第112話 風に揺れて
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(おまけ)
きり丸が無事に納品して帰ってこれるか気になり、つい後をつけた。
私の指示通り、木箱をひとつ盗まれてしまったと謝るきり丸。
依頼主の男は特に怒るでもなく、きり丸に怪我がなかったのならそれでいいと笑っていた。
一見いい人そうにも見えるが、手紙の変態的な印象が強すぎてそういう目で見てしまう。
普通にしていれば気のいい職人なのかもしれない。
まぁ、あれだな、色んな意味で人は見かけによらないというか、多面的な側面を持つものだな…うん。
チリン…
「いい音ですねぇ。」
依頼主が、ひとつきり丸に魔除けだと持って帰らせてくれた風鐸。
何にも知らないたまみは、風に揺れる風鐸を穏やかな顔で眺めていた。
真相を知っているのは私だけ…。
というか、こんな話だれにも言えない…。
夏の青空に響く簡素な鐘の音。
それは何とも複雑な音色だった…。
きり丸が無事に納品して帰ってこれるか気になり、つい後をつけた。
私の指示通り、木箱をひとつ盗まれてしまったと謝るきり丸。
依頼主の男は特に怒るでもなく、きり丸に怪我がなかったのならそれでいいと笑っていた。
一見いい人そうにも見えるが、手紙の変態的な印象が強すぎてそういう目で見てしまう。
普通にしていれば気のいい職人なのかもしれない。
まぁ、あれだな、色んな意味で人は見かけによらないというか、多面的な側面を持つものだな…うん。
チリン…
「いい音ですねぇ。」
依頼主が、ひとつきり丸に魔除けだと持って帰らせてくれた風鐸。
何にも知らないたまみは、風に揺れる風鐸を穏やかな顔で眺めていた。
真相を知っているのは私だけ…。
というか、こんな話だれにも言えない…。
夏の青空に響く簡素な鐘の音。
それは何とも複雑な音色だった…。