「お疲れですね。お茶入れましょうか。」
たまみさんがお茶の葉を取り出して、私の湯飲みに手を伸ばす。
その背に、先日の雷雨のなかで彼女を温めたことが急に思い出された。
白く冷たい華奢な背中。
柔らかく滑らかな足。
温めようと触れた肌は手に吸い付くような感触で…
あのときは、彼女が弱っていたから無理矢理考えないように気持ちをそらしたが、今目の前にいる彼女はもう元気なわけで…。
「!…ど、土井先生っ!?」
私は、後ろからたまみさんを両手できつく抱きしめた。
半ば無意識に心の内を呟くように耳元で囁く。
「…忘れられないんだ。」
「な、なっ、何がですか…!?」
「…………。」
あの日のきみの感触が、忘れられない。
触れた肌の温度、柔らかさ、匂い、弱々しい声…。
今でも鮮明に残っている。
だが、それを忘れられないと言うのは憚られて。
答えの代わりに、私はあのとき彼女が痛いと言っていた頭に口づけた。
…大きな怪我がなくて本当によかった。
「…私だって…」
たまみさんが私の腕に手を重ねて呟いた。
「私だって…忘れられません…。」
彼女は耳まで赤くなっていた。
…それ、は。
私と同じときのことを言っているのか。
たまみさんも、もしかして…
聞こうとしたとき、音もなく障子があいた。
見ると、山田先生がこちらを凝視し固まっている。
「半助…お前また昼間っから…。」
「山田先生!こ、これには訳がありまして…!」
私は二人に手の甲を見せた。
「また例の巻物が変な指令を出してきてですね…!今回は後ろから抱きしめるという内容でして!」
慌てて説明すると、山田先生とたまみさんはぽかんとして手の甲を見た。
「手がどうかしたのか?…何もないぞ?」
「えっ!?そんなはずは…!」
私は自分の手の甲を見て絶句した。
いつの間にか数字がなくなっている!
あ、3人抱きしめて課題に合格したから消えたのか!?
しかしこれでは、おでん回避のために利吉くんに追い回されるはめになったり、昼間っから職員室で彼女を抱きしめていたのだという説明ができないではないか…まぁ最後のはほとんど自分の意思でしていたのだが。
結局、その日は巻物がまた現れることはなく、私はまたしても山田先生にお説教をされることになってしまったのだった。
「たまみさんっ…!!」
そこには、私の机でプリントを作っているたまみさんがいた。
「テストを作りかけで席を外すなんて珍しいなと思ったら、利吉さんと鬼ごっこしてたんですか?」
たまみさんがくすくすと笑ってこちらを見る。
「私は遠くから見たのですが…他の生徒達も、なんてレベルの高い鬼ごっこだ!って驚いてましたよ。」
楽しげに微笑む彼女。
ああ、ここにいたのがたまみさんでよかった…。
彼女ならば………。
巻物の指示にかこつけて彼女を抱きしめたい衝動にかられた。
強く抱いてそのまま……
ハッ!
いかん何を不埒な妄想を…!
ほら、たまみさんが不思議そうに私を見ているぞ…!
「どうかされたのですか?」
「ああ、いえ、これには色々と事情がありまして…」
「鬼ごっこで手裏剣を使うとかビックリしました。お怪我はないですか?」
「ええ、まぁ…。」
いい大人が鬼ごっこをしているところを見られていたとは…いや、あれだけ学園のなかを走り回っていたのだから当然か。
私は大きなため息をついてその場にしゃがみこんだ。
「お疲れですね。お茶入れましょうか。」
たまみさんがお茶の葉を取り出して、私の湯飲みに手を伸ばす。
その背に、先日の雷雨のなかで彼女を温めたことが急に思い出された。
白く冷たい華奢な背中。
柔らかく滑らかな足。
温めようと触れた肌は手に吸い付くような感触で…
あのときは、彼女が弱っていたから無理矢理考えないように気持ちをそらしたが、今目の前にいる彼女はもう元気なわけで…。
「!…ど、土井先生っ!?」
私は、後ろからたまみさんを両手できつく抱きしめた。
半ば無意識に心の内を呟くように耳元で囁く。
「…忘れられないんだ。」
「な、なっ、何がですか…!?」
「…………。」
あの日のきみの感触が、忘れられない。
触れた肌の温度、柔らかさ、匂い、弱々しい声…。
今でも鮮明に残っている。
だが、それを忘れられないと言うのは憚られて。
答えの代わりに、私はあのとき彼女が痛いと言っていた頭に口づけた。
…大きな怪我がなくて本当によかった。
「…私だって…」
たまみさんが私の腕に手を重ねて呟いた。
「私だって…忘れられません…。」
彼女は耳まで赤くなっていた。
…それ、は。
私と同じときのことを言っているのか。
たまみさんも、もしかして…
聞こうとしたとき、音もなく障子があいた。
見ると、山田先生がこちらを凝視し固まっている。
「半助…お前また昼間っから…。」
「山田先生!こ、これには訳がありまして…!」
私は二人に手の甲を見せた。
「また例の巻物が変な指令を出してきてですね…!今回は後ろから抱きしめるという内容でして!」
慌てて説明すると、山田先生とたまみさんはぽかんとして手の甲を見た。
「手がどうかしたのか?…何もないぞ?」
「えっ!?そんなはずは…!」
私は自分の手の甲を見て絶句した。
いつの間にか数字がなくなっている!
あ、3人抱きしめて課題に合格したから消えたのか!?
しかしこれでは、おでん回避のために利吉くんに追い回されるはめになったり、昼間っから職員室で彼女を抱きしめていたのだという説明ができないではないか…まぁ最後のはほとんど自分の意思でしていたのだが。
結局、その日は巻物がまた現れることはなく、私はまたしても山田先生にお説教をされることになってしまったのだった。