第109話 幽霊
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「幽霊が出たんだって!」
とある森の中で白い幽霊が目撃されたという噂があった。
夜、森の中を歩いていると白いものがフワフワと動いていたと。
その話はまたたくまに忍術学園全体に広がった。
そしてそれは当然、学園長先生の耳にも届き…
「よーし、みんなでその幽霊を捕まえようではないか!」
学園長先生の突然の思いつきに全生徒、教師がどよめいた。
「学園長先生、幽霊なんているわけが…」
山田先生が呆れてなだめようとしてくれたけれど、学園長先生は楽しそうに片目を閉じた。
「そうじゃな。わしもいないとは思う。」
「はぁ、では何故…?」
「夜は忍者のゴールデンタイム。幽霊を怖がるようではつとまらん!まぁもし見つかればそれはそれで面白いし、見つからなければ幽霊などいないという経験にもなるじゃろう。」
「そ、そうですかね…?」
「うむ!深夜の調査任務と思い心して探しなさい!」
こうして、全学年の各組がそれぞれ一晩ずつ交代で夜中調査へ出ることになった。
毎日生徒を見送り出迎える小松田さんは寝不足になり日中居眠りをしている。
そして結局、誰も幽霊を見つけることが出来ないまま今日に至った。
残念そうにする生徒や、涙ぐんでほっと一安心する生徒…。
斜堂先生と一年ろ組の生徒だけが、生き生きとして楽しそうに戻ってきた。
そして、今晩は一年は組の順番。
土井先生の号令で整列するよいこ達。
「よーし、みんな用意はいいか。今夜は満月で明るいが迷子にならないようしっかりついてくるんだぞ!」
みんな眠そうな目を擦りながらうとうとしている。
大丈夫かなぁ…。
「たまみさんも、決して私から離れないように。」
「はい。」
ありえないことに、なぜか私も一緒に行くことになっていた。
いつからか不運委員会の準メンバーかのように事件に巻き込まれる私。
トラブルメーカーの一年は組と一緒に行くと、もしかしたら本当に幽霊が出るかもしれないと……学園長先生が楽しげに仰ったのだ。
「本当に大丈夫かい?」
土井先生は私が行くことに反対していて、今も心配そうに私を見ていた。
「大丈夫ではありませんが…土井先生がいてくれたら、だいじょうぶです。」
夜の森は正直恐いけれど、お世話になっている学園長先生の指示とあれば行かないわけにはいかなかった。
くのいち教室のみんなも怖々ながら頑張って出たのだから、一年は組の一応補佐担当である私も頑張らなくては。
両手を握りしめると、山田先生が私の肩にぽんと手を乗せた。
「たまみくんは忍者を目指しているわけでもないし無理しなくていいんじゃないか。そこまで真面目に学園長先生の言う通りにしなくても…。」
その通りかもしれない。
でも…。
私は頑なに首を振った。
「いえ、お邪魔でなければお願いします。」
山田先生と土井先生は困ったように顔を見合わせたが、諦めたのか頷きあった。
「では私が先頭を行くから、土井先生はたまみくんと最後尾を。」
「はい。」
「よろしくお願いします…!」
こうして一年は組も噂の森へと出発した。
とある森の中で白い幽霊が目撃されたという噂があった。
夜、森の中を歩いていると白いものがフワフワと動いていたと。
その話はまたたくまに忍術学園全体に広がった。
そしてそれは当然、学園長先生の耳にも届き…
「よーし、みんなでその幽霊を捕まえようではないか!」
学園長先生の突然の思いつきに全生徒、教師がどよめいた。
「学園長先生、幽霊なんているわけが…」
山田先生が呆れてなだめようとしてくれたけれど、学園長先生は楽しそうに片目を閉じた。
「そうじゃな。わしもいないとは思う。」
「はぁ、では何故…?」
「夜は忍者のゴールデンタイム。幽霊を怖がるようではつとまらん!まぁもし見つかればそれはそれで面白いし、見つからなければ幽霊などいないという経験にもなるじゃろう。」
「そ、そうですかね…?」
「うむ!深夜の調査任務と思い心して探しなさい!」
こうして、全学年の各組がそれぞれ一晩ずつ交代で夜中調査へ出ることになった。
毎日生徒を見送り出迎える小松田さんは寝不足になり日中居眠りをしている。
そして結局、誰も幽霊を見つけることが出来ないまま今日に至った。
残念そうにする生徒や、涙ぐんでほっと一安心する生徒…。
斜堂先生と一年ろ組の生徒だけが、生き生きとして楽しそうに戻ってきた。
そして、今晩は一年は組の順番。
土井先生の号令で整列するよいこ達。
「よーし、みんな用意はいいか。今夜は満月で明るいが迷子にならないようしっかりついてくるんだぞ!」
みんな眠そうな目を擦りながらうとうとしている。
大丈夫かなぁ…。
「たまみさんも、決して私から離れないように。」
「はい。」
ありえないことに、なぜか私も一緒に行くことになっていた。
いつからか不運委員会の準メンバーかのように事件に巻き込まれる私。
トラブルメーカーの一年は組と一緒に行くと、もしかしたら本当に幽霊が出るかもしれないと……学園長先生が楽しげに仰ったのだ。
「本当に大丈夫かい?」
土井先生は私が行くことに反対していて、今も心配そうに私を見ていた。
「大丈夫ではありませんが…土井先生がいてくれたら、だいじょうぶです。」
夜の森は正直恐いけれど、お世話になっている学園長先生の指示とあれば行かないわけにはいかなかった。
くのいち教室のみんなも怖々ながら頑張って出たのだから、一年は組の一応補佐担当である私も頑張らなくては。
両手を握りしめると、山田先生が私の肩にぽんと手を乗せた。
「たまみくんは忍者を目指しているわけでもないし無理しなくていいんじゃないか。そこまで真面目に学園長先生の言う通りにしなくても…。」
その通りかもしれない。
でも…。
私は頑なに首を振った。
「いえ、お邪魔でなければお願いします。」
山田先生と土井先生は困ったように顔を見合わせたが、諦めたのか頷きあった。
「では私が先頭を行くから、土井先生はたまみくんと最後尾を。」
「はい。」
「よろしくお願いします…!」
こうして一年は組も噂の森へと出発した。