第61.5話 温泉へ行こう(山田利吉視点)
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
全員が食べ終わり、私は忍術学園へ行く理由もなくなったので少し早いが次の仕事へ向かおうとした。
すると、たまみさんが心配そうに話しかけてきた。
「利吉さん、大丈夫ですか?」
「え?」
「何だか、お疲れのように見えたので…どこか体調が悪いとかではないですか?」
こちらを気遣う優しい眼差し。
疲れを見せたつもりはなかったのだが…。
私は幾分声を和らげ苦笑しながら答えた。
「昨日はちゃんとした食事をとれなかったので。体調は大丈夫ですよ。」
「…お忙しいと思いますけど、できるだけちゃんと食べてくださいね…忍術学園に来てくれたら何時でもご飯作りますから…。」
「…………何時でも…?」
「はい。食堂のあいてない時間でも簡単なものでよければ作れますので、遠慮なく来てください。」
「………私の為だけに、わざわざ、作ってくれるのですか?」
「?はい、勿論です。」
心配そうに見上げてくるたまみさん。
他意はない。
そう、他意はないのは分かっている。
しかし、その言葉が、その気持ちが嬉しくて。
ちらりと土井先生を見ると、不満そうな複雑な顔をしていた。
「…では、この仕事が終わったらまた貴女のもとへ戻ってきます。」
「えっ?」
私はそう言うとたまみさんの手をとり、その甲に口付けた。
たまみさんが驚いて固まり、土井先生が目を吊り上げて割って入ろうとする。
彼が近づく前に私はひょいと後ろに跳んでたまみさんに微笑んだ。
「ではまた。…土井先生、ご馳走さまでした。」
フッと笑って挨拶すると、土井先生は苛立たし気に唸ったあとため息をつき、よく目にする苦笑いをうかべた。
「…気をつけて行くんだよ。」
先刻あれだけなじられたのに、仕事に行く私の身を案じてそう言う土井先生。
…土井先生らしいな。
私はくるりと踵をかえした。
今回はたまみさんのご飯を食べ損ねたが、また次の機会の楽しみにしておこう。
そして彼女が先程美味しそうに食事していた顔を思い出す。
…可愛いかったな。
私は今朝までの疲れはどこかへ消えてしまったかのような軽い足取りで次の仕事に向かった。
すると、たまみさんが心配そうに話しかけてきた。
「利吉さん、大丈夫ですか?」
「え?」
「何だか、お疲れのように見えたので…どこか体調が悪いとかではないですか?」
こちらを気遣う優しい眼差し。
疲れを見せたつもりはなかったのだが…。
私は幾分声を和らげ苦笑しながら答えた。
「昨日はちゃんとした食事をとれなかったので。体調は大丈夫ですよ。」
「…お忙しいと思いますけど、できるだけちゃんと食べてくださいね…忍術学園に来てくれたら何時でもご飯作りますから…。」
「…………何時でも…?」
「はい。食堂のあいてない時間でも簡単なものでよければ作れますので、遠慮なく来てください。」
「………私の為だけに、わざわざ、作ってくれるのですか?」
「?はい、勿論です。」
心配そうに見上げてくるたまみさん。
他意はない。
そう、他意はないのは分かっている。
しかし、その言葉が、その気持ちが嬉しくて。
ちらりと土井先生を見ると、不満そうな複雑な顔をしていた。
「…では、この仕事が終わったらまた貴女のもとへ戻ってきます。」
「えっ?」
私はそう言うとたまみさんの手をとり、その甲に口付けた。
たまみさんが驚いて固まり、土井先生が目を吊り上げて割って入ろうとする。
彼が近づく前に私はひょいと後ろに跳んでたまみさんに微笑んだ。
「ではまた。…土井先生、ご馳走さまでした。」
フッと笑って挨拶すると、土井先生は苛立たし気に唸ったあとため息をつき、よく目にする苦笑いをうかべた。
「…気をつけて行くんだよ。」
先刻あれだけなじられたのに、仕事に行く私の身を案じてそう言う土井先生。
…土井先生らしいな。
私はくるりと踵をかえした。
今回はたまみさんのご飯を食べ損ねたが、また次の機会の楽しみにしておこう。
そして彼女が先程美味しそうに食事していた顔を思い出す。
…可愛いかったな。
私は今朝までの疲れはどこかへ消えてしまったかのような軽い足取りで次の仕事に向かった。