第80話 核心
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「土井先生、たまみさんは居ますか?」
職員室で資料を作っていると、珍しく戸部先生が訪ねてきた。
「さっき食堂のおばちゃんとおつかいに行きましたよ。」
「まだ戻っていませんでしたか…。」
戸部先生の表情が曇り、嫌な予感がした。
「何かあったんですか?」
すると戸部先生は懐から一枚の手紙を取り出した。
「忍術学園の塀の外側にこれが貼られていたそうなんです。」
受け取って中身に目を通す。
「『戸部新左ヱ門、お前の女は預かった。返してほしければ夕刻までに指定の場所に来い。花房牧之介』…!?」
「またよからぬことを企んでいるようなのですが、私の女というのが誰を指しているのか分からなくて…。」
「戸部先生、恋仲の女性がいらっしゃるのですか?」
「まさか。」
「じゃあ戸部先生のファンの誰かとか?」
「いや…それよりも、もしかすると…」
「もしかすると?」
「先日、外出中に空腹で倒れてしまったとき、たまみさんが金吾とともにおにぎりを持ってきてくれたのです。もしや花房牧之介はそれを遠くから見ていて、金吾に気づかずたまみさんだけを見て勘違いしたのかも…。」
「なっ…!」
たまみが、戸部先生の恋人に勘違いされて誘拐された…!?
「し、しかし、彼女は今日は食堂のおばちゃんと一緒のはずでは…!」
「それが、いま食堂に行ったら食堂のおばちゃんしかいなかったんです。たまみさんは門をくぐる直前に草履の鼻緒がきれ、すぐ直すから先に行くようにと食堂のおばちゃんに言ったらしく…。」
「…で、まだ入門票に彼女のサインもなく帰ってきた形跡がないと…?」
「そういうことです。」
…花房牧之介……あんのへっぽこ侍が…!!
私は手にした手紙をぐしゃりと握り潰して心のなかで叫んだ。
たまみが戸部先生の恋人だと!?
ふざけるのも大概にしろ…!!!
もし少しでも怪我させてみろ、命だけでは済まさんぞっ…!!!!
「ど、土井先生、落ち着いて…!」
「これが落ち着いていられますかっ!!」
私は手紙に記されていた廃寺へと勢いよく飛び出そうとして、ぴたりと足を止めた。
「戸部先生、この場所は…!」
神妙な顔をして頷く戸部先生。
「念のため、学園長先生や山田先生にも声をかけておく方がいいでしょう。土井先生、私のせいでこんなことにたまみさんを巻き込んでしまって申し訳ない…。」
「何を仰るんですか、戸部先生のせいではありませんよ!全てはあのはた迷惑な花房牧之介のせいです…!」
私は事の次第に冷静さを取り戻し、大きく息を吐いた。
落ち着いて行動せねば、これはこじれてしまうかもしれない…。
冷たくなる手のひらをぐっと握りしめ、戸部先生とともに学園長先生の庵へ向かった。
職員室で資料を作っていると、珍しく戸部先生が訪ねてきた。
「さっき食堂のおばちゃんとおつかいに行きましたよ。」
「まだ戻っていませんでしたか…。」
戸部先生の表情が曇り、嫌な予感がした。
「何かあったんですか?」
すると戸部先生は懐から一枚の手紙を取り出した。
「忍術学園の塀の外側にこれが貼られていたそうなんです。」
受け取って中身に目を通す。
「『戸部新左ヱ門、お前の女は預かった。返してほしければ夕刻までに指定の場所に来い。花房牧之介』…!?」
「またよからぬことを企んでいるようなのですが、私の女というのが誰を指しているのか分からなくて…。」
「戸部先生、恋仲の女性がいらっしゃるのですか?」
「まさか。」
「じゃあ戸部先生のファンの誰かとか?」
「いや…それよりも、もしかすると…」
「もしかすると?」
「先日、外出中に空腹で倒れてしまったとき、たまみさんが金吾とともにおにぎりを持ってきてくれたのです。もしや花房牧之介はそれを遠くから見ていて、金吾に気づかずたまみさんだけを見て勘違いしたのかも…。」
「なっ…!」
たまみが、戸部先生の恋人に勘違いされて誘拐された…!?
「し、しかし、彼女は今日は食堂のおばちゃんと一緒のはずでは…!」
「それが、いま食堂に行ったら食堂のおばちゃんしかいなかったんです。たまみさんは門をくぐる直前に草履の鼻緒がきれ、すぐ直すから先に行くようにと食堂のおばちゃんに言ったらしく…。」
「…で、まだ入門票に彼女のサインもなく帰ってきた形跡がないと…?」
「そういうことです。」
…花房牧之介……あんのへっぽこ侍が…!!
私は手にした手紙をぐしゃりと握り潰して心のなかで叫んだ。
たまみが戸部先生の恋人だと!?
ふざけるのも大概にしろ…!!!
もし少しでも怪我させてみろ、命だけでは済まさんぞっ…!!!!
「ど、土井先生、落ち着いて…!」
「これが落ち着いていられますかっ!!」
私は手紙に記されていた廃寺へと勢いよく飛び出そうとして、ぴたりと足を止めた。
「戸部先生、この場所は…!」
神妙な顔をして頷く戸部先生。
「念のため、学園長先生や山田先生にも声をかけておく方がいいでしょう。土井先生、私のせいでこんなことにたまみさんを巻き込んでしまって申し訳ない…。」
「何を仰るんですか、戸部先生のせいではありませんよ!全てはあのはた迷惑な花房牧之介のせいです…!」
私は事の次第に冷静さを取り戻し、大きく息を吐いた。
落ち着いて行動せねば、これはこじれてしまうかもしれない…。
冷たくなる手のひらをぐっと握りしめ、戸部先生とともに学園長先生の庵へ向かった。