第59話 トランプ
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とある午後。
たまみさんに作業を手伝ってもらおうとその姿を探すも中々見つからない。
何処へ行ったのかと忍たま長屋を歩いていると…。
「あははっ!」
楽しそうな彼女の声。
乱太郎達の部屋からだ。
何をしているのかとそっと戸の隙間から覗いてみると、たまみさんと乱太郎、きり丸、シンベヱの四人が円座を組んで何やら遊んでいるようだった。
ガラッ
「随分楽しそうだな。」
「「「「土井先生!」」」」
四人が一斉にこちらを振り返る。
その手にはトランプが握られていた。
「今ちょっと誘われてトランプしてたんです。」
たまみさんが悪戯の見つかった子どものようにテヘヘと笑う。
「たまみさん、ババ抜きすっごく強いんですよ~これで10連勝!」
「意外な特技ですよねー。あ、土井先生も一緒にやりませんか?」
「また今度な。ちょっと頼みたい仕事があるからたまみさんを借りていくぞ。」
「「「え~勝ち逃げ~!?」」」
三人が不服そうな顔をしたが、たまみさんは「ごめん、またね。」と立ち上がりこちらへ来た。
そのまま二人で職員室に向かう。
「たまみさん、ババ抜き得意なんですか?」
確かに意外だった。
熊に遭遇したりサソリに刺されそうになったり、どちらかというと運が悪そうな彼女が…しかも素直でわりと顔に出やすい彼女が、ババ抜きを得意とするとはにわかに信じられなかった。
「あの三人は顔にすぐ出るから分かりやすいんですよ。大体は乱太郎くんがババを持つところからスタートしますし。」
たまみさんが「土井先生もまた一緒にやりましょう。」とクスクス笑った。
なるほど、補佐としてずっとあいつらの様子を見ているからその表情の変化にも鋭くなっているのか。
「いいですけど、私は強いですよ?」
私が笑って冗談を言いながら職員室に入ると、たまみさんは「ふふっ、強そうですねぇ。」と嬉しそうに微笑んだ。
机の前に座って明日使うプリントを人数分複写する作業をお願いする。
たまみさんはもう手慣れてきたもので、さらさらと筆を走らせてくれた。
暫くすると、何やら廊下から言い合う声が聞こえてくる。
「だから、今は仕事が溜まっていて帰れないと言ってるだろう。」
「いつもそればかりじゃないですか。母上に小言を言われ続ける私の身にもなってください。」
いつものやり取りだなと聞いていると職員室の障子が開けられて山田先生と利吉くんが入ってきた。
「やぁ利吉くん。怪我の具合はどうだい?」
「土井先生、ありがとうございます。もうすっかり治りました。たまみさんも、その節はありがとうございました。」
「利吉さん、無事に治ってよかったです。忍装束、繕ってあるのですぐに持ってきますね。」
たまみさんは自室へ行きすぐこちらに戻ってきた。
「はい、なるべく分かりにくいように縫ったのですが…こんな感じでいいですか?」
「すごく綺麗に直してくれたんですね…ありがとうございます。このお礼はまた改めてします。」
たまみさんが利吉くんの忍装束を…?
預かっていたなんて聞いてないぞ。
利吉くん、随分嬉しそうじゃないか…。
お礼ってなんだ何をするつもりだ。
「で、父上。次の休みこそは…」
「お前もしつこいなぁ。無理だと言ってるだろう。」
また親子喧嘩が始まりそうな雰囲気。
するとたまみさんがパンッと手を叩いた。
「トランプで、決めませんか?」
「「「え?」」」
「ババ抜きで山田先生が負けたら次のお休みにご実家へ。利吉さんが負けたら今回は諦めるということで。」
何を言い出すのかと思ったが、山田先生と利吉くんは同時にニヤリとした。
親子だけあってリアクションが同じだ…。
「いいだろう。利吉、これですっぱり諦めるんだぞ。」
「ふっ、父上こそ男に二言はありませんね?後でやっぱりまだ仕事がとか言わないでくださいよ。」
「じゃあちょっとトランプ借りてきます。」
たまみさんがウキウキと職員室を出た。
完全に楽しんでるな…。
彼女はすぐに戻ってきてカードをきり始めた。
「土井先生とたまみさんが負けたらどうするんですか?」
「半助、お前はわしの味方だよな…?」
山田先生が物っ凄い圧をかけてくる。
私は頭をかきながら苦笑いして「はい…」と頷くしかなかった。
「では、たまみさんは私の味方ということで。」
利吉くんがこれまた嬉しそうに、私にこれみよがしにニヤリと笑いかけてくる。
くっ…。
だがしかしここは山田先生の味方についておくしかない。
私はしぶしぶ頷いた。
たまみさんが楽しげにカードを配り始める。
「じゃあ、山田先生か土井先生が負けたら山田先生は次の休みに帰省する。利吉さんか私が負けたら帰省はまた今度ってことですね。…ただ、それだけだと私と土井先生にメリットがないので…。」
ん?
何を言い出すんだ?
「それプラス、もし私が一番に抜けたら次の次の補習は山田先生がお一人で担当お願いします。私と土井先生はお休みってことで。」
「ほお。いいだろう。では、半助が勝ったらどうする?」
三人がこちらを見た。
「そうですね…。」
私もたまみさんと同じ条件にすれば、次の次の休みにたまみさんと二人で出掛けられる確率があがる…。
しかし、どうせならいっそ……。
私は別の条件を出すことにした。
「では、私が勝てば山田先生は次の休みに…補習が終わってからでいいので、この場の全員に甘味をご馳走してください。」
三人は意外そうな顔をした。
「わしは構わんが…。」
「私も構いませんよ。仕事は調整できると思います。」
「土井先生、私が甘味好きだからといってそんな…」
私はにこりと笑った。
「この条件がいいんです。…さあ、始めましょう。」
そして、四人は各自己のカードを手に持った。
たまみさんに作業を手伝ってもらおうとその姿を探すも中々見つからない。
何処へ行ったのかと忍たま長屋を歩いていると…。
「あははっ!」
楽しそうな彼女の声。
乱太郎達の部屋からだ。
何をしているのかとそっと戸の隙間から覗いてみると、たまみさんと乱太郎、きり丸、シンベヱの四人が円座を組んで何やら遊んでいるようだった。
ガラッ
「随分楽しそうだな。」
「「「「土井先生!」」」」
四人が一斉にこちらを振り返る。
その手にはトランプが握られていた。
「今ちょっと誘われてトランプしてたんです。」
たまみさんが悪戯の見つかった子どものようにテヘヘと笑う。
「たまみさん、ババ抜きすっごく強いんですよ~これで10連勝!」
「意外な特技ですよねー。あ、土井先生も一緒にやりませんか?」
「また今度な。ちょっと頼みたい仕事があるからたまみさんを借りていくぞ。」
「「「え~勝ち逃げ~!?」」」
三人が不服そうな顔をしたが、たまみさんは「ごめん、またね。」と立ち上がりこちらへ来た。
そのまま二人で職員室に向かう。
「たまみさん、ババ抜き得意なんですか?」
確かに意外だった。
熊に遭遇したりサソリに刺されそうになったり、どちらかというと運が悪そうな彼女が…しかも素直でわりと顔に出やすい彼女が、ババ抜きを得意とするとはにわかに信じられなかった。
「あの三人は顔にすぐ出るから分かりやすいんですよ。大体は乱太郎くんがババを持つところからスタートしますし。」
たまみさんが「土井先生もまた一緒にやりましょう。」とクスクス笑った。
なるほど、補佐としてずっとあいつらの様子を見ているからその表情の変化にも鋭くなっているのか。
「いいですけど、私は強いですよ?」
私が笑って冗談を言いながら職員室に入ると、たまみさんは「ふふっ、強そうですねぇ。」と嬉しそうに微笑んだ。
机の前に座って明日使うプリントを人数分複写する作業をお願いする。
たまみさんはもう手慣れてきたもので、さらさらと筆を走らせてくれた。
暫くすると、何やら廊下から言い合う声が聞こえてくる。
「だから、今は仕事が溜まっていて帰れないと言ってるだろう。」
「いつもそればかりじゃないですか。母上に小言を言われ続ける私の身にもなってください。」
いつものやり取りだなと聞いていると職員室の障子が開けられて山田先生と利吉くんが入ってきた。
「やぁ利吉くん。怪我の具合はどうだい?」
「土井先生、ありがとうございます。もうすっかり治りました。たまみさんも、その節はありがとうございました。」
「利吉さん、無事に治ってよかったです。忍装束、繕ってあるのですぐに持ってきますね。」
たまみさんは自室へ行きすぐこちらに戻ってきた。
「はい、なるべく分かりにくいように縫ったのですが…こんな感じでいいですか?」
「すごく綺麗に直してくれたんですね…ありがとうございます。このお礼はまた改めてします。」
たまみさんが利吉くんの忍装束を…?
預かっていたなんて聞いてないぞ。
利吉くん、随分嬉しそうじゃないか…。
お礼ってなんだ何をするつもりだ。
「で、父上。次の休みこそは…」
「お前もしつこいなぁ。無理だと言ってるだろう。」
また親子喧嘩が始まりそうな雰囲気。
するとたまみさんがパンッと手を叩いた。
「トランプで、決めませんか?」
「「「え?」」」
「ババ抜きで山田先生が負けたら次のお休みにご実家へ。利吉さんが負けたら今回は諦めるということで。」
何を言い出すのかと思ったが、山田先生と利吉くんは同時にニヤリとした。
親子だけあってリアクションが同じだ…。
「いいだろう。利吉、これですっぱり諦めるんだぞ。」
「ふっ、父上こそ男に二言はありませんね?後でやっぱりまだ仕事がとか言わないでくださいよ。」
「じゃあちょっとトランプ借りてきます。」
たまみさんがウキウキと職員室を出た。
完全に楽しんでるな…。
彼女はすぐに戻ってきてカードをきり始めた。
「土井先生とたまみさんが負けたらどうするんですか?」
「半助、お前はわしの味方だよな…?」
山田先生が物っ凄い圧をかけてくる。
私は頭をかきながら苦笑いして「はい…」と頷くしかなかった。
「では、たまみさんは私の味方ということで。」
利吉くんがこれまた嬉しそうに、私にこれみよがしにニヤリと笑いかけてくる。
くっ…。
だがしかしここは山田先生の味方についておくしかない。
私はしぶしぶ頷いた。
たまみさんが楽しげにカードを配り始める。
「じゃあ、山田先生か土井先生が負けたら山田先生は次の休みに帰省する。利吉さんか私が負けたら帰省はまた今度ってことですね。…ただ、それだけだと私と土井先生にメリットがないので…。」
ん?
何を言い出すんだ?
「それプラス、もし私が一番に抜けたら次の次の補習は山田先生がお一人で担当お願いします。私と土井先生はお休みってことで。」
「ほお。いいだろう。では、半助が勝ったらどうする?」
三人がこちらを見た。
「そうですね…。」
私もたまみさんと同じ条件にすれば、次の次の休みにたまみさんと二人で出掛けられる確率があがる…。
しかし、どうせならいっそ……。
私は別の条件を出すことにした。
「では、私が勝てば山田先生は次の休みに…補習が終わってからでいいので、この場の全員に甘味をご馳走してください。」
三人は意外そうな顔をした。
「わしは構わんが…。」
「私も構いませんよ。仕事は調整できると思います。」
「土井先生、私が甘味好きだからといってそんな…」
私はにこりと笑った。
「この条件がいいんです。…さあ、始めましょう。」
そして、四人は各自己のカードを手に持った。