第54話 ぬいぐるみ
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「利吉くんが私に?そんな訳ないだろう…」
土井先生は呆れ顔で言った。
「私もそんなはずないとは思ったんですけど、ぬいぐるみの胸に縫い付けてあるマークがどうしても気になりまして…。」
私はあははと笑ってごまかした。
「本当によくできた人形だな。素材も見たことないものだし、一体誰が何のために…。しかも投げ捨てられてるって…。」
土井先生がぬいぐるみを観察して、当惑しつつも感心したように言う。
利吉さんも首をかしげてそれを眺める。
「手がかりが少な過ぎて判断がつかないですね。町でその人形を見せながら聞き込みしていく手もありますが、私も仕事があるので調べる時間はありませんし…。」
「うーん、不思議ですねぇ。」
私はその自分の言葉にハッとした。
不思議。
…もしかして、このぬいぐるみは誰かが作って持ってたとかではなくて、私と同じようにひょんなきっかけでその存在が生み出されたのだとしたら…。
そういえば、この均一な縫い目は私がこの世界に来たときに着ていた服と似ている。
素材も、ここでは見たことないものだ。
「…あの。」
「ん?」
土井先生がぬいぐるみから目線を外して私を見た。
「これ、私が頂いてもいいですか?」
「構わないけど…。何も仕込まれている感じはないし。」
土井先生はいつものハの字眉で笑って頷いてくれた。
「まぁ、投げ捨てられた物なんですから、貰っても文句を言う人はいないでしょう。」
利吉さんが不機嫌そうに言い捨てた。
「おいおい利吉くん、その言い方はひどいな。」
「事実を述べたまでです。」
そして二人は暫く睨みあっていた。
結局、真相は分からないままとなったけれど、こうして土井先生のぬいぐるみは私の部屋の住人となったのだった。
その夜。
私は二つのぬいぐるみを枕元に並べてみた。
縫い付けられていた胸のマークは取り外し、私のものだと分かるように服の端っこにハートを刺繍してみた。
土井先生って、黒い忍装束も格好いいし普段の小袖姿も素敵だよねぇ。
二つのぬいぐるみを見比べながら一人でニヤニヤしてしまう。
ぎゅっと抱きしめてみると、土井先生を抱いてるみたいで何だかドキドキした。
「おやすみなさい、半助さん…。」
私は小声で呟き、小さな土井先生達を胸に抱きしめながら眠りについた。
土井先生は呆れ顔で言った。
「私もそんなはずないとは思ったんですけど、ぬいぐるみの胸に縫い付けてあるマークがどうしても気になりまして…。」
私はあははと笑ってごまかした。
「本当によくできた人形だな。素材も見たことないものだし、一体誰が何のために…。しかも投げ捨てられてるって…。」
土井先生がぬいぐるみを観察して、当惑しつつも感心したように言う。
利吉さんも首をかしげてそれを眺める。
「手がかりが少な過ぎて判断がつかないですね。町でその人形を見せながら聞き込みしていく手もありますが、私も仕事があるので調べる時間はありませんし…。」
「うーん、不思議ですねぇ。」
私はその自分の言葉にハッとした。
不思議。
…もしかして、このぬいぐるみは誰かが作って持ってたとかではなくて、私と同じようにひょんなきっかけでその存在が生み出されたのだとしたら…。
そういえば、この均一な縫い目は私がこの世界に来たときに着ていた服と似ている。
素材も、ここでは見たことないものだ。
「…あの。」
「ん?」
土井先生がぬいぐるみから目線を外して私を見た。
「これ、私が頂いてもいいですか?」
「構わないけど…。何も仕込まれている感じはないし。」
土井先生はいつものハの字眉で笑って頷いてくれた。
「まぁ、投げ捨てられた物なんですから、貰っても文句を言う人はいないでしょう。」
利吉さんが不機嫌そうに言い捨てた。
「おいおい利吉くん、その言い方はひどいな。」
「事実を述べたまでです。」
そして二人は暫く睨みあっていた。
結局、真相は分からないままとなったけれど、こうして土井先生のぬいぐるみは私の部屋の住人となったのだった。
その夜。
私は二つのぬいぐるみを枕元に並べてみた。
縫い付けられていた胸のマークは取り外し、私のものだと分かるように服の端っこにハートを刺繍してみた。
土井先生って、黒い忍装束も格好いいし普段の小袖姿も素敵だよねぇ。
二つのぬいぐるみを見比べながら一人でニヤニヤしてしまう。
ぎゅっと抱きしめてみると、土井先生を抱いてるみたいで何だかドキドキした。
「おやすみなさい、半助さん…。」
私は小声で呟き、小さな土井先生達を胸に抱きしめながら眠りについた。