第85話 隠し事
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ここ数日、たまみの様子がおかしい。
明らかに何かを隠している気がする…。
食堂の手伝いに行くにはまだ早い時間。
たまみが食堂のおばちゃんの手伝いをしてくると職員室を出ていった。
その時、少し伏し目がちに目をそらすのがいつもと違っているように感じた。
たまたま用事があり食堂へ呼びに行くと、そこには食堂のおばちゃんしかいなくて…。
おかしい。
一体、どこで何をしているのか。
気になった私は、翌日たまみが職員室を出たあとこっそりつけてみた。
たまみは忍術学園の裏側の人気がない方向へ歩いていく。
きょろきょろと周りを見ながら。
一体どこへ…?
すると、一本の木の下でたまみが立ち止まり、周囲を見渡すと柔軟体操を始めた。
程なくして、足音もなく聞き慣れた声が聞こえた。
「お待たせしました。」
利吉くん!?
なぜ、彼がここに…?
二人の様子から察するにどうやらここで待ち合わせしていたようだった。
なぜ…!?
「さ、じゃあ早速始めましょうか。」
「はい、よろしくお願いします!」
なんだ、何を始めるんだ?
気配を完全に消しながら、じっと観察する。
二人が向かい合い、利吉くんがたまみへと腕を伸ばした。
すると、彼女はその手首をひねり…いや、ひねろうとして失敗していた。
「こう捕まれたら、こうするんです。そうすると、相手は痛くて力が入りません。」
真剣な表情で説明する利吉くんと、それを真剣に学ぼうとしているたまみ。
これは…護身術か?
なぜ、たまみが護身術の練習を…。
…しかも私になんの相談もせず、利吉くんと学園の裏側でこそこそと…。
すぐにその場に割って入ろうかと思ったが、二人があまりにも真剣な顔をしているので思い止まった。
なにか、事情があるのか…?
私に言いにくいようなことでも…?
気配を消したまま様子を伺う。
利吉くんの教え方は的確で分かりやすいものではあったが、たまみはあまりにも非力だった。
あれでは、余程練習しなければ実際に相手から身を守るのは難しいだろう…。
利吉くんもそれぐらい分かっているはずだ。
では、一体なぜ…。
…まさか。
例えば、私の知らないところでたまみが暴漢に襲われていてそれを利吉くんが助け、自分で身を守れるようになりたいと泣きつかれたとか…!?
いやいや、まさか、そんな…!
一瞬で、身体中の血の気がひいた。
そんなこと…あるはずかない!!
しかし、もしそうだとすると…。
暴漢に襲われたことを、私に知られたくないと思ったとか…。
そして、自分で身を守れるようになりたいと願う彼女の気持ちをくんで、利吉くんが…たとえそれが実践では使えないと分かっていても…護身術を教えてやろうとすることも…理解はできる…。
……他に、彼女が私に内緒で利吉くんと護身術を練習する理由があるだろうか…。
私は気配を消したまま、フラフラと自室へ歩いていった。
何よりも、たまみの身体が心配だった。
すぐにでも駆け寄り問いただしたかったが、自分から話してくれるのを待つべきなのだろうか…?
しかしそれにしても、私に嘘をついてまで利吉くんと二人で人気のない場所で待ち合わせしているなんて…。
色んな感情が合間って、そこからは全く仕事が手につかなくなってしまった…。
その夜。
いつものようにたまみの部屋に行く。
彼女は普段通りで何も変わった様子はなかった。
結局、どうしても気になった私は遠回しに探ってみることにした。
「…たまみ…」
「はい?」
「…最近、何かあった?」
「いいえ?どうしてですか?」
「いや、その…どこか怪我したりとか…不安なこととか、ない?」
「?…いいえ、何もないですよ?」
「ホントに?」
「??…はい。どうしたんですか?」
たまみはきょとんと不思議そうな顔をした。
嘘をついている感じもごまかしている感じもない。
私はほっと胸を撫で下ろした。
彼女の身に何かがあったわけではなさそうだ…。
私はひどく安心して、つい壁に背をもたれた。
「いや、たまみが無事なら…何もないなら、いいんだ。」
「??…何かあったんですか?」
「あー、いや…」
たまみの顔をじっと見つめてみる。
これなら…聞いても大丈夫そうか…。
「たまみが…何か隠してるんじゃないかと思って。」
「?………!!」
一瞬、何のことか分からないような不思議そうな顔をした後、思い当たることがあったのかたまみの表情が変わった。
「な、…何のこと、ですか?」
明らかに動揺している。
利吉くんと二人で待ち合わせしていた姿を思い出し、胸がいたんだ。
ここまで言っても隠す理由は、何なんだ。
「……ふーん。じゃあ、ちょっと待っててくれる?」
私はスッと立ち上がり、そのまま天井裏へと上がった。
明らかに何かを隠している気がする…。
食堂の手伝いに行くにはまだ早い時間。
たまみが食堂のおばちゃんの手伝いをしてくると職員室を出ていった。
その時、少し伏し目がちに目をそらすのがいつもと違っているように感じた。
たまたま用事があり食堂へ呼びに行くと、そこには食堂のおばちゃんしかいなくて…。
おかしい。
一体、どこで何をしているのか。
気になった私は、翌日たまみが職員室を出たあとこっそりつけてみた。
たまみは忍術学園の裏側の人気がない方向へ歩いていく。
きょろきょろと周りを見ながら。
一体どこへ…?
すると、一本の木の下でたまみが立ち止まり、周囲を見渡すと柔軟体操を始めた。
程なくして、足音もなく聞き慣れた声が聞こえた。
「お待たせしました。」
利吉くん!?
なぜ、彼がここに…?
二人の様子から察するにどうやらここで待ち合わせしていたようだった。
なぜ…!?
「さ、じゃあ早速始めましょうか。」
「はい、よろしくお願いします!」
なんだ、何を始めるんだ?
気配を完全に消しながら、じっと観察する。
二人が向かい合い、利吉くんがたまみへと腕を伸ばした。
すると、彼女はその手首をひねり…いや、ひねろうとして失敗していた。
「こう捕まれたら、こうするんです。そうすると、相手は痛くて力が入りません。」
真剣な表情で説明する利吉くんと、それを真剣に学ぼうとしているたまみ。
これは…護身術か?
なぜ、たまみが護身術の練習を…。
…しかも私になんの相談もせず、利吉くんと学園の裏側でこそこそと…。
すぐにその場に割って入ろうかと思ったが、二人があまりにも真剣な顔をしているので思い止まった。
なにか、事情があるのか…?
私に言いにくいようなことでも…?
気配を消したまま様子を伺う。
利吉くんの教え方は的確で分かりやすいものではあったが、たまみはあまりにも非力だった。
あれでは、余程練習しなければ実際に相手から身を守るのは難しいだろう…。
利吉くんもそれぐらい分かっているはずだ。
では、一体なぜ…。
…まさか。
例えば、私の知らないところでたまみが暴漢に襲われていてそれを利吉くんが助け、自分で身を守れるようになりたいと泣きつかれたとか…!?
いやいや、まさか、そんな…!
一瞬で、身体中の血の気がひいた。
そんなこと…あるはずかない!!
しかし、もしそうだとすると…。
暴漢に襲われたことを、私に知られたくないと思ったとか…。
そして、自分で身を守れるようになりたいと願う彼女の気持ちをくんで、利吉くんが…たとえそれが実践では使えないと分かっていても…護身術を教えてやろうとすることも…理解はできる…。
……他に、彼女が私に内緒で利吉くんと護身術を練習する理由があるだろうか…。
私は気配を消したまま、フラフラと自室へ歩いていった。
何よりも、たまみの身体が心配だった。
すぐにでも駆け寄り問いただしたかったが、自分から話してくれるのを待つべきなのだろうか…?
しかしそれにしても、私に嘘をついてまで利吉くんと二人で人気のない場所で待ち合わせしているなんて…。
色んな感情が合間って、そこからは全く仕事が手につかなくなってしまった…。
その夜。
いつものようにたまみの部屋に行く。
彼女は普段通りで何も変わった様子はなかった。
結局、どうしても気になった私は遠回しに探ってみることにした。
「…たまみ…」
「はい?」
「…最近、何かあった?」
「いいえ?どうしてですか?」
「いや、その…どこか怪我したりとか…不安なこととか、ない?」
「?…いいえ、何もないですよ?」
「ホントに?」
「??…はい。どうしたんですか?」
たまみはきょとんと不思議そうな顔をした。
嘘をついている感じもごまかしている感じもない。
私はほっと胸を撫で下ろした。
彼女の身に何かがあったわけではなさそうだ…。
私はひどく安心して、つい壁に背をもたれた。
「いや、たまみが無事なら…何もないなら、いいんだ。」
「??…何かあったんですか?」
「あー、いや…」
たまみの顔をじっと見つめてみる。
これなら…聞いても大丈夫そうか…。
「たまみが…何か隠してるんじゃないかと思って。」
「?………!!」
一瞬、何のことか分からないような不思議そうな顔をした後、思い当たることがあったのかたまみの表情が変わった。
「な、…何のこと、ですか?」
明らかに動揺している。
利吉くんと二人で待ち合わせしていた姿を思い出し、胸がいたんだ。
ここまで言っても隠す理由は、何なんだ。
「……ふーん。じゃあ、ちょっと待っててくれる?」
私はスッと立ち上がり、そのまま天井裏へと上がった。