第61話 温泉へ行こう
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職員室に戻ると、たまみが一人でプリント作りをしてくれていた。
「只今戻りました。」
「あ!おかえりなさい!お怪我はありませんでしたか?」
たまみがパッと顔をあげて寄ってきた。
私は後ろ手に障子を閉めて、周りに気配がないことを確認してから彼女を抱き寄せた。
「大丈夫。簡単な忍務だよ。」
「土井先生の大丈夫は本当に大丈夫なのか…心配になります。」
「ははは、すまない…。ほら、お土産もあるから。」
そう言って団子を見せると、たまみは子どものように嬉しそうに喜んだ。
「ここのお団子大好きです!ありがとうございます!!」
彼女にそのまま渡すと、包みからはらりと紙が落ちた。
「これは…?」
「あ、それは。」
さっきの温泉無料券だった。
「団子屋の福引きで当たったんだ。いつも手伝ってくれてたまみも疲れてるだろうし、一緒にどうかなって…。」
「いいんですか!?」
「ああ。次の休みに補習が終わったら行こうか。」
「はい!温泉行ってみたかったので楽しみです!」
嬉しそうに微笑むたまみの笑顔に、私も温かい気持ちになって微笑んだ。
数日後。
奇跡が起きた。
一年は組のテストがギリギリ補習にならないですむ点数だったのだ。
嬉し涙でテストの点数が霞んで見える…。
「テストどうでしたか?」
後ろからたまみが覗いてくる。
「それが、みんなよく頑張っていてギリギリ補習しなくても大丈夫なんだよ…!」
「そうですか…!頑張ったかいがありました!!」
「え?」
「実は、ちょっと前から夕方に少しずつ皆で勉強会をしてたんです。それがようやく点数に結び付いてきたんですね…。褒めてあげてください…!」
知らなかった。
たまみだって忙しいだろうに、生徒達の為にそこまでしてくれていたのか…。
「ありがとう…!たまみも忙しいのに、あいつらの為に時間を作ってくれてたんだな。」
「私自身の勉強にもなりますから…補習がなくなって一緒に過ごせる時間が増えるのも嬉しいですし。」
たまみが照れたように笑った。
またそんな可愛いことを…。
ここが職員室であることをつい忘れて、たまみの腕を引いて抱き寄せた。
その晩。
きり丸が私のところへやってきた。
「土井先生、次の休みの補習なくなりましたけど、その日何か用事とかありますか?」
またバイトの手伝いだろうか。
きり丸には悪いが、あの券には有効期限があって次の休みがギリギリなのだ。
手伝いはまた今度にしてもらおう…。
「ああ、すまんがその日は諸用が…」
「そうですか、分かりました…。」
きり丸が残念そうに肩を落として部屋に戻っていく。
すまん、きり丸…!
また今度手伝ってやるからな…!
悪いことをしたなときり丸の後ろ姿を見送りながら、今回だけはちょっと許してくれと心のなかで謝ったのだった。
「只今戻りました。」
「あ!おかえりなさい!お怪我はありませんでしたか?」
たまみがパッと顔をあげて寄ってきた。
私は後ろ手に障子を閉めて、周りに気配がないことを確認してから彼女を抱き寄せた。
「大丈夫。簡単な忍務だよ。」
「土井先生の大丈夫は本当に大丈夫なのか…心配になります。」
「ははは、すまない…。ほら、お土産もあるから。」
そう言って団子を見せると、たまみは子どものように嬉しそうに喜んだ。
「ここのお団子大好きです!ありがとうございます!!」
彼女にそのまま渡すと、包みからはらりと紙が落ちた。
「これは…?」
「あ、それは。」
さっきの温泉無料券だった。
「団子屋の福引きで当たったんだ。いつも手伝ってくれてたまみも疲れてるだろうし、一緒にどうかなって…。」
「いいんですか!?」
「ああ。次の休みに補習が終わったら行こうか。」
「はい!温泉行ってみたかったので楽しみです!」
嬉しそうに微笑むたまみの笑顔に、私も温かい気持ちになって微笑んだ。
数日後。
奇跡が起きた。
一年は組のテストがギリギリ補習にならないですむ点数だったのだ。
嬉し涙でテストの点数が霞んで見える…。
「テストどうでしたか?」
後ろからたまみが覗いてくる。
「それが、みんなよく頑張っていてギリギリ補習しなくても大丈夫なんだよ…!」
「そうですか…!頑張ったかいがありました!!」
「え?」
「実は、ちょっと前から夕方に少しずつ皆で勉強会をしてたんです。それがようやく点数に結び付いてきたんですね…。褒めてあげてください…!」
知らなかった。
たまみだって忙しいだろうに、生徒達の為にそこまでしてくれていたのか…。
「ありがとう…!たまみも忙しいのに、あいつらの為に時間を作ってくれてたんだな。」
「私自身の勉強にもなりますから…補習がなくなって一緒に過ごせる時間が増えるのも嬉しいですし。」
たまみが照れたように笑った。
またそんな可愛いことを…。
ここが職員室であることをつい忘れて、たまみの腕を引いて抱き寄せた。
その晩。
きり丸が私のところへやってきた。
「土井先生、次の休みの補習なくなりましたけど、その日何か用事とかありますか?」
またバイトの手伝いだろうか。
きり丸には悪いが、あの券には有効期限があって次の休みがギリギリなのだ。
手伝いはまた今度にしてもらおう…。
「ああ、すまんがその日は諸用が…」
「そうですか、分かりました…。」
きり丸が残念そうに肩を落として部屋に戻っていく。
すまん、きり丸…!
また今度手伝ってやるからな…!
悪いことをしたなときり丸の後ろ姿を見送りながら、今回だけはちょっと許してくれと心のなかで謝ったのだった。