第87話 並木道
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大家さんに家賃を払い終わって家に戻ると、北石くんがたまみの隣に座って話していた。
なぜ北石くんがここに…?
不思議に思ったが、たまみが同年代の女性と楽しそうに話している姿を初めて見た。
何だか嬉しそうだな…。
邪魔をしないよう、そっと家の戸の側で待とうとすると声が聞こえてきて…
「いざとなると強くて頼もしいところとか…」
ん?
暫く聞いていると、段々顔が赤くなってきてしまった。
これは…。
どうやら、これは、私のことを…話しているのか?
北石くんはニヤニヤしながら相槌をうって促している。
なぜ、たまみが私のことを北石くんに…?
何となく出ていくタイミングを逃しその場にとどまっていると。
「土井先生ってば爽やかな教師に見えて実はむっつり…」
「誰がむっつりだって?」
思わずつっこんでしまった。
二人がビックリして私を見上げる。
「北石くん、なぜここに?」
「あ、土井先生。実はあれから情報交換の場としてずっと使わせて貰ってまして…。」
「まだ諦めてなかったのか!ご近所さんの目もあるし、もうやめておいてくれ。」
「あはは、すみません。そうですね、私達がいると土井先生が彼女を家に連れ込みにくくなりますもんね。」
「い、いや、そういう理由では…!」
「土井先生、いつの間にこんな可愛い彼女を作ったんですかぁ!もーすみにおけないですねぇ!」
何をどこまで話したのかとたまみを見れば、困ったように苦笑していた。
よりによって北石くんか…。
ちゃんと説明しておかないと、変な噂を流されそうだな。
「たまみは学園長先生の親戚で…」
「あ、たまみさんっていうんですね。」
「……一応、学園のなかでは私達の仲は秘密にしてるから。」
「職場恋愛って色々言われそうですもんね。あー、でもみんなに言いふらしたいっ…!!」
「勘弁してくれ…!」
「努力します。でも何でくノ一でもないのに忍術学園に?」
「戦に巻き込まれて他に身寄りや頼るあてがなくてね。学園で仕事しながら暮らしてるんだ。」
「そうでしたか…。」
北石くんがたまみを気遣うように見て、次に私を見上げた。
「土井先生、お仕事ばかりしてないでちゃんと幸せにしてあげてくださいよ!」
「きみに言われなくてもちゃんとしてるつもりだ。」
「それならいいんですけど。それじゃ、邪魔者は退散しますねー!」
北石くんはそう言ってひらひらと手を振りながら玄関を出ていった。
「やれやれ…うちを忍者の情報交換場所にだなんてとんでもない話だ。」
戸をしめながらため息をつくと、たまみがじっと私を見た。
「北石さんの他にもくノ一のお知り合いとかいるんですか?」
「え?そりゃあ他所の城のくノ一とか色々知ってる顔はあるけど知り合いってほどじゃないかな。」
「その人達もここに来てたんですか?」
「さあ…こないだ私が来たときに集まってたのは、北石くん以外は男ばかりだったけど。」
「…ふーん、そうですか。」
あれ。
何かちょっと不機嫌になってる…?
「隣のおばちゃんが、私のいない間に半助さんが若い女性を家に出入りさせてるって。」
「へ?」
「北石さんはそういうのじゃないって分かったからいいんですけど、よく考えたらその他にも出入りしてる女の人がいるのかなって…」
「な、ないない!そんなのないよ!」
「ほんとに?」
「本当だ!出入りさせてるって、そもそも今回のは勝手に侵入してただけだし!この家に自由に入っていいのは私ときみときり丸だけだ。」
「…私も?」
「もちろん!ここは…きみの……私達の……!」
「……!」
「…ッ」
私達の家だ!と言いかけて止まった。
待て、これでは求婚してるみたいな…!
言葉が出てこなくて赤面したまま固まっていると、たまみは言葉の続きを察したのか頬を染め微笑んだ。
「………嬉しい……」
嬉しそうにはにかむ姿が可愛くて、思わずぎゅっと抱きしめる。
「私にはきみだけだから…心配しないで。」
そう言って額に優しく口づけすると、たまみが背伸びして私の首に腕を回した。
「じゃあ、証明してください…」
「証明?」
「あなたには私だけだと…」
耳元で甘く囁かれてぞくりとする。
背中に手を当ててゆっくりその場に押し倒す。
「では…私がどれ程たまみを想ってるか…」
私をじっと見つめ桃色に染まった頬に手を触れる。
「身体に直接思い知らせてあげよう…」
ゆっくりと唇を重ねる。
私の気持ちが伝わるように、何度も深く情熱的に…。
そうして結局、忍術学園に戻ったのは夜になってしまったのだった。
なぜ北石くんがここに…?
不思議に思ったが、たまみが同年代の女性と楽しそうに話している姿を初めて見た。
何だか嬉しそうだな…。
邪魔をしないよう、そっと家の戸の側で待とうとすると声が聞こえてきて…
「いざとなると強くて頼もしいところとか…」
ん?
暫く聞いていると、段々顔が赤くなってきてしまった。
これは…。
どうやら、これは、私のことを…話しているのか?
北石くんはニヤニヤしながら相槌をうって促している。
なぜ、たまみが私のことを北石くんに…?
何となく出ていくタイミングを逃しその場にとどまっていると。
「土井先生ってば爽やかな教師に見えて実はむっつり…」
「誰がむっつりだって?」
思わずつっこんでしまった。
二人がビックリして私を見上げる。
「北石くん、なぜここに?」
「あ、土井先生。実はあれから情報交換の場としてずっと使わせて貰ってまして…。」
「まだ諦めてなかったのか!ご近所さんの目もあるし、もうやめておいてくれ。」
「あはは、すみません。そうですね、私達がいると土井先生が彼女を家に連れ込みにくくなりますもんね。」
「い、いや、そういう理由では…!」
「土井先生、いつの間にこんな可愛い彼女を作ったんですかぁ!もーすみにおけないですねぇ!」
何をどこまで話したのかとたまみを見れば、困ったように苦笑していた。
よりによって北石くんか…。
ちゃんと説明しておかないと、変な噂を流されそうだな。
「たまみは学園長先生の親戚で…」
「あ、たまみさんっていうんですね。」
「……一応、学園のなかでは私達の仲は秘密にしてるから。」
「職場恋愛って色々言われそうですもんね。あー、でもみんなに言いふらしたいっ…!!」
「勘弁してくれ…!」
「努力します。でも何でくノ一でもないのに忍術学園に?」
「戦に巻き込まれて他に身寄りや頼るあてがなくてね。学園で仕事しながら暮らしてるんだ。」
「そうでしたか…。」
北石くんがたまみを気遣うように見て、次に私を見上げた。
「土井先生、お仕事ばかりしてないでちゃんと幸せにしてあげてくださいよ!」
「きみに言われなくてもちゃんとしてるつもりだ。」
「それならいいんですけど。それじゃ、邪魔者は退散しますねー!」
北石くんはそう言ってひらひらと手を振りながら玄関を出ていった。
「やれやれ…うちを忍者の情報交換場所にだなんてとんでもない話だ。」
戸をしめながらため息をつくと、たまみがじっと私を見た。
「北石さんの他にもくノ一のお知り合いとかいるんですか?」
「え?そりゃあ他所の城のくノ一とか色々知ってる顔はあるけど知り合いってほどじゃないかな。」
「その人達もここに来てたんですか?」
「さあ…こないだ私が来たときに集まってたのは、北石くん以外は男ばかりだったけど。」
「…ふーん、そうですか。」
あれ。
何かちょっと不機嫌になってる…?
「隣のおばちゃんが、私のいない間に半助さんが若い女性を家に出入りさせてるって。」
「へ?」
「北石さんはそういうのじゃないって分かったからいいんですけど、よく考えたらその他にも出入りしてる女の人がいるのかなって…」
「な、ないない!そんなのないよ!」
「ほんとに?」
「本当だ!出入りさせてるって、そもそも今回のは勝手に侵入してただけだし!この家に自由に入っていいのは私ときみときり丸だけだ。」
「…私も?」
「もちろん!ここは…きみの……私達の……!」
「……!」
「…ッ」
私達の家だ!と言いかけて止まった。
待て、これでは求婚してるみたいな…!
言葉が出てこなくて赤面したまま固まっていると、たまみは言葉の続きを察したのか頬を染め微笑んだ。
「………嬉しい……」
嬉しそうにはにかむ姿が可愛くて、思わずぎゅっと抱きしめる。
「私にはきみだけだから…心配しないで。」
そう言って額に優しく口づけすると、たまみが背伸びして私の首に腕を回した。
「じゃあ、証明してください…」
「証明?」
「あなたには私だけだと…」
耳元で甘く囁かれてぞくりとする。
背中に手を当ててゆっくりその場に押し倒す。
「では…私がどれ程たまみを想ってるか…」
私をじっと見つめ桃色に染まった頬に手を触れる。
「身体に直接思い知らせてあげよう…」
ゆっくりと唇を重ねる。
私の気持ちが伝わるように、何度も深く情熱的に…。
そうして結局、忍術学園に戻ったのは夜になってしまったのだった。