巻物ミッション③「後ろからおもいっきり」(長編第1章)
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「父上、いらっしゃいますか?」
利吉くん、なぜ今ここに…!
彼の背後を取るのは骨がおれそうだな…。
天井裏からいきなり飛びついても避けられるだろう。
私は大人しく部屋に降り立った。
「やぁ、利吉くん。」
「土井先生。どうかされたのですか?」
「いや、はは、何でもないよ。」
「?…そうですか。ところで父上は?」
「ん、ああ…すぐ戻ると思う。」
「ではここで待たせてもらってもいいですか?今回は母上から長~い伝言を預かってまして…。まったく、土井先生からも父上に家に帰るよう言ってやってくれませんか。」
「あ〜……そういえば、次の休みには帰ろうかなとか言っていたような。」
「えっ!本当ですか!?」
「ああ、そう手紙に書こうと仰っていたが…机の上にないかい?」
利吉君の目線が山田先生の机にうつった。
その瞬間を見逃さず、私は利吉くんの背後に跳び彼を後ろから抱きしめた。
「!」
すぐにパッと離した瞬間、利吉くんの肘が私めがけて飛んできた。
すんでのところでそれを避け、後ろに大きく飛び退いた。
「土井先生…なんのつもりですか?」
利吉くんは鋭い眼差しで睨んできた。
「いやぁ、はは、その…ちょっとふざけただけだから、気にしないで。」
笑ってごまかそうとすると、利吉くんの目に鋭さが増した。
「…子どもの頃はそうやってあなたと鬼ごっこをしましたが、今の私はもう簡単に捕まりはしませんよ。…今は不意討ちで不覚をとりましたが、なんなら私がどれほど成長したか、土井先生に見せてご覧にいれましょうか。」
丁寧な口調だが明らかに怒っていた。
そういえば、昔山田先生のお家でお世話になっていたとき、たまに利吉くんと鬼ごっこをしていたのを思い出した。
歳の差も体格差もあって当然負け続けた利吉くんは、むきになって何度も勝負を挑んできていたな…。
その度に私は利吉くんを後ろから抱き上げて捕まえたりしていた。
そのときと同じように子ども扱いされたと思ったのだろうか。
「いや、別に利吉くんを子ども扱いしたわけではなくて…」
言い訳しようとしたが、利吉くんはもう臨戦体勢に入っていた。
「では今度は私が鬼ですね。…土井先生、逃げなくていいのですか?」
利吉くんが手裏剣を構える。
おいおい、私は鬼ごっこでそんなもの使ったことはないぞ…!
「利吉くん、落ち着いて…!」
「…いきますよ。」
利吉くんの目は真剣だった。
これはどうにもならない!
私は手裏剣が飛んでくると同時に中庭に逃げた。
「逃がしませんよ!」
利吉くんが素早く追ってくる。
さすがフリーの売れっ子忍者。
可愛かった昔の面影はなく、鋭く的確に私の行く先へ先回りして捕まえようとしてくる。
その成長ぶりを嬉しく思いながら、しかし今はそれどころではない事情があったことを思い出す。
手の甲を見ると『1』となっていた。
あと一人…!
うっかり人を見てはまずいと思い、私は人の気配のない方へない方へと逃げていった。
「さすが土井先生…!中々捕まりませんね。」
利吉くんが好戦的な目で追いかけてくる。
まいったなぁ、今遊んでいる暇はないんだけどなぁ…。
しかしわざと捕まれば彼のプライドを傷つけるし、どうしたものか。
結局、利吉くんが次の仕事のために学園を出なくてはいけない時間になるまで私は追いかけ回されて、鬼ごっこは私の逃げ切り勝ちとなった。
「次こそは絶対勝ちますから!」
利吉くんは不機嫌そうにそう言って帰っていった。
その姿が子どもの頃と重ねられて、私はへとへとになりながらも懐かしいような気持ちになっていた。
そしてこの鬼ごっこの間、私は誰を見ることもないように人の気配がすれば目を閉じたり違う方向を見るように努めていた。
無事にここまで誰を見ることもなく、とりあえず自室まで戻ることができた自分を褒めてやりたい。
そう思い職員室の障子をあけると、そこには…
利吉くん、なぜ今ここに…!
彼の背後を取るのは骨がおれそうだな…。
天井裏からいきなり飛びついても避けられるだろう。
私は大人しく部屋に降り立った。
「やぁ、利吉くん。」
「土井先生。どうかされたのですか?」
「いや、はは、何でもないよ。」
「?…そうですか。ところで父上は?」
「ん、ああ…すぐ戻ると思う。」
「ではここで待たせてもらってもいいですか?今回は母上から長~い伝言を預かってまして…。まったく、土井先生からも父上に家に帰るよう言ってやってくれませんか。」
「あ〜……そういえば、次の休みには帰ろうかなとか言っていたような。」
「えっ!本当ですか!?」
「ああ、そう手紙に書こうと仰っていたが…机の上にないかい?」
利吉君の目線が山田先生の机にうつった。
その瞬間を見逃さず、私は利吉くんの背後に跳び彼を後ろから抱きしめた。
「!」
すぐにパッと離した瞬間、利吉くんの肘が私めがけて飛んできた。
すんでのところでそれを避け、後ろに大きく飛び退いた。
「土井先生…なんのつもりですか?」
利吉くんは鋭い眼差しで睨んできた。
「いやぁ、はは、その…ちょっとふざけただけだから、気にしないで。」
笑ってごまかそうとすると、利吉くんの目に鋭さが増した。
「…子どもの頃はそうやってあなたと鬼ごっこをしましたが、今の私はもう簡単に捕まりはしませんよ。…今は不意討ちで不覚をとりましたが、なんなら私がどれほど成長したか、土井先生に見せてご覧にいれましょうか。」
丁寧な口調だが明らかに怒っていた。
そういえば、昔山田先生のお家でお世話になっていたとき、たまに利吉くんと鬼ごっこをしていたのを思い出した。
歳の差も体格差もあって当然負け続けた利吉くんは、むきになって何度も勝負を挑んできていたな…。
その度に私は利吉くんを後ろから抱き上げて捕まえたりしていた。
そのときと同じように子ども扱いされたと思ったのだろうか。
「いや、別に利吉くんを子ども扱いしたわけではなくて…」
言い訳しようとしたが、利吉くんはもう臨戦体勢に入っていた。
「では今度は私が鬼ですね。…土井先生、逃げなくていいのですか?」
利吉くんが手裏剣を構える。
おいおい、私は鬼ごっこでそんなもの使ったことはないぞ…!
「利吉くん、落ち着いて…!」
「…いきますよ。」
利吉くんの目は真剣だった。
これはどうにもならない!
私は手裏剣が飛んでくると同時に中庭に逃げた。
「逃がしませんよ!」
利吉くんが素早く追ってくる。
さすがフリーの売れっ子忍者。
可愛かった昔の面影はなく、鋭く的確に私の行く先へ先回りして捕まえようとしてくる。
その成長ぶりを嬉しく思いながら、しかし今はそれどころではない事情があったことを思い出す。
手の甲を見ると『1』となっていた。
あと一人…!
うっかり人を見てはまずいと思い、私は人の気配のない方へない方へと逃げていった。
「さすが土井先生…!中々捕まりませんね。」
利吉くんが好戦的な目で追いかけてくる。
まいったなぁ、今遊んでいる暇はないんだけどなぁ…。
しかしわざと捕まれば彼のプライドを傷つけるし、どうしたものか。
結局、利吉くんが次の仕事のために学園を出なくてはいけない時間になるまで私は追いかけ回されて、鬼ごっこは私の逃げ切り勝ちとなった。
「次こそは絶対勝ちますから!」
利吉くんは不機嫌そうにそう言って帰っていった。
その姿が子どもの頃と重ねられて、私はへとへとになりながらも懐かしいような気持ちになっていた。
そしてこの鬼ごっこの間、私は誰を見ることもないように人の気配がすれば目を閉じたり違う方向を見るように努めていた。
無事にここまで誰を見ることもなく、とりあえず自室まで戻ることができた自分を褒めてやりたい。
そう思い職員室の障子をあけると、そこには…