第80話 核心
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「利吉さん、どうしてここに…!?」
「忍務から帰る途中、たまみさんが雑渡昆奈門に担がれて行くのが見えてあとをつけたんです。」
利吉さんはそう言うと鋭い目付きで辺りを見渡した。
「暫く急ぎます。舌を噛むと危ないので歯をくいしばっててください。」
すると利吉さんは更に物凄い勢いで駆け出した。
いつもはどれだけ気をつかってくれていたのかがよく分かるほど、それは激しい揺れだった。
周りの景色を見る余裕もなく、私は振り落とされないように利吉さんにしがみついていた。
どれだけの距離を駆けたのだろう。
やがて、利吉さんがゆっくり速度を落とし背中を振り返った。
「追っ手があまり来なかったのが気になるな…。」
「え?」
「いえ、ここまで来ればもういいでしょう。大丈夫ですか?」
利吉さんがゆっくりと地面に降ろしてくれた。
「はい、ありがとうございま…」
お礼を言おうと見上げた瞬間。
思ったより近い距離で彼の真っ直ぐな瞳と目があった。
じっと見つめてくる真剣な眼差しに、言葉が途切れる。
「たまみさん」
利吉さんが私の肩をつかんだ。
「さっき、雑渡昆奈門との会話を少し聞きました。これまで、たまみさんがあまり触れてほしくなさそうだったのであえて聞きませんでしたが……」
肩をつかむ利吉さんの手に力が入った。
「教えてください…本当のことを。あなたが…忍術学園に来た理由を…。」
「……それは………」
私が俯いて目をそらすと、彼は悲しそうに言った。
「私は信頼に値しませんか?」
「そ、そうじゃないんです…!」
「では、誰かに口止めされているのですか?」
「……はい、学園長先生と…約束したんです。」
「他言してはいけないと?」
「………はい…。」
「わかりました。では直接学園長先生に聞いてみます。」
「えっ…」
「今回のようにタソガレドキに狙われることがあるのなら…私が先回りしてあなたを守れるように何かできないかと思うんです。学園の外で自由に動ける私にしかできないことがあるかもしれない。」
「そんな…ご迷惑を……」
「迷惑ではありません。私が、あなたの力になりたいのです!」
利吉さんはそう力強く言いきると、私の肩をぐっと抱き寄せた。
そのまま腕の中にぎゅっと抱きしめられる。
「あなたの涙は見たくない…。たとえたまみさんが私のものでなくても…守らせてほしいんです。」
胸がしめつけられた。
ありがたく思う気持ちと、そんな彼に応えられなくて申し訳なく思う気持ち。
不安で苦しく助けて貰いたい気持ちと、危険に巻き込みたくない気持ち。
色んな気持ちが合間ってすぐに言葉が出なかった。
そのとき。
キィンッ
利吉さんが後ろを振り返ると同時に、遠くから金属音がした。
「忍務から帰る途中、たまみさんが雑渡昆奈門に担がれて行くのが見えてあとをつけたんです。」
利吉さんはそう言うと鋭い目付きで辺りを見渡した。
「暫く急ぎます。舌を噛むと危ないので歯をくいしばっててください。」
すると利吉さんは更に物凄い勢いで駆け出した。
いつもはどれだけ気をつかってくれていたのかがよく分かるほど、それは激しい揺れだった。
周りの景色を見る余裕もなく、私は振り落とされないように利吉さんにしがみついていた。
どれだけの距離を駆けたのだろう。
やがて、利吉さんがゆっくり速度を落とし背中を振り返った。
「追っ手があまり来なかったのが気になるな…。」
「え?」
「いえ、ここまで来ればもういいでしょう。大丈夫ですか?」
利吉さんがゆっくりと地面に降ろしてくれた。
「はい、ありがとうございま…」
お礼を言おうと見上げた瞬間。
思ったより近い距離で彼の真っ直ぐな瞳と目があった。
じっと見つめてくる真剣な眼差しに、言葉が途切れる。
「たまみさん」
利吉さんが私の肩をつかんだ。
「さっき、雑渡昆奈門との会話を少し聞きました。これまで、たまみさんがあまり触れてほしくなさそうだったのであえて聞きませんでしたが……」
肩をつかむ利吉さんの手に力が入った。
「教えてください…本当のことを。あなたが…忍術学園に来た理由を…。」
「……それは………」
私が俯いて目をそらすと、彼は悲しそうに言った。
「私は信頼に値しませんか?」
「そ、そうじゃないんです…!」
「では、誰かに口止めされているのですか?」
「……はい、学園長先生と…約束したんです。」
「他言してはいけないと?」
「………はい…。」
「わかりました。では直接学園長先生に聞いてみます。」
「えっ…」
「今回のようにタソガレドキに狙われることがあるのなら…私が先回りしてあなたを守れるように何かできないかと思うんです。学園の外で自由に動ける私にしかできないことがあるかもしれない。」
「そんな…ご迷惑を……」
「迷惑ではありません。私が、あなたの力になりたいのです!」
利吉さんはそう力強く言いきると、私の肩をぐっと抱き寄せた。
そのまま腕の中にぎゅっと抱きしめられる。
「あなたの涙は見たくない…。たとえたまみさんが私のものでなくても…守らせてほしいんです。」
胸がしめつけられた。
ありがたく思う気持ちと、そんな彼に応えられなくて申し訳なく思う気持ち。
不安で苦しく助けて貰いたい気持ちと、危険に巻き込みたくない気持ち。
色んな気持ちが合間ってすぐに言葉が出なかった。
そのとき。
キィンッ
利吉さんが後ろを振り返ると同時に、遠くから金属音がした。