第73話 疑惑
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ドクタケ忍者が不穏な動きを見せているから至急調べるようにと学園長先生に突然頼まれて、すっかり戻るのが遅くなってしまった。
学園長先生の危惧通り、ドクタケは新たに出城を建て火薬を運び込み、戦の準備をしていた。
火薬量と人の動きを調べるところまではよかったが、予想より多くの人間が行き来していて出城の詳細を調べるのに日が暮れるのを待った。
さらに、途中でスッポンタケ忍者とおぼしき者が密書らしきものを受け取っていたので追跡したりして時間がかかってしまった。
…たまみが心配しているかもしれない。
急ぐ足取りが、更に速くなる。
彼女が他の誰かから聞く前に、自分で話しておきたいことがあるのに…!
急いで忍術学園に戻り入門票にサインをしようとすると、小松田くんが妙なことを口にした。
「何か大変なことが起きてるんですか?」
「…何故?」
「さっき、利吉さんも今から調査に行くとか言って出ていったので。」
利吉くんが来ていたのか。
ドクタケ周辺の動きを察知して学園長先生に報せに来てくれたのだろうか。
「それも、たまみさんを連れていくから驚いちゃって。」
「…え?」
「最初、たまみさんを抱えてこっそり塀を乗り越えて行こうとしてたんですよ。こんな時間だし、僕てっきり逢い引きか何かと思っちゃいました。」
「…利吉くんが、たまみさんを抱えて外に?」
「そうなんです。たまみさんを連れて、こんな夜分に一体何の調査をするんでしょうね。」
「…いつ、出たんだい?」
「ついさっきです。入れ違いでしたねぇ。」
「………。」
私は返事もせず、学園長の庵ではなく真っ先にたまみの部屋に向かった。
中に人の気配はなく、障子をあけるとそこには誰も居なかった。
置き手紙も何もない。
「……っ!」
動悸が激しくなり、冷たくなった拳を握りしめた。
ここまで走ってもさほど汗をかくこともなかったのに、背中を冷や汗が伝った。
一つ、大きく息を吸う。
ざわめく心を落ち着かせるように。
そして、私は踵を返し、学園長先生の庵へ調査報告に向かった。
学園長先生の危惧通り、ドクタケは新たに出城を建て火薬を運び込み、戦の準備をしていた。
火薬量と人の動きを調べるところまではよかったが、予想より多くの人間が行き来していて出城の詳細を調べるのに日が暮れるのを待った。
さらに、途中でスッポンタケ忍者とおぼしき者が密書らしきものを受け取っていたので追跡したりして時間がかかってしまった。
…たまみが心配しているかもしれない。
急ぐ足取りが、更に速くなる。
彼女が他の誰かから聞く前に、自分で話しておきたいことがあるのに…!
急いで忍術学園に戻り入門票にサインをしようとすると、小松田くんが妙なことを口にした。
「何か大変なことが起きてるんですか?」
「…何故?」
「さっき、利吉さんも今から調査に行くとか言って出ていったので。」
利吉くんが来ていたのか。
ドクタケ周辺の動きを察知して学園長先生に報せに来てくれたのだろうか。
「それも、たまみさんを連れていくから驚いちゃって。」
「…え?」
「最初、たまみさんを抱えてこっそり塀を乗り越えて行こうとしてたんですよ。こんな時間だし、僕てっきり逢い引きか何かと思っちゃいました。」
「…利吉くんが、たまみさんを抱えて外に?」
「そうなんです。たまみさんを連れて、こんな夜分に一体何の調査をするんでしょうね。」
「…いつ、出たんだい?」
「ついさっきです。入れ違いでしたねぇ。」
「………。」
私は返事もせず、学園長の庵ではなく真っ先にたまみの部屋に向かった。
中に人の気配はなく、障子をあけるとそこには誰も居なかった。
置き手紙も何もない。
「……っ!」
動悸が激しくなり、冷たくなった拳を握りしめた。
ここまで走ってもさほど汗をかくこともなかったのに、背中を冷や汗が伝った。
一つ、大きく息を吸う。
ざわめく心を落ち着かせるように。
そして、私は踵を返し、学園長先生の庵へ調査報告に向かった。