第45話 美人コンテスト
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受付を済ませて、指示通りに歩いていく。
会場は大きな原っぱで、たくさん幕が張られ仕切られていた。
そのうちの一つに案内されてござの上に座る。
そこには20人位の女性がいた。
「たまみさん、こんにちは。」
後ろから、サラサラストレートの黒髪を揺らす綺麗な女性に声をかけられた。
しかし見覚えがない。
「えっ…と…、すみません、どこかでお会いしたでしょうか…?」
おずおずと聞くと、彼女はクスリと笑って私に耳打ちした。
「立花仙蔵です。」
「!?」
驚いてよく見ると、確かに立花くんだった。
綺麗にお化粧もして完璧な女装だ。
彼はふふっと微笑んで話した。
「たまみさん、私ですよ、仙子です。もう、忘れないでください。」
「あ、仙子さん!ごめんごめん!」
な、なぜ立花くんがここに?
彼もお米がほしかったのだろうか。
すると彼は私の隣にスッと近寄って小声で話し始めた。
「そのまま笑顔で聞いてください。このコンテスト、ちょっと怪しいことがあって捜査中なんです。たまみさんも気をつけてください。」
私は目線を動かさず無言で頷いた。
怪しいってなんだろう。
さっき見た食満くん達も捜査で来てたのか。
え、それにしては目立ちすぎえたけど…え、それもわざと?
怪しいって、景品のお米はちゃんと貰えるのかな…。
「たまみさんは何故ここに?」
「ちょっと色々あって、参加賞のお米がほしかったの…あれ本当に貰えるのかな?」
仙子さんは「ああ、あれですね。」と出口の近くを指差した。
そこにはたくさん積まれた参加賞のお米と、優勝賞品のお米一年分が置かれていた。
賞品がちゃんと用意されていることに私が安堵したとき、私と仙子さんが係の男性に呼ばれた。
「こちらでお待ちください。」
別の仕切られた場所に通される。
私と仙子さんの他には5人位の女性がいた。
「とりあえず二次審査は通過ですね。」
「えっ?」
どういうことかと目で尋ねると、仙子さんが小声で説明してくれた。
「一次審査は受付です。あそこで、条件はクリアするけど見た目があまり…という女性は私達とは別のところに案内されてそのまま出口から帰るようになってます。二次審査はさっきの場所。幕の外から視線を感じたので、それで合格だった者だけがここに案内されるようです。まぁ、あれだけ参加者が多いと全員きっちり審査するのも手間ですからね…しかし何だか気持ちの悪い方法です。」
確かに。
私はただお米がほしかっただけなのに、妙なことになってきたなと思った。
「よし、ではあなた達はこっちに来て着替えと化粧をしてください。」
私達は個別の幕の中に通された。
そこには非常に豪華な刺繍の施された着物があった。
「さぁ、こちらへ。」
品のある女性達が寄ってきて、私はされるがまま着替えと化粧をしてもらった。
なんだか変な雰囲気だな…。
さすがにこれはおかしいとは思ったものの、お米も欲しいし仕方なく従っていく。
隣の仙子さんは大丈夫だろうか…?
女装だとバレてしまわないか心配…。
着替え終わるとまた元の場所に戻された。
そこにはどう乗り切ったのか着替えを済ませて本物のお姫様のようになった仙子さんがいた。
「仙子さん、お姫様みたい…!」
「たまみさんも、とてもお可愛らしいですわ。」
笑い方までお姫様のようだ。
さすが立花くん、所作が美しい…!
全員揃ったところで、別の指示が出た。
「今からあそこの舞台に行って、「舞」か「歌」か「演技」をしてもらう。舞と歌はなんでもいいが、演技についてはこちらで台本を用意してあるからそれを読んでもらう。」
な、なにそれ…!?
どれもできる気がしない!
舞なんてやったことないし、歌も詠めない。
演技しか選択肢はないけど、台本って一体…!?
内心ややパニックになりながら、渡された台本を見て固まる。
台詞は短いけど、これを言えというの…!?
私はここに来たことを後悔した。
けれど、すぐに先程の少女の顔を思い出した。
そうだ、可能性が少しでもあるなら、優勝めざしてやってみた方がいい。
お米一年分。
もしかしたら、これで救える命なのかもしれない…!
私は気持ちを落ち着けて、台本をじっと見つめた。
仙子さんは舞を踊った。
それは見事なもので、一体いつどこで身につけたのだろうと不思議だった。
そして、最後は私の番。
私は、舞台までゆっくり進み、台本に載っていたふざけた台詞を口にした。
「……殿…」
土井先生の顔を思い浮かべた。
目の前に土井先生が居ると想像しよう。
そう、これは彼に向かって言っているのだと…。
「おかえりなさいませ…今日もお疲れ様でございました…。」
できるだけにこやかに。
「先にお食事にされますか?…湯浴みになさいますか?…それとも……」
目を伏せて、ぎゅっと着物の端をつかむ。
恥ずかしいのを堪えて言った。
「それとも…わ、わたくしに…なさいますか…?」
会場は大きな原っぱで、たくさん幕が張られ仕切られていた。
そのうちの一つに案内されてござの上に座る。
そこには20人位の女性がいた。
「たまみさん、こんにちは。」
後ろから、サラサラストレートの黒髪を揺らす綺麗な女性に声をかけられた。
しかし見覚えがない。
「えっ…と…、すみません、どこかでお会いしたでしょうか…?」
おずおずと聞くと、彼女はクスリと笑って私に耳打ちした。
「立花仙蔵です。」
「!?」
驚いてよく見ると、確かに立花くんだった。
綺麗にお化粧もして完璧な女装だ。
彼はふふっと微笑んで話した。
「たまみさん、私ですよ、仙子です。もう、忘れないでください。」
「あ、仙子さん!ごめんごめん!」
な、なぜ立花くんがここに?
彼もお米がほしかったのだろうか。
すると彼は私の隣にスッと近寄って小声で話し始めた。
「そのまま笑顔で聞いてください。このコンテスト、ちょっと怪しいことがあって捜査中なんです。たまみさんも気をつけてください。」
私は目線を動かさず無言で頷いた。
怪しいってなんだろう。
さっき見た食満くん達も捜査で来てたのか。
え、それにしては目立ちすぎえたけど…え、それもわざと?
怪しいって、景品のお米はちゃんと貰えるのかな…。
「たまみさんは何故ここに?」
「ちょっと色々あって、参加賞のお米がほしかったの…あれ本当に貰えるのかな?」
仙子さんは「ああ、あれですね。」と出口の近くを指差した。
そこにはたくさん積まれた参加賞のお米と、優勝賞品のお米一年分が置かれていた。
賞品がちゃんと用意されていることに私が安堵したとき、私と仙子さんが係の男性に呼ばれた。
「こちらでお待ちください。」
別の仕切られた場所に通される。
私と仙子さんの他には5人位の女性がいた。
「とりあえず二次審査は通過ですね。」
「えっ?」
どういうことかと目で尋ねると、仙子さんが小声で説明してくれた。
「一次審査は受付です。あそこで、条件はクリアするけど見た目があまり…という女性は私達とは別のところに案内されてそのまま出口から帰るようになってます。二次審査はさっきの場所。幕の外から視線を感じたので、それで合格だった者だけがここに案内されるようです。まぁ、あれだけ参加者が多いと全員きっちり審査するのも手間ですからね…しかし何だか気持ちの悪い方法です。」
確かに。
私はただお米がほしかっただけなのに、妙なことになってきたなと思った。
「よし、ではあなた達はこっちに来て着替えと化粧をしてください。」
私達は個別の幕の中に通された。
そこには非常に豪華な刺繍の施された着物があった。
「さぁ、こちらへ。」
品のある女性達が寄ってきて、私はされるがまま着替えと化粧をしてもらった。
なんだか変な雰囲気だな…。
さすがにこれはおかしいとは思ったものの、お米も欲しいし仕方なく従っていく。
隣の仙子さんは大丈夫だろうか…?
女装だとバレてしまわないか心配…。
着替え終わるとまた元の場所に戻された。
そこにはどう乗り切ったのか着替えを済ませて本物のお姫様のようになった仙子さんがいた。
「仙子さん、お姫様みたい…!」
「たまみさんも、とてもお可愛らしいですわ。」
笑い方までお姫様のようだ。
さすが立花くん、所作が美しい…!
全員揃ったところで、別の指示が出た。
「今からあそこの舞台に行って、「舞」か「歌」か「演技」をしてもらう。舞と歌はなんでもいいが、演技についてはこちらで台本を用意してあるからそれを読んでもらう。」
な、なにそれ…!?
どれもできる気がしない!
舞なんてやったことないし、歌も詠めない。
演技しか選択肢はないけど、台本って一体…!?
内心ややパニックになりながら、渡された台本を見て固まる。
台詞は短いけど、これを言えというの…!?
私はここに来たことを後悔した。
けれど、すぐに先程の少女の顔を思い出した。
そうだ、可能性が少しでもあるなら、優勝めざしてやってみた方がいい。
お米一年分。
もしかしたら、これで救える命なのかもしれない…!
私は気持ちを落ち着けて、台本をじっと見つめた。
仙子さんは舞を踊った。
それは見事なもので、一体いつどこで身につけたのだろうと不思議だった。
そして、最後は私の番。
私は、舞台までゆっくり進み、台本に載っていたふざけた台詞を口にした。
「……殿…」
土井先生の顔を思い浮かべた。
目の前に土井先生が居ると想像しよう。
そう、これは彼に向かって言っているのだと…。
「おかえりなさいませ…今日もお疲れ様でございました…。」
できるだけにこやかに。
「先にお食事にされますか?…湯浴みになさいますか?…それとも……」
目を伏せて、ぎゅっと着物の端をつかむ。
恥ずかしいのを堪えて言った。
「それとも…わ、わたくしに…なさいますか…?」