第78話 土井先生の誕生日
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最近、周りの様子がおかしい。
一年は組の生徒は何か隠れてコソコソしている気がする。
たまみからも時々じっと観察されている気がする…。
なんだ、何か企んでいるのか。
気にはなったが、もう少し様子をみようと思い、私はしばらく見て見ぬふりをすることにした。
そしてある朝。
授業をするために教室の戸を開けると。
「「「「「土井先生、お誕生日おめでとうございまーすっ!!」」」」」」
一斉に、は組の生徒達の声がして驚いた。
誕生日!?
そ、そういえば今日だったか…!
忙しすぎて自分の誕生日も忘れてしまっていた。
にこにこと嬉しそうに笑う良い子達。
ふと黒板を見ると、そこには「土井先生 おたんじょうび おめでとう」と書いてあった。
「お、お前達…!」
驚きと嬉しさで戸惑っていると、乱太郎が紙の束を差し出した。
「はい、土井先生!いつも私達のためにありがとうございます!」
にこにこと嬉しそうに手渡された紙を見てみると、そこには『お誕生日ちけっと』と書いてあった。
「お誕生日ちけっと…?」
「はい!私達からは日頃の感謝の気持ちをこめて、それぞれみんなからチケットを渡すことにしました。」
1枚目をめくってみると。
「『美味しいもの調査チケット…しんべヱ』?」
「デートするときに行くお店、いつでも調べるので言ってください!」
「デ、デートって…。」
「あ!たまみさんのことは秘密なんでしたね!僕、誰にも言いませんから…!」
いや、誰にも言いませんって、いま皆に言っているじゃないか…!
というか、たまみとのことは誰にも話していないのに何故しんべヱが…!?
周りをみると、生徒達が一様に生温かい眼差しでうんうんと頷いている。
な、なんだこのリアクションは…!
いつの間にか全員にばれていたのか…!?
たまみも驚いて焦っているようだった。
「土井先生、もうみんな知ってますよ。他の生徒とか先生には一応内緒にしてますけど、バレバレっす。」
きり丸が苦笑してそう言うと、次々と声があがった。
「だって、土井先生たまにたまみって呼び捨てで呼んでるし。」
「たまみさんが土井先生のことを好きなのは分かりやすすぎますけど、土井先生もいつもたまみさんのこと目で追いかけてるし。」
「目だけで会話してるときもあるよね。」
「…………。」
そ、そうだったのか…。
気づかないうちにバレてしまっていたのか。
しかし、ここまできたら今更否定するのも不自然のような…。
ここはもう素直に認めてしまうしかないか…。
私はオホンと咳払いをするとしんべヱの頭を撫でた。
「ありがとう、しんべヱ。では、そのうち出かける予定ができたときには調査忍務に出てもらおうかな。」
「はい!いつでも喜んで!」
胸を張って頼もしげな様子のしんべヱ。
私は微笑むとチケットの紙を一枚めくった。
「次は…『補習対策チケット…庄左ヱ門』」
「土井先生、補習のせいで貴重なお休みが削られていると思うんです。もし、たまみさんとこの日はデートしたい!なんて日があるなら、僕が皆の勉強をサポートして補習にだけはならないように頑張るので、遠慮なく仰ってください!」
何とも庄左ヱ門らしい発想で、ありがたい申し出だ…。
しかしこのチケットを使うということは、皆にその日たまみと出掛けると宣言しているようなもので…下手をしたらついてくるかもしれない…。
そんなことを考えながら苦笑すると、庄左ヱ門がピッと手をあげた。
「あ、もちろん後からデートを尾行したりなんてしませんから!」
すると、後ろの生徒達からブーイングが僅かに起こった。
おいおい、やっぱりついてくる気だったのか…。
「土井先生、そんなときこそ次のチケットです!」
団蔵が笑顔で紙をめくるように催促した。
「ん、どれどれ…『馬の貸出チケット…団蔵』」
「馬があれば皆につけられることもなく遠くまでデートできますよ!たまみさん、馬には乗ったことありますか?」
団蔵が聞くと、たまみはフルフルと首を振った。
「じゃあ一緒に練習しましょう。土井先生と二人で乗るなら練習しなくてもある程度いけると思いますが、慣れておけばもっと楽しくお出かけできると思いますよ!」
馬でデートって一体どこに行かせるつもりなんだ。
しかしたまみを見ると、案外乗り気なようで団蔵と笑って話している。
そうだ、彼女は意外とアクティブな一面もあるのだった。
「団蔵、たまみはどんくさいところがあるから、もし馬の練習をするなら私のいるときにしてくれないか。」
「どんくさいって…!土井せんせ、ヒドイです…!」
「あ、いや、ごめん、そんなつもりじゃ…。ほら、言葉のあやというか…拗ねないでくれ…。」
頬を膨らますたまみに慌てて取り繕うと、皆にくすくすと笑われてしまった。
私はまた一つ咳払いをして「えー、次は…」と紙をめくった。
「『おつかいチケット…乱太郎』」
「土井先生お忙しいと思いますし、何か買ってくるものとかあればいつでも仰ってください!家賃を払いに行くとかでもいいですよー。」
「そうか、それはありがたいな。なかなか家に帰る時間がないときもあるから、またお願いしよう。」
「はーい!」
乱太郎がにこりと笑って手をあげた。
私も微笑んでその頭をよしよしと撫でると、次の紙をめくった。
「『お掃除チケット…伊助』」
「土井先生のお家に出張でお掃除に行くのもいいですし、なんなら土井先生のかわりにドブ掃除に行ってもいいですよ!」
「ははは、さすがにドブ掃除は遠慮しとこうかな、ありがとう。でもその代わり…皆の忍たま長屋の部屋の掃除を手伝ってやってくれないか。」
「分かりました!みんな、今日から順番に掃除していくよー!」
伊助が楽しそうに皆に呼びかける。
年末の大掃除にはまだ早いが、このへんで一度きれいにしておくと後が楽だろう。
「次は…『力仕事チケット…虎若』」
「授業資料の荷物運びとか力仕事はお任せください。火薬委員会で重たい壺を動かすときとかも手伝いにいきますよ。」
「虎若は重たい銃も持てるように鍛えているもんな。火薬委員会の仕事には私も忙しくて中々顔を出せないから、代わりに手伝って貰えると助かるよ。またそのときに声をかけるから、宜しく頼む。」
火薬委員会メンバーである伊助もうんうんと頷き、虎若は少し照れたように笑った。
「次は…『肩たたきチケット…兵太夫&三治郎』」
「僕達、土井先生のために肩たたきできるからくりを作ったんです!まだ試作段階で部屋に置いてあるのですが、調整もしたいので長屋に来てください!」
「土井先生、机に向かう仕事が多いから肩も凝るんじゃないかと思いまして。」
「それは嬉しいな。寒くなってきて余計に肩が凝りやすくなってきたからなぁ…しかし、その、試作というのは…大丈夫なのか?」
「たまに力加減が出来なくて人形が何体か壊れちゃいましたが、今度のやつは大丈夫だと思います!」
「そ、そうか…。よし、じゃあもう少し調整してもらってから試してみようかな…。」
二人の笑顔に何となく危険を察知し、肩たたきチケットを使うのはもう少し先にしておこうと心に決めた。
「えー、次は…『薪割りチケット…金吾』」
「土井先生、たまに薪割りしてらっしゃるでしょう?僕、剣術の訓練にも繋がりますし、薪が足りないときは是非仰ってください!」
「そうか、確かにいい訓練になるな。では今度薪が減ってきたときには金吾に声をかけるようにするよ、ありがとう。」
「はいっ!」
にこりと笑う金吾の頭をぽんと撫でて、次の紙をめくった。
「えー、次は…『練り物確認チケット…喜三太』」
「僕はチケットっていうか、気が向いたときに、こっそり食堂のランチを確認して練り物があればお伝えしますねぇ。」
「そ、それはありがたいな…!」
「なんなら食べてあげますよぉ。」
「おぉ…切実に助かるよ。」
苦笑してみせると喜三太はあははと面白そうに笑った。
これでランチの練り物問題は解決するだろうか…。
「さて、最後は…『きり丸…白紙?』」
きり丸は照れたように背中を向けて呟いた。
「僕は別に、言われたら何でもするっていうか…まぁ要するに何でもチケットって感じですね。」
「何でもチケット?」
「例えばたまみさんとの赤ちゃんの子守りとかでもいいですし。別に回数とかも気にしなくていいんで。」
「なっ…!?」
その発想に驚いて口をぱくぱくさせていると、生徒達がどよめきたった。
「えー!たまみさん赤ちゃんできたのー!?」
「いつ産まれるんですかー!?」
「まだ全然お腹出てないですねー!」
「こらこらこら!!違う!違うから!!きり丸、誤解をまねくことを言うんじゃない!」
必死に全員をなだめ落ち着かせる。
まったく…!!
変な汗をかき、ちらりとたまみを見ると、彼女は真っ赤になって照れ笑いしていた。
「えー…、とにかく、皆ありがとう。こんな風に祝ってもらえて嬉しかった…。チケット、大事に使わせてもらうよ。」
全員にこにことして頷いた。
その笑顔に、私は次の言葉を発するのがためらわれた…。
「そしてこんなときに申し訳ないのだが…実は、今日は抜き打ちテストだ。」
「えー!」という反応を予想していたが、それに反して生徒達はニヤリと笑っていた。
「僕達、今日もしテストがあっても大丈夫なように勉強してきたんです!!」
庄左ヱ門がエッヘンと胸を張って言うと、他の生徒達もうんうんと頷いた。
「何となく、こういう日に限って抜き打ちテストがある気がしたもんなー。」
「そうそう、結構頑張ったからきっと大丈夫!」
「どんとこいですよー!」
なにぃっ…!!!
驚いて全員の顔を見ると、皆自信満々に筆を手にしていた。
今日一番の驚きだ…!!
たまみがテスト用紙を配る姿を眺めながら、私は皆の表情に期待を膨らませた。
一年は組の生徒は何か隠れてコソコソしている気がする。
たまみからも時々じっと観察されている気がする…。
なんだ、何か企んでいるのか。
気にはなったが、もう少し様子をみようと思い、私はしばらく見て見ぬふりをすることにした。
そしてある朝。
授業をするために教室の戸を開けると。
「「「「「土井先生、お誕生日おめでとうございまーすっ!!」」」」」」
一斉に、は組の生徒達の声がして驚いた。
誕生日!?
そ、そういえば今日だったか…!
忙しすぎて自分の誕生日も忘れてしまっていた。
にこにこと嬉しそうに笑う良い子達。
ふと黒板を見ると、そこには「土井先生 おたんじょうび おめでとう」と書いてあった。
「お、お前達…!」
驚きと嬉しさで戸惑っていると、乱太郎が紙の束を差し出した。
「はい、土井先生!いつも私達のためにありがとうございます!」
にこにこと嬉しそうに手渡された紙を見てみると、そこには『お誕生日ちけっと』と書いてあった。
「お誕生日ちけっと…?」
「はい!私達からは日頃の感謝の気持ちをこめて、それぞれみんなからチケットを渡すことにしました。」
1枚目をめくってみると。
「『美味しいもの調査チケット…しんべヱ』?」
「デートするときに行くお店、いつでも調べるので言ってください!」
「デ、デートって…。」
「あ!たまみさんのことは秘密なんでしたね!僕、誰にも言いませんから…!」
いや、誰にも言いませんって、いま皆に言っているじゃないか…!
というか、たまみとのことは誰にも話していないのに何故しんべヱが…!?
周りをみると、生徒達が一様に生温かい眼差しでうんうんと頷いている。
な、なんだこのリアクションは…!
いつの間にか全員にばれていたのか…!?
たまみも驚いて焦っているようだった。
「土井先生、もうみんな知ってますよ。他の生徒とか先生には一応内緒にしてますけど、バレバレっす。」
きり丸が苦笑してそう言うと、次々と声があがった。
「だって、土井先生たまにたまみって呼び捨てで呼んでるし。」
「たまみさんが土井先生のことを好きなのは分かりやすすぎますけど、土井先生もいつもたまみさんのこと目で追いかけてるし。」
「目だけで会話してるときもあるよね。」
「…………。」
そ、そうだったのか…。
気づかないうちにバレてしまっていたのか。
しかし、ここまできたら今更否定するのも不自然のような…。
ここはもう素直に認めてしまうしかないか…。
私はオホンと咳払いをするとしんべヱの頭を撫でた。
「ありがとう、しんべヱ。では、そのうち出かける予定ができたときには調査忍務に出てもらおうかな。」
「はい!いつでも喜んで!」
胸を張って頼もしげな様子のしんべヱ。
私は微笑むとチケットの紙を一枚めくった。
「次は…『補習対策チケット…庄左ヱ門』」
「土井先生、補習のせいで貴重なお休みが削られていると思うんです。もし、たまみさんとこの日はデートしたい!なんて日があるなら、僕が皆の勉強をサポートして補習にだけはならないように頑張るので、遠慮なく仰ってください!」
何とも庄左ヱ門らしい発想で、ありがたい申し出だ…。
しかしこのチケットを使うということは、皆にその日たまみと出掛けると宣言しているようなもので…下手をしたらついてくるかもしれない…。
そんなことを考えながら苦笑すると、庄左ヱ門がピッと手をあげた。
「あ、もちろん後からデートを尾行したりなんてしませんから!」
すると、後ろの生徒達からブーイングが僅かに起こった。
おいおい、やっぱりついてくる気だったのか…。
「土井先生、そんなときこそ次のチケットです!」
団蔵が笑顔で紙をめくるように催促した。
「ん、どれどれ…『馬の貸出チケット…団蔵』」
「馬があれば皆につけられることもなく遠くまでデートできますよ!たまみさん、馬には乗ったことありますか?」
団蔵が聞くと、たまみはフルフルと首を振った。
「じゃあ一緒に練習しましょう。土井先生と二人で乗るなら練習しなくてもある程度いけると思いますが、慣れておけばもっと楽しくお出かけできると思いますよ!」
馬でデートって一体どこに行かせるつもりなんだ。
しかしたまみを見ると、案外乗り気なようで団蔵と笑って話している。
そうだ、彼女は意外とアクティブな一面もあるのだった。
「団蔵、たまみはどんくさいところがあるから、もし馬の練習をするなら私のいるときにしてくれないか。」
「どんくさいって…!土井せんせ、ヒドイです…!」
「あ、いや、ごめん、そんなつもりじゃ…。ほら、言葉のあやというか…拗ねないでくれ…。」
頬を膨らますたまみに慌てて取り繕うと、皆にくすくすと笑われてしまった。
私はまた一つ咳払いをして「えー、次は…」と紙をめくった。
「『おつかいチケット…乱太郎』」
「土井先生お忙しいと思いますし、何か買ってくるものとかあればいつでも仰ってください!家賃を払いに行くとかでもいいですよー。」
「そうか、それはありがたいな。なかなか家に帰る時間がないときもあるから、またお願いしよう。」
「はーい!」
乱太郎がにこりと笑って手をあげた。
私も微笑んでその頭をよしよしと撫でると、次の紙をめくった。
「『お掃除チケット…伊助』」
「土井先生のお家に出張でお掃除に行くのもいいですし、なんなら土井先生のかわりにドブ掃除に行ってもいいですよ!」
「ははは、さすがにドブ掃除は遠慮しとこうかな、ありがとう。でもその代わり…皆の忍たま長屋の部屋の掃除を手伝ってやってくれないか。」
「分かりました!みんな、今日から順番に掃除していくよー!」
伊助が楽しそうに皆に呼びかける。
年末の大掃除にはまだ早いが、このへんで一度きれいにしておくと後が楽だろう。
「次は…『力仕事チケット…虎若』」
「授業資料の荷物運びとか力仕事はお任せください。火薬委員会で重たい壺を動かすときとかも手伝いにいきますよ。」
「虎若は重たい銃も持てるように鍛えているもんな。火薬委員会の仕事には私も忙しくて中々顔を出せないから、代わりに手伝って貰えると助かるよ。またそのときに声をかけるから、宜しく頼む。」
火薬委員会メンバーである伊助もうんうんと頷き、虎若は少し照れたように笑った。
「次は…『肩たたきチケット…兵太夫&三治郎』」
「僕達、土井先生のために肩たたきできるからくりを作ったんです!まだ試作段階で部屋に置いてあるのですが、調整もしたいので長屋に来てください!」
「土井先生、机に向かう仕事が多いから肩も凝るんじゃないかと思いまして。」
「それは嬉しいな。寒くなってきて余計に肩が凝りやすくなってきたからなぁ…しかし、その、試作というのは…大丈夫なのか?」
「たまに力加減が出来なくて人形が何体か壊れちゃいましたが、今度のやつは大丈夫だと思います!」
「そ、そうか…。よし、じゃあもう少し調整してもらってから試してみようかな…。」
二人の笑顔に何となく危険を察知し、肩たたきチケットを使うのはもう少し先にしておこうと心に決めた。
「えー、次は…『薪割りチケット…金吾』」
「土井先生、たまに薪割りしてらっしゃるでしょう?僕、剣術の訓練にも繋がりますし、薪が足りないときは是非仰ってください!」
「そうか、確かにいい訓練になるな。では今度薪が減ってきたときには金吾に声をかけるようにするよ、ありがとう。」
「はいっ!」
にこりと笑う金吾の頭をぽんと撫でて、次の紙をめくった。
「えー、次は…『練り物確認チケット…喜三太』」
「僕はチケットっていうか、気が向いたときに、こっそり食堂のランチを確認して練り物があればお伝えしますねぇ。」
「そ、それはありがたいな…!」
「なんなら食べてあげますよぉ。」
「おぉ…切実に助かるよ。」
苦笑してみせると喜三太はあははと面白そうに笑った。
これでランチの練り物問題は解決するだろうか…。
「さて、最後は…『きり丸…白紙?』」
きり丸は照れたように背中を向けて呟いた。
「僕は別に、言われたら何でもするっていうか…まぁ要するに何でもチケットって感じですね。」
「何でもチケット?」
「例えばたまみさんとの赤ちゃんの子守りとかでもいいですし。別に回数とかも気にしなくていいんで。」
「なっ…!?」
その発想に驚いて口をぱくぱくさせていると、生徒達がどよめきたった。
「えー!たまみさん赤ちゃんできたのー!?」
「いつ産まれるんですかー!?」
「まだ全然お腹出てないですねー!」
「こらこらこら!!違う!違うから!!きり丸、誤解をまねくことを言うんじゃない!」
必死に全員をなだめ落ち着かせる。
まったく…!!
変な汗をかき、ちらりとたまみを見ると、彼女は真っ赤になって照れ笑いしていた。
「えー…、とにかく、皆ありがとう。こんな風に祝ってもらえて嬉しかった…。チケット、大事に使わせてもらうよ。」
全員にこにことして頷いた。
その笑顔に、私は次の言葉を発するのがためらわれた…。
「そしてこんなときに申し訳ないのだが…実は、今日は抜き打ちテストだ。」
「えー!」という反応を予想していたが、それに反して生徒達はニヤリと笑っていた。
「僕達、今日もしテストがあっても大丈夫なように勉強してきたんです!!」
庄左ヱ門がエッヘンと胸を張って言うと、他の生徒達もうんうんと頷いた。
「何となく、こういう日に限って抜き打ちテストがある気がしたもんなー。」
「そうそう、結構頑張ったからきっと大丈夫!」
「どんとこいですよー!」
なにぃっ…!!!
驚いて全員の顔を見ると、皆自信満々に筆を手にしていた。
今日一番の驚きだ…!!
たまみがテスト用紙を配る姿を眺めながら、私は皆の表情に期待を膨らませた。