第95話 思い出の還る場所
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はぁー…。
帰り道でふと立ち寄り見つけた美しい景色。
柔らかく夕日に照らされるたまみを見ていたら、ずっと言いそびれていた言葉をきちんと伝えよう…と思ったのに。
またしても邪魔が入ってしまった。
何なんだ。
一体何なんだ!?
どうしてこうも邪魔が入るのか。
しかし、タソガレドキの忍装束を目にしたとき私は大事なことを見落としているのではないかと気づいた。
…あの巻物。
彼女を元の世界に戻してしまうのではないかと私が心密かに恐れているもの。
あれにきちんとカタをつけなければ、たまみだって返事をしにくいのではないだろうか…。
彼女を自分のものにしてしまいたいという気持ちばかりが先走ってしまったが、彼女が安心してこちらの世界で暮らすことができるようにするのが先決ではなかろうか。
そんなことを考えながら学園に着くと、暫く黙っていた彼女が突然ため息をついた。
「たまみ?」
あ、まさか…。
先程また言いそびれてしまった言葉の続きをずっと待っていたのだろうか。
いつまで経ってもはっきりと告げない私に呆れてため息をついたとか…!?
おそるおそるたまみの顔を覗き込む。
彼女は顔を真っ赤にして両手を振った。
「や、すみません…えー、ちょっと思い出してしまって…」
「思い出すって…何を?」
「えー、その……半助さんが夕焼けのなかで格好よく戦っているところを、です…。」
たまみは照れながらそう言った。
予想外の返答に一瞬固まった。
そんなことを考えていたのか。
「…それで、ため息を?」
「はい…。」
恥ずかしそうに笑ってごまかそうとするたまみ。
「……きみは本当に可愛いな。」
私は周囲に気配がないことを確認し、丁度横にあった空部屋の障子をあけた。
彼女の腕を引いて中に入り、障子を閉めると荷物を床に置く。
「半助さん…?」
当惑する彼女の頭を引き寄せた。
そのまま肩を抱き、誰にも聞こえないように耳元で囁く。
「さっきの話の続きは…ごめん、もう少し待ってくれるかい。ちょっと、やるべきことを思い出したから…時がきたらもう一度、今度こそ…ちゃんと言うから。」
たまみは不思議そうな顔で私をじっと見つめた。
それでも何も答えない私に、彼女はゆっくりと目を伏せると…
「…楽しみにしてます。」
何も聞かずに頷いてくれた。
そのたった一言に、深く信頼されているのだと感じた。
たまみの愛情と信頼に早く応えたい…。
しかし、さすがにドクタケと違いタソガレドキへの侵入は私の一存で出来ることではない。
今は時期を待ち、好機を逃すことのないようこれまで以上に情報を集め準備をしておかなくては…。
すると、たまみが私の袖をくっと引いた。
「じゃあ、約束…」
彼女が背伸びをした。
柔らかい指が私の首に触れる。
私はその背に腕を回し抱きしめた。
「…ああ。約束だ。」
きみがここで…この世界で安心して暮らしていけるようにした暁には…必ず。
ゆっくりと二人の唇が重なった。
決して離さないと、誓いの気持ちを込めて…。
帰り道でふと立ち寄り見つけた美しい景色。
柔らかく夕日に照らされるたまみを見ていたら、ずっと言いそびれていた言葉をきちんと伝えよう…と思ったのに。
またしても邪魔が入ってしまった。
何なんだ。
一体何なんだ!?
どうしてこうも邪魔が入るのか。
しかし、タソガレドキの忍装束を目にしたとき私は大事なことを見落としているのではないかと気づいた。
…あの巻物。
彼女を元の世界に戻してしまうのではないかと私が心密かに恐れているもの。
あれにきちんとカタをつけなければ、たまみだって返事をしにくいのではないだろうか…。
彼女を自分のものにしてしまいたいという気持ちばかりが先走ってしまったが、彼女が安心してこちらの世界で暮らすことができるようにするのが先決ではなかろうか。
そんなことを考えながら学園に着くと、暫く黙っていた彼女が突然ため息をついた。
「たまみ?」
あ、まさか…。
先程また言いそびれてしまった言葉の続きをずっと待っていたのだろうか。
いつまで経ってもはっきりと告げない私に呆れてため息をついたとか…!?
おそるおそるたまみの顔を覗き込む。
彼女は顔を真っ赤にして両手を振った。
「や、すみません…えー、ちょっと思い出してしまって…」
「思い出すって…何を?」
「えー、その……半助さんが夕焼けのなかで格好よく戦っているところを、です…。」
たまみは照れながらそう言った。
予想外の返答に一瞬固まった。
そんなことを考えていたのか。
「…それで、ため息を?」
「はい…。」
恥ずかしそうに笑ってごまかそうとするたまみ。
「……きみは本当に可愛いな。」
私は周囲に気配がないことを確認し、丁度横にあった空部屋の障子をあけた。
彼女の腕を引いて中に入り、障子を閉めると荷物を床に置く。
「半助さん…?」
当惑する彼女の頭を引き寄せた。
そのまま肩を抱き、誰にも聞こえないように耳元で囁く。
「さっきの話の続きは…ごめん、もう少し待ってくれるかい。ちょっと、やるべきことを思い出したから…時がきたらもう一度、今度こそ…ちゃんと言うから。」
たまみは不思議そうな顔で私をじっと見つめた。
それでも何も答えない私に、彼女はゆっくりと目を伏せると…
「…楽しみにしてます。」
何も聞かずに頷いてくれた。
そのたった一言に、深く信頼されているのだと感じた。
たまみの愛情と信頼に早く応えたい…。
しかし、さすがにドクタケと違いタソガレドキへの侵入は私の一存で出来ることではない。
今は時期を待ち、好機を逃すことのないようこれまで以上に情報を集め準備をしておかなくては…。
すると、たまみが私の袖をくっと引いた。
「じゃあ、約束…」
彼女が背伸びをした。
柔らかい指が私の首に触れる。
私はその背に腕を回し抱きしめた。
「…ああ。約束だ。」
きみがここで…この世界で安心して暮らしていけるようにした暁には…必ず。
ゆっくりと二人の唇が重なった。
決して離さないと、誓いの気持ちを込めて…。