第81話 心落ち着くところ
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遠くで微かに金属音が聞こえた。
利吉さんが即座に苦無を構えて私を背にかばった瞬間。
「利吉くん、早く逃げろ!」
土井先生!
どこからか土井先生の声がした。
続けて金属音が響いたが、私の目にはどこに居るのか分からなかった。
すると、目の前に利吉さんの背中が現れて、金属音とともにその背中越しに暗い忍装束が見えた。
「山田利吉…君になら話すかなと思って泳がせてみたが邪魔が入ったな。」
雑渡さんの鋭い目。
利吉さんが苦無を受け止め、二人が睨みあっていた。
「お前の相手は私だ!」
声とともに土井先生が二人の間に割り込み、雑渡さんがサッと後ろに飛び退いた。
土井先生と利吉さんが私をかばって前に立つ。
「利吉くん、囲まれる前にたまみを連れて逃げなさい。私がこいつらをひきつけておくから。」
「いえ、私が残ります。つけられている気配に気づかなかった私の不覚です。」
二人が小声で短くそう言うと、雑渡さんが片手を軽くあげた。
それを合図にタソガレドキ忍者の人たちがどこからか次々と姿を現した。
「逃がしてあげるつもりだったんだけどね、ちょっとこちらも状況が変わったんだ。悪いけどたまみちゃんはいただくよ。」
雑渡さんが手をおろすとタソガレドキの忍者達が手裏剣を投げ、同時に襲いかかってきた。
土井先生と利吉さんが私の前で応戦する。
どうしよう…!
私のせいで…!!
けれど、心配など必要ないくらい二人は本当に強かった。
最小限の動きで避けては次々と敵を倒していく。
圧倒的な強さ。
私に敵の手が及ばないように守ってくれる後ろ姿に、不謹慎ながらもドキドキしてしまう自分がいた。
刹那、不意に視界の端に何かが映った気がして振り向こうとすると。
ギィンッ
私の目の前に利吉さんの腕があり、雑渡さんの苦無を苦無で受け止めていた。
その瞬間。
周りが白煙に包まれ何も見えなくなると同時にぐらりと体が傾いた。
風が吹き視界が見えるようになると、そこには。
「土井先生!」
土井先生が私を抱えて走っていた。
「…利吉くんなら後を任せても大丈夫だ。このまま学園まで急ぐよ。」
力強く抱き抱えられ、私は土井先生の腕の中でひどく安堵感を感じていた。
忍術学園の前に着くと、土井先生は私を降ろし縄の跡の残る手首を撫でてくれた。
「大丈夫か?怪我は?」
「大丈夫です。」
「花房牧之介は戸部先生からきつくお仕置きしてるから。ひどい目にあったね。」
さっきまでの鋭い真剣な表情と違い、優しく労ってくれる土井先生。
いつもの温かい声に、その手に気持ちがほっとした。
「ほら、今度はちゃんと先に門をくぐって入って。詳しいことは中で話そう。」
土井先生に促され、私は今度こそ学園の門をくぐった。
利吉さんが即座に苦無を構えて私を背にかばった瞬間。
「利吉くん、早く逃げろ!」
土井先生!
どこからか土井先生の声がした。
続けて金属音が響いたが、私の目にはどこに居るのか分からなかった。
すると、目の前に利吉さんの背中が現れて、金属音とともにその背中越しに暗い忍装束が見えた。
「山田利吉…君になら話すかなと思って泳がせてみたが邪魔が入ったな。」
雑渡さんの鋭い目。
利吉さんが苦無を受け止め、二人が睨みあっていた。
「お前の相手は私だ!」
声とともに土井先生が二人の間に割り込み、雑渡さんがサッと後ろに飛び退いた。
土井先生と利吉さんが私をかばって前に立つ。
「利吉くん、囲まれる前にたまみを連れて逃げなさい。私がこいつらをひきつけておくから。」
「いえ、私が残ります。つけられている気配に気づかなかった私の不覚です。」
二人が小声で短くそう言うと、雑渡さんが片手を軽くあげた。
それを合図にタソガレドキ忍者の人たちがどこからか次々と姿を現した。
「逃がしてあげるつもりだったんだけどね、ちょっとこちらも状況が変わったんだ。悪いけどたまみちゃんはいただくよ。」
雑渡さんが手をおろすとタソガレドキの忍者達が手裏剣を投げ、同時に襲いかかってきた。
土井先生と利吉さんが私の前で応戦する。
どうしよう…!
私のせいで…!!
けれど、心配など必要ないくらい二人は本当に強かった。
最小限の動きで避けては次々と敵を倒していく。
圧倒的な強さ。
私に敵の手が及ばないように守ってくれる後ろ姿に、不謹慎ながらもドキドキしてしまう自分がいた。
刹那、不意に視界の端に何かが映った気がして振り向こうとすると。
ギィンッ
私の目の前に利吉さんの腕があり、雑渡さんの苦無を苦無で受け止めていた。
その瞬間。
周りが白煙に包まれ何も見えなくなると同時にぐらりと体が傾いた。
風が吹き視界が見えるようになると、そこには。
「土井先生!」
土井先生が私を抱えて走っていた。
「…利吉くんなら後を任せても大丈夫だ。このまま学園まで急ぐよ。」
力強く抱き抱えられ、私は土井先生の腕の中でひどく安堵感を感じていた。
忍術学園の前に着くと、土井先生は私を降ろし縄の跡の残る手首を撫でてくれた。
「大丈夫か?怪我は?」
「大丈夫です。」
「花房牧之介は戸部先生からきつくお仕置きしてるから。ひどい目にあったね。」
さっきまでの鋭い真剣な表情と違い、優しく労ってくれる土井先生。
いつもの温かい声に、その手に気持ちがほっとした。
「ほら、今度はちゃんと先に門をくぐって入って。詳しいことは中で話そう。」
土井先生に促され、私は今度こそ学園の門をくぐった。