巻物ミッション②「何も聞かずに抱きしめて」(長編第1章)
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「土井先生!」
そこには、土井先生が無表情で立っていた。
「こんな廊下で何をしているんだ利吉くん…」
「…なにって、今たまみさんの方から抱き」
「わああぁっ、ち、違うんですっ!これは、その…!」
私は利吉さんに手の甲を見せた。
数字が「1」になっている。
「その数字は…?」
「変な巻物が現れて…!」
説明しかけたとき、ぐいっと腕をひっぱられた。
土井先生が私をひっぱって職員室の方へ歩いていく。
「ど、土井先生…!?」
土井先生は無言で私を職員室へ押し込み、障子を閉めた。
「あ、あの…?」
「巻物のことは…きみが異世界から来たことは他言無用のはずですよね。」
その口調は静かだったけれど、土井先生の目は怒っていた。
いつもと雰囲気の違う土井先生に、言葉がうまく出てこない。
だから。
「…何も聞かずに…抱きしめてください。」
私は俯いて静かに呟いた。
土井先生は暫くこちらを見て動かなかった。
けれど、何も言わず、そっと抱きしめてくれた。
私がその胸に頬を寄せると、背に回された土井先生の腕に力がこもった。
ぎゅっときつく抱き寄せられて、私は目を閉じた。
ぽんっ
また空中に巻物が現れた。
土井先生がびっくりしてそれを手に取る。
「『任務達成。給与は守られた。』…?」
すると、私の手の甲の数字が0になり、パッと光って消えた。
「これは…?」
やっといつもの土井先生の顔になった。
私が安心してかくかくしかじかで…と説明をすると、土井先生はがっくりと項垂れた。
「すまない、とんだ勘違いを…。てっきり、きみが利吉くんに口説かれて、自分が異世界から来たことを話そうとしているのかと…。」
「いえ、誤解がとけてよかったです…。……でも、どうしてそれで土井先生が怒るんですか?」
土井先生は顔を赤くして横を向いた。
「…きみの秘密を知る男が増えるのが嫌だったんだ。」
私は驚いて土井先生を見上げた。
そんなことを考えていたなんて。
私は嬉しくて再び土井先生に抱きついた。
「…もう少し、このままでもいいですか?」
土井先生は少し微笑んで、何も言わずに抱きしめてくれた。
そこには、土井先生が無表情で立っていた。
「こんな廊下で何をしているんだ利吉くん…」
「…なにって、今たまみさんの方から抱き」
「わああぁっ、ち、違うんですっ!これは、その…!」
私は利吉さんに手の甲を見せた。
数字が「1」になっている。
「その数字は…?」
「変な巻物が現れて…!」
説明しかけたとき、ぐいっと腕をひっぱられた。
土井先生が私をひっぱって職員室の方へ歩いていく。
「ど、土井先生…!?」
土井先生は無言で私を職員室へ押し込み、障子を閉めた。
「あ、あの…?」
「巻物のことは…きみが異世界から来たことは他言無用のはずですよね。」
その口調は静かだったけれど、土井先生の目は怒っていた。
いつもと雰囲気の違う土井先生に、言葉がうまく出てこない。
だから。
「…何も聞かずに…抱きしめてください。」
私は俯いて静かに呟いた。
土井先生は暫くこちらを見て動かなかった。
けれど、何も言わず、そっと抱きしめてくれた。
私がその胸に頬を寄せると、背に回された土井先生の腕に力がこもった。
ぎゅっときつく抱き寄せられて、私は目を閉じた。
ぽんっ
また空中に巻物が現れた。
土井先生がびっくりしてそれを手に取る。
「『任務達成。給与は守られた。』…?」
すると、私の手の甲の数字が0になり、パッと光って消えた。
「これは…?」
やっといつもの土井先生の顔になった。
私が安心してかくかくしかじかで…と説明をすると、土井先生はがっくりと項垂れた。
「すまない、とんだ勘違いを…。てっきり、きみが利吉くんに口説かれて、自分が異世界から来たことを話そうとしているのかと…。」
「いえ、誤解がとけてよかったです…。……でも、どうしてそれで土井先生が怒るんですか?」
土井先生は顔を赤くして横を向いた。
「…きみの秘密を知る男が増えるのが嫌だったんだ。」
私は驚いて土井先生を見上げた。
そんなことを考えていたなんて。
私は嬉しくて再び土井先生に抱きついた。
「…もう少し、このままでもいいですか?」
土井先生は少し微笑んで、何も言わずに抱きしめてくれた。