第103話 新雪
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数日後。
忍術学園もきっと雪がかなり積もっていると思い、たまみときり丸を連れて少し早く登園した。
案の定、まだ雪かきのされていない学園の中は厚く積もった雪に埋もれていて、少し歩くだけでも一苦労だった。
持参した鋤でたまみが歩きやすいように少し道を作ってから進んでいく。
「ここでこんなに積もっていたら、山田先生は雪が溶けるまで来れないんじゃないか。」
「そうですねぇ。大丈夫でしょうか。」
足をとられ歩くのがままならず、たまみときり丸が息をきらせてついてくる。
「とりあえず、まずはこの雪を何とかしないといけないな。」
「土井先生、あれ…」
たまみが先の方を指差した。
名前でなく土井先生と呼ばれたことに少し寂しさを覚えたが、ここはもう忍術学園なので仕方ない。
自分がまだ切り替えのできていなかったことに若干驚きつつ、指で示された方を見てみると。
「まだまだまだぁっ!!!」
「なんのこれしきっっ!!」
六年生達が雪のなかで激しく雪合戦をしていた。
同室の者同士で3組に別れて本気でやりあっている。
「先輩達、何で雪合戦なんかしてるんでしょう…?」
きり丸が呟くと、六年生が一斉にこちらに気がついて動きを止めた。
「あ、あけましておめでとうございます!土井先生達も一緒にやりますか~?」
笑顔で手を振る小平太。
文次郎がハッとした顔で雪だまを落とした。
「しまった!下級生が来る前に忍術学園の雪かきをしようとしてたのに、こいつらのせいでいつの間にか雪合戦を…!」
「こいつらのせいで、って、お前が先に喧嘩を売ってきたんだろうが!」
「何だとぉ!?そっちが先に…!」
「まぁまぁ二人とも、落ち着いて…。」
伊作が宥めようとしている横で、小平太が雪だまをポンポンと手の間で転がした。
「雪合戦もなかなか面白いな!雪かきとか細かいことは気にしないで続きをやろう!な、長次?」
「もそ…後輩達が来る前にと思っていたのに…きり丸がもう来てしまった…」
仙蔵が髪についた雪を振り払いながら立ち上がった。
「よし、とりあえず雪かきをしてからまた雪合戦に戻ろうじゃないか。文次郎もそれでいいな?」
「そうだな、ではひとまず休戦としようか。」
「仕方ない。ではここからは雪かき勝負…どっちが早く片付けるか勝負だ!」
「のぞむところだ!」
六年生達がわらわらと雪かきを始めようと動き出す。
「みんなありがとう。これだけの雪だから手伝ってもらえると助かるよ。」
「自主的に早く来てくれるなんてさすが六年生ですね。ありがとうございます。」
私とたまみが礼を言うと伊作が振り返って優しく答えた。
「数日前からの雪で、このままだと下級生が登園するのも大変かと思ってみんなに連絡をとったんです。雪上訓練にもなりますし、気にしないでください。」
「感心感心!さすがは六年生じゃ!」
突然学園長先生が手を叩きながら現れた。
「たまみちゃん、みんなに豚汁を振る舞ってやってくれんか。材料は食堂に置いてある。」
「あ、はい!わかりました!」
「きり丸、私は雪かきをしてくるからたまみを手伝ってやってくれ。」
「はい!」
二人を見送り、生徒が通りそうな場所の雪を端に寄せていく。
途中、遠くで大きなかまくらを楽しそうに作っている五年生達を見かけた。
きっと下級生もこの雪をみて遊ぶんだろうな。
一年は組のよいこ達はどんな遊びを思いつくのだろうと考え、私はクスリと笑った。
忍術学園もきっと雪がかなり積もっていると思い、たまみときり丸を連れて少し早く登園した。
案の定、まだ雪かきのされていない学園の中は厚く積もった雪に埋もれていて、少し歩くだけでも一苦労だった。
持参した鋤でたまみが歩きやすいように少し道を作ってから進んでいく。
「ここでこんなに積もっていたら、山田先生は雪が溶けるまで来れないんじゃないか。」
「そうですねぇ。大丈夫でしょうか。」
足をとられ歩くのがままならず、たまみときり丸が息をきらせてついてくる。
「とりあえず、まずはこの雪を何とかしないといけないな。」
「土井先生、あれ…」
たまみが先の方を指差した。
名前でなく土井先生と呼ばれたことに少し寂しさを覚えたが、ここはもう忍術学園なので仕方ない。
自分がまだ切り替えのできていなかったことに若干驚きつつ、指で示された方を見てみると。
「まだまだまだぁっ!!!」
「なんのこれしきっっ!!」
六年生達が雪のなかで激しく雪合戦をしていた。
同室の者同士で3組に別れて本気でやりあっている。
「先輩達、何で雪合戦なんかしてるんでしょう…?」
きり丸が呟くと、六年生が一斉にこちらに気がついて動きを止めた。
「あ、あけましておめでとうございます!土井先生達も一緒にやりますか~?」
笑顔で手を振る小平太。
文次郎がハッとした顔で雪だまを落とした。
「しまった!下級生が来る前に忍術学園の雪かきをしようとしてたのに、こいつらのせいでいつの間にか雪合戦を…!」
「こいつらのせいで、って、お前が先に喧嘩を売ってきたんだろうが!」
「何だとぉ!?そっちが先に…!」
「まぁまぁ二人とも、落ち着いて…。」
伊作が宥めようとしている横で、小平太が雪だまをポンポンと手の間で転がした。
「雪合戦もなかなか面白いな!雪かきとか細かいことは気にしないで続きをやろう!な、長次?」
「もそ…後輩達が来る前にと思っていたのに…きり丸がもう来てしまった…」
仙蔵が髪についた雪を振り払いながら立ち上がった。
「よし、とりあえず雪かきをしてからまた雪合戦に戻ろうじゃないか。文次郎もそれでいいな?」
「そうだな、ではひとまず休戦としようか。」
「仕方ない。ではここからは雪かき勝負…どっちが早く片付けるか勝負だ!」
「のぞむところだ!」
六年生達がわらわらと雪かきを始めようと動き出す。
「みんなありがとう。これだけの雪だから手伝ってもらえると助かるよ。」
「自主的に早く来てくれるなんてさすが六年生ですね。ありがとうございます。」
私とたまみが礼を言うと伊作が振り返って優しく答えた。
「数日前からの雪で、このままだと下級生が登園するのも大変かと思ってみんなに連絡をとったんです。雪上訓練にもなりますし、気にしないでください。」
「感心感心!さすがは六年生じゃ!」
突然学園長先生が手を叩きながら現れた。
「たまみちゃん、みんなに豚汁を振る舞ってやってくれんか。材料は食堂に置いてある。」
「あ、はい!わかりました!」
「きり丸、私は雪かきをしてくるからたまみを手伝ってやってくれ。」
「はい!」
二人を見送り、生徒が通りそうな場所の雪を端に寄せていく。
途中、遠くで大きなかまくらを楽しそうに作っている五年生達を見かけた。
きっと下級生もこの雪をみて遊ぶんだろうな。
一年は組のよいこ達はどんな遊びを思いつくのだろうと考え、私はクスリと笑った。