第43話 野掛け
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帰りは少し違う道を選んで、しんべヱが美味しいと言っていたお団子屋さんに立ち寄った。
軒先の椅子に腰掛けて、のどかな風景を見ながらのんびりお団子とお茶を頂く。
たまみさんは上機嫌でお団子をもぐもぐと食べていた。
いつ見ても可愛い食べっぷりだと眺めていると、店の裏側から何やら気配を感じた。
……これは、まさか……。
気づかないふりをしてそのまま様子を見てみる。
すると、急にたまみさんが小さく悲鳴をあげた。
「ぃやぁっ!!」
「どうしました!?」
「こ、これっ…!!」
見ると、足首にカマキリがくっついていた。
たまみさんが慌ててブンブンと足首を動かす。
私はカマキリをサッととって気配のする方へ投げた。
「「「うわぁっ!」」」
「乱太郎くん、きり丸くん、しんべヱくん!?」
三人が店の裏から姿を出した。
「あ〜あ、見つかっちゃった…。」
「…お前たち、ここで何をしている?」
嫌な予感がして聞いてみると。
「僕達、土井先生とたまみさんのデートが上手くいくようにお手伝いに来ましたぁ!」
「はぁ!?」
「しんべヱっ!それ言っちゃだめだよ!!」
乱太郎がしんべヱの口を慌てて塞ぐ。
「…どういうことだ?」
問い詰めるとこういうことだった。
庄左ヱ門の提案で私達がデートであれば全員でついていって後ろからフォローするつもりだったと。
だが、私達が思ったより早朝に出たので出遅れてしまい、行き先が分からないのでいくつかの団子屋さん(たまみさんは甘党だから寄ると予想)に分かれて身を隠し、私達が来たらフォロー(たまみさんを虫で怖がらせて私にいい格好させようとする作戦)をするつもりだったと。
「……お前達は暇か!?通るかどうかも分からないのに待っていたのか!?」
どこからどうつっこめばいいんだ!
私は呆れて頭を抱えた。
しかし、ここは何とかごまかさなくては。
「えー、私とたまみさんはそれぞれ別の用事で出ていて、帰りに偶然会ったからここに立ち寄っただけだ。」
三人がじとーっとした疑いの眼差しで見てくる。
「な、なんだ!私達が別で出てることは小松田くんに聞けば分かるぞ。」
「でもそれって、別々に出て後で待ち合わせとかもできますよね。用事って、どこに行ってたんですか?」
くっ。
その洞察力を何故授業で活かせんのだ…!
「忍務の詳細は話さないのが基本だ。」
「じゃあたまみさんは?」
「わ、私も忍務で…。」
いやいやいや!
たまみさん、それは無理がある!!
心のなかで冷や汗をかきながらどうしたものかと考えていると、たまみさんが少し離れて三人を手招きして呼び寄せた。
彼女はおもむろにしゃがみ込み、三人に向かって小声で話し出した。
内緒話をしたいようだが、丸聞こえだ…。
しかし私は聞こえないふりをすることにして目を閉じた。
「あのね、せっかく土井先生に偶然会えたから、ちょっとそっとしておいてほしいなぁ…みんな私の気持ち知ってるでしょう?」
「でも僕達…」
「お団子おごってあげるから!」
「「頂きまぁっす!」」
結局。
そこから一年は組の生徒を全員迎えに歩くことになり。
最後は全員で団子を食べて帰るはめになってしまった。
朝はたまみさんと二人で通った道を、帰りは一年は組の生徒達とぞろぞろと連れ立って歩く。
ワイワイと話す生徒達の最後尾を、私とたまみさんが並んで付き添う。
「まったく…こいつらは何を考えて…」
小声でため息をつくと、たまみさんがくすくすと笑った。
「でも、せっかく補習がなくなって丸一日遊べるようになったのに、それをまるまる土井先生のために使おうとするなんて、土井先生は愛されてますね。」
「…私だけじゃなくて、たまみさんのためにも、でしょう。」
「そうでしょうか。」
そのとき、前方でイナゴがたくさんいると声が上がってきり丸達がそちらに走った。
追いかけようとした瞬間、たまみさんが私の袖をくいっと引いた。
「半助さん」
「ん?」
自分から言ったことなのに、唐突に名前を呼ばれてどきりとした。
「今日は忙しいのにお時間作ってくれてありがとうございました。」
「そんなこと…たまみの為ならいつだって…。」
「今までで一番楽しい一日でした…!」
たまみさんはとても嬉しそうに微笑んだ。
私は生徒達の様子を視界の端で確認し、歩みを止めた。
「私もだ…。」
隣で微笑む彼女の手を、生徒達には見えないよう後ろできつく握り、また歩調をゆるめて歩き出した…。
軒先の椅子に腰掛けて、のどかな風景を見ながらのんびりお団子とお茶を頂く。
たまみさんは上機嫌でお団子をもぐもぐと食べていた。
いつ見ても可愛い食べっぷりだと眺めていると、店の裏側から何やら気配を感じた。
……これは、まさか……。
気づかないふりをしてそのまま様子を見てみる。
すると、急にたまみさんが小さく悲鳴をあげた。
「ぃやぁっ!!」
「どうしました!?」
「こ、これっ…!!」
見ると、足首にカマキリがくっついていた。
たまみさんが慌ててブンブンと足首を動かす。
私はカマキリをサッととって気配のする方へ投げた。
「「「うわぁっ!」」」
「乱太郎くん、きり丸くん、しんべヱくん!?」
三人が店の裏から姿を出した。
「あ〜あ、見つかっちゃった…。」
「…お前たち、ここで何をしている?」
嫌な予感がして聞いてみると。
「僕達、土井先生とたまみさんのデートが上手くいくようにお手伝いに来ましたぁ!」
「はぁ!?」
「しんべヱっ!それ言っちゃだめだよ!!」
乱太郎がしんべヱの口を慌てて塞ぐ。
「…どういうことだ?」
問い詰めるとこういうことだった。
庄左ヱ門の提案で私達がデートであれば全員でついていって後ろからフォローするつもりだったと。
だが、私達が思ったより早朝に出たので出遅れてしまい、行き先が分からないのでいくつかの団子屋さん(たまみさんは甘党だから寄ると予想)に分かれて身を隠し、私達が来たらフォロー(たまみさんを虫で怖がらせて私にいい格好させようとする作戦)をするつもりだったと。
「……お前達は暇か!?通るかどうかも分からないのに待っていたのか!?」
どこからどうつっこめばいいんだ!
私は呆れて頭を抱えた。
しかし、ここは何とかごまかさなくては。
「えー、私とたまみさんはそれぞれ別の用事で出ていて、帰りに偶然会ったからここに立ち寄っただけだ。」
三人がじとーっとした疑いの眼差しで見てくる。
「な、なんだ!私達が別で出てることは小松田くんに聞けば分かるぞ。」
「でもそれって、別々に出て後で待ち合わせとかもできますよね。用事って、どこに行ってたんですか?」
くっ。
その洞察力を何故授業で活かせんのだ…!
「忍務の詳細は話さないのが基本だ。」
「じゃあたまみさんは?」
「わ、私も忍務で…。」
いやいやいや!
たまみさん、それは無理がある!!
心のなかで冷や汗をかきながらどうしたものかと考えていると、たまみさんが少し離れて三人を手招きして呼び寄せた。
彼女はおもむろにしゃがみ込み、三人に向かって小声で話し出した。
内緒話をしたいようだが、丸聞こえだ…。
しかし私は聞こえないふりをすることにして目を閉じた。
「あのね、せっかく土井先生に偶然会えたから、ちょっとそっとしておいてほしいなぁ…みんな私の気持ち知ってるでしょう?」
「でも僕達…」
「お団子おごってあげるから!」
「「頂きまぁっす!」」
結局。
そこから一年は組の生徒を全員迎えに歩くことになり。
最後は全員で団子を食べて帰るはめになってしまった。
朝はたまみさんと二人で通った道を、帰りは一年は組の生徒達とぞろぞろと連れ立って歩く。
ワイワイと話す生徒達の最後尾を、私とたまみさんが並んで付き添う。
「まったく…こいつらは何を考えて…」
小声でため息をつくと、たまみさんがくすくすと笑った。
「でも、せっかく補習がなくなって丸一日遊べるようになったのに、それをまるまる土井先生のために使おうとするなんて、土井先生は愛されてますね。」
「…私だけじゃなくて、たまみさんのためにも、でしょう。」
「そうでしょうか。」
そのとき、前方でイナゴがたくさんいると声が上がってきり丸達がそちらに走った。
追いかけようとした瞬間、たまみさんが私の袖をくいっと引いた。
「半助さん」
「ん?」
自分から言ったことなのに、唐突に名前を呼ばれてどきりとした。
「今日は忙しいのにお時間作ってくれてありがとうございました。」
「そんなこと…たまみの為ならいつだって…。」
「今までで一番楽しい一日でした…!」
たまみさんはとても嬉しそうに微笑んだ。
私は生徒達の様子を視界の端で確認し、歩みを止めた。
「私もだ…。」
隣で微笑む彼女の手を、生徒達には見えないよう後ろできつく握り、また歩調をゆるめて歩き出した…。